バリュートランジットのリニューアルが発表されましたが、ANA国内線で八丈島発券を考察してみました。
東京都内の八丈島からの発券
東京都内路線でANAが運航する八丈島路線は区間マイル177マイルであり、現在は1日3往復(朝、昼、夕)運航されています。
飛行時間は55分から60分と羽田発着では一番短いルートでもあります。時間がかからないところがメリットであります。
羽田⇔八丈島単体で見ると距離が短いため、プレミアムポイント修行には向きませんが乗り継ぎを考えるとメリットがあるかもしれません。
羽田と八丈島をPP単価で比較
という事で、八丈島発券の羽田乗継でバリュートランジットと羽田⇔目的地のシングル運賃との比較をしてみました。
まずは、八丈島発券の鹿児島までのバリュートランジット28であります。八丈島を昼下がりに出発し、羽田では50分の乗継で、鹿児島には18時前到着と比較的早いルートであります。運賃は24,540円となります。プレミアムポイント積算率は75%+200PPであり、2セグメントではトータル400PP積算されます。
続いては安定の株主優待の羽田→鹿児島のシングルチケットであります。こちらの積算率は75%+400PPであります。ANAホールディングスの株主であれば、株主優待券はダダでありますが、そうでない場合、二次流通で2,500円ほどで調達が必要となるため、運賃23,120円+2,500円が必要です。
そして、一番安いスーパーバリュー28であります。運賃は14,670円であり、最安であります。一方でプレミアムポイント積算率は75%のみで搭乗ポイントはなしであります。
以上から、プレミアムポイント単価を出してみました。
株主優待運賃は優待券調達費用を2,500円として積んでいます。
運賃 | PP | PP単価 | |
---|---|---|---|
VT28 | 24,540 | 1,566 | 15.67 |
株優 | 25,620 | 1,301 | 19.69 |
SV28 | 14,670 | 901 | 16.28 |
羽田から鹿児島に単純に行くよりも八丈島に行った方が、プレミアムポイントが一番積算し、単価も安くなると言う結果となっています。フライト時間も短いので、時間のない方でも八丈島タッチして本来の目的地に向かうという事が出来そうであります。
そして、2022年に展開されたプレミアムポイントキャンペーンでは2倍に加えて、特定路線は+500PP追加算であり、八丈島は対象でした。
淡い期待ですが、2023年も同じキャンペーンが展開されると3,632PPとなり、単価は6.76円/PPとなります。
八丈島からバリュートランジット28の設定のある都市
八丈島空港とのバリュートランジット28の設定のある都市を確認してみました。下記のとおりです。
大阪:伊丹、神戸、関西
九州:福岡、北九州、佐賀、大分、長崎、熊本、宮崎、鹿児島
北海道は有ってもよさそうですが、設定はなく、羽田から直行便がある九州の県庁所在地と大都市の北九州と大阪三空港であります。
沖縄三都市(那覇、宮古、石垣)についても設定はありませんでした。上記のとおり、鹿児島が距離の割に安い設定となっているため、プレミアムポイント単価は一番良さそうであります。
バリュートランジットがリニューアル
2023年3月より国内線の乗り継ぎ割引運賃である「ANA VALUE TRANSIT(ANA バリュートランジット)」をリニューアルする予定であります。
これまでとの違いは下記のとおりです。
割引運賃が増える
これまではバリュートランジットは無印のバリュートランジットにバリュートランジット7、バリュートランジット28の3本建てでしたが、リニューアル後は下記のとおりです。
バリュートランジット
バリュートランジット1
バリュートランジット3
バリュートランジット7
スーパーバリュートランジット21
スーパーバリュートランジット28
スーパーバリュートランジット45
スーパーバリュートランジット55
スーパーバリュートランジット75
バリュートランジット系では1と3が追加され、スーパーバリュートランジット系が新たに出来、75日前から21日前までの間で5段階の設定となります。
プレミアムポイントの積算率は公開されていませんが、バリュートランジット系は75%+搭乗ポイント200PPとなり、スーパーバリュートランジット系は75%で搭乗ポイントなしという事が予想されます。
お気づきの方もいるかもしれませんが、バリュートランジット28がなくなっています。今までは結構お得な運賃で搭乗ポイント200+200のトータル400PP獲得できたのが、なくなります。
これまでVT職人みたいな人が各都市発券の単価を出していましたが、それがリセットとなるかもしれません。一方で八丈島のようなところが大ANA(穴)になるかもしれません。
予約・購入期間を拡大
これまでは搭乗2か月前の月初からしか購入できませんでしたが、今後はどのバリュートランジット系運賃でもダイヤ確定時から購入可能となります。スーパーバリューセールなどの単発チケットにどちらかのフライトが奪われる点が少なくなるでしょう。
バリュートランジットではなかなかつながらなかった旅程が早期であれば繋げられるようになりそうです。
乗継ぎ設定便を拡充
これまではMCT(各空港での最短接続時間)を満たす最短の接続フライトのみが設定されていましたが、後続2便、トータル3便までが選択できるようになりました。
羽田や伊丹での接続の場合は新千歳や福岡、沖縄などの1日かなりの便数があるところは選択肢が増えそうであります。
これは乗り継ぎ時間の間にラウンジでまったりする時間が余計に出来たり、場所によっては市街に出かけられることもできそうです。
しかしながら、本来は最短接続のフライトが埋まっていても後続便が空いていれば利用できると言う意味の方が強いと言えます。
どこでも3便が選択できると言うわけではなく、乗継設定区間によって、条件が異なる場合があると記載されているので、全てとは言えないようです。詳細が出てからチェックする必要があります。
最後に
今回のバリュートランジットのリニューアルは使いやすくなる一方で、各運賃とプレミアムポイント積算率がどうなるかで大きく変化する可能性もあります。
おそらく、これまでのバリュートランジット28で目論む修行はリセットされ、意外な路線が台頭するかもしれません。
八丈島は羽田から最短最速であり、時間的なアドバンテージがあります。また、離島路線でもあり、運賃をドラスティックに変えると言うのは厳しいかもしれません。そうした中で、新しい運賃体系ではどうなるか注目でもあります。
個人的にはプライオリティパスを保有しており、関空やセントレアでの乗り継ぎのバリュートランジットがどうなるか気になります。到着と出発で2食無料で飲み食いできそうです。