日本最東端駅が廃止になる報道が出ており、新たな最東端駅はどこになるか、日本の局地の駅についても整理してみました。
日本最東端駅・東根室駅
東根室駅は1961年(昭和36年)9月1日に開業した旧国鉄(現:JR北海道)駅であり、緯度経度は東経145度35分50秒、北緯43度19分24秒であり、住所は根室市光洋町2丁目15番地となります。
根室本線(花咲線)の終着駅である根室駅からは1.5km程であり、歩いても2km程の距離となります。1面1線の無人駅ですが、最東端という冠を持つため、記念碑があったりします。付近には航空自衛隊根室分屯基地や公営住宅があり、住宅地となっています。
その東根室駅について、2025年春に廃止が検討されている報道がなされました。
廃止検討の理由としては、地方の駅にあるあるの利用者減少と経費削減であります。根室駅から1.5kmと近いほか、先述の団地までは路線バスが走っていたりすることから根室中心部から根室駅まで行って、鉄道に乗り換えるよりはダイレクトな路線バスの方が便利とも言えます。さらに、自家用車があれば鉄道もバスも関係ないところでもあり、時代の趨勢と言うところがあり、仕方ないところかもしれません。
新たな最東端駅はどこに
東根室駅が廃止となると新たな日本最東端駅がどこになるのか気になりますが、東根室駅が開業したのは1961年(昭和36年)9月1日であり、その日から日本最北端駅となっています。同年8月31日までは根室駅が日本最東端であり、もし、東根室駅が廃止となると64年ぶりの最東端駅の座を取り戻すこととなります。
ちなみに根室駅以前は根室拓殖鉄道の歯舞駅が最東端でしたが、1959年(昭和34年)9月21日に廃止されてから根室駅が最東端となっていました。
東以外の最端駅は
最東端駅は東根室駅でありますが、東以外の最北、最西、最南の駅をまとめてみました。
最北端駅
最北端駅は単独でJR北海道の稚内駅となります。住所は北海道稚内市中央3丁目6-1であり、緯度経度は北緯45度25分1.3秒 東経141度40分37.2秒となります。
札幌と旭川から特急列車があり、稚内空港は羽田から直行便があるので、比較的行ったことがある人は多いかもしれません。宗谷本線の終着でもあり、駅を出たところには最北の終着駅をイメージさせるモニュメントがあります。
個人的には3度行ったことがある場所であります。
最西端駅
日本最西端の駅はJRではなく、モノレールの駅であり、沖縄県のゆいレールの那覇空港駅が最西端となります。住所は沖縄県那覇市字鏡水938-5であり、緯度経度は北緯26度12分23.3秒 東経127度39分8.1秒となっています。
沖縄に飛行機で行き、市内にモノレールでアクセスすれば気づかぬ間に日本最西端の駅を経験していることとなります。
JRではJR九州の佐世保駅が最西端となり、レールが2本ある普通鉄道では松浦鉄道西九州線のたびら平戸口駅(長崎県)が最西端となります。松浦鉄道はもともとJR線から第三セクターに移管された鉄道であります。
個人的には那覇空港及びゆいレールは数えられないくらい利用しており、佐世保駅についても、鉄印帳の旅で行ったことがあります。
最南端
日本最南端駅もJRではなく、沖縄県のゆいレールの赤嶺駅が最南端駅となります。住所は沖縄県那覇市赤嶺二丁目1000-11であり、緯度経度は北緯26度11分35.6秒 東経127度39分37.7秒となります。こちらもアウトレットモールへの乗り換えや駅前のホテルに宿泊したことがある人が多いかもしれません。
普通鉄道兼JRでは指宿枕崎線の西大山駅が最南端となります。同駅は乗り降りするよりも車で来た人が写真を撮るのが多いと言う皮肉的な駅でもあります。指宿枕崎線は指宿=枕崎間の利用者が少ないので、いずれは廃線となる可能性もあり、そうなると指宿駅がJRとしては最南端となる可能性もあります。
個人的には赤嶺駅は駅前と言うか直結に近いホテルグランビュー沖縄に泊まった際に利用したことがあり、西大山駅はJR完乗の旅で一瞬の停車時間で駅に降り立ちました。
最高地点と最低地点
東西南北と来れば、次は最高地点と最低地点はどこかとなります。続いてはそれらの駅を確認してみます。
最高地点
最高地点は長野県駒ヶ根市赤穂759-489にある中央アルプス駒ヶ岳 ロープウェイの千畳敷駅が最高であり、2,640mとなります。日本の多くの山の山頂よりも高い位置に位置しています。
続いては、立山黒部貫光無軌条電車線の室堂駅の2,450mとなります。トロリーバスの路線で見た目はバスですが、架線から電気を集電して走る電気バスは自動車と言えますが、法律上は無軌条電車となっています。それが故に立山黒部アルペンルートのバス停と言うか駅が日本の高い位置にある駅の上位を占めています。
ただ、トロリーバスシステムが老朽化しており、2024年12月に廃止される予定であり、ランキングは大きく変わる見込みです。
そして、2本のレールで構成される普通鉄道ではJR東日本の小海線の野辺山駅が最高となります。1,345.67 mとなります。住所は 長野県南佐久郡南牧村野辺山となります。
個人的には野辺山駅からJR最高地点の駅まで歩いた記憶があり、真冬にもかかわらず、配車したタクシーを待たせないために冬にもかかわらず汗だくになった記憶があります。
ちなみに道の駅では同じく長野県の上田市にある道の駅美ヶ原高原であり、標高2,000メートルとなっています。
最低地点
青函トンネル記念館ホームページより
最低地点となるとゼロメートル地帯の江東区にある駅か金魚で有名な愛知県の弥冨駅か、国境の長いトンネルを抜けると雪国手前の土合駅か、はたまた大深度地下鉄駅の六本木駅かと思うと意外な場所にありました。
それは津軽海峡の下にありました。北海道新幹線の青函トンネルに設けられていた海底駅は本州と北海道側にそれぞれひとつずつ過去にあり、竜飛海底駅と吉岡海底駅でした。以前は快速海峡が停車していましたが、北海道新幹線を同トンネルを通すにあたり廃止されてしまいました。現在では豪華観光列車であるJR東日本のTRAIN SUITE 四季島が減速して運転するくらいであります。
以上のように青函トンネルの海底駅はすでにオワコンしており、ないように見えるのですが、実は本州側の竜飛崎には一般財団法人青函トンネル記念館があり、そこには青函トンネル建設にあたって敷設されたケーブルカーが現在では観光利用されています。ケーブルカーは鉄道にカテゴライズされるので鉄道駅となります。
その海底側の駅名は体験坑道駅であり、海面下140mにある駅であり、日本一となっています。日本一のみならず世界一の低いところにある駅となっています。
このケーブルカーの勾配は250‰であり、鉄道としてはものすごい急勾配であります。数学的には余計なゼロを消して25%にしても良いのではないかと思ってしまいますが、道路ではなく鉄道なのでそうなのかもしれません。
ちなみに廃止となった海底駅の低さは以下のとおりです。
吉岡海底駅 海面下149.5m
竜飛海底駅 海面下135.0m
吉岡海底駅が廃止されていなければ世界一の低い場所にある鉄道駅だったのかもしれません。
ちなみに個人的には遠い昔に親戚のおじさんに連れられて、このケーブルカーで体験坑道駅に降りたことがあり、ひんやりした割に湿気があったのを覚えています。JR側からは海底駅に行ったことはありませんが。
最後に
日本で最も東西南北にある駅のうち、あと1年くらいで東にある東根室駅はなくなりそうであります。なくなっても隣駅の根室駅が後継と言うか再登板となる見込みでありますが、少し悲しいところでもあります。個人的には端駅では東根室だけ降り立ったことがないので、このまま行けば消極的最東端制覇となりそうですが、一度は自分足で踏んでみたいので根室に行く計画を早々に立ててみたいところです。しかし、中標津空港からも遠く、JRでもバスでも遠い根室は時間がかかりそうです。トクたびマイルが出たらさらっとクリアしそうです。