青の都とも言われるサマルカンドのブルーを求めて歩いてみましたので、お伝えします。
サマルカンドブルーとは
GPTは以下のように説明しています。
サマルカンドブルーは、中央アジアのウズベキスタンに位置する古都サマルカンドに由来する色名です。この色は、サマルカンドにある建築物や陶器に見られる美しい青色を表現しており、歴史的・文化的な背景を反映したシンボル的な色として知られています。具体的には、以下のような特徴があります。
1. サマルカンドの歴史と建築との関係
サマルカンドはシルクロードの要所として栄え、多くの文化が交わった場所です。
青色のタイルやモザイクが多く使われた建築物が有名で、代表的な建造物としてレギスタン広場の3つの神学校や、グリ・アミール廟、ビビ・ハヌム・モスクなどがあります。
特に、青やターコイズの色はイスラム美術で「天」や「永遠」を象徴する重要な色とされてきました。
2. 色のイメージ
サマルカンドブルーは、鮮やかで深みのある青色とターコイズブルーの中間色を指すことが多いです。
その色合いは、明るい空や清澄な水のように透明感があり、落ち着きと神秘さを併せ持っています。
3. 現代の影響
この色は建築、ファッション、陶芸など、様々な分野でインスピレーションを与えています。
また、旅行ガイドやデザイン分野でも「サマルカンドブルー」は異国情緒を象徴する言葉として使われます。
このように、サマルカンドブルーは、単なる色以上に、歴史・文化の豊かさを象徴するものとして広く愛されています。
トリトンブルーとモヒカンブルーとは違うブルーではありますが、青組の人には受け入れられやすいブルーと言うのは将来、ウズベキスタン航空がスターアライアンスに加盟したら、トリトンブルーでサマルカンドブルーに行けると言う事にもなるかもしれません。
レギスタン広場
レギスタン広場には、壮麗な3つのマドラサ(イスラム神学校)が建ち並んでおり、その美しいタイル装飾や壮大な建築が世界的に有名です。
午前中は日帰りタジキスタンの旅をしており、想像以上にスケジュールが順調であったため、午後からサマルカンド旧市街巡りとしました。
最初はレギスタン広場からです。何度か写真では見ていましたが、その美しさよりもその大きさと言うか壮大さが第一印象であります。
また、建物は寺や廟だと思っていましたが、神学校と言うのは驚きでした。拝観料を払い各建物を観ていきます。
大きく3つの建物が並んでおり、どれも壮観であります。
最も色合いが濃く感じるのはシェル・ドル・マドラサであり、虎というか獅子が二頭描かれています。建設年は1619~1636年と600年も前というのもすごいところであります。
内部には大きな広場があり、時空を超えて学業にいそしんでいた人たちの姿が思い浮かびます。
その獅子が正面に見えるところに建つのがウルグ・ベク・マドラサであり、1420年に出来た建物であります。空と宇宙を感じる幾何学模様が精緻であります。
そして一番奥にあるのがティラ・カリ・マドラサであります。「ティラ・カリ」とは「金箔で覆われた」という意味であり、一番の見どころかもしれません。
大きな青いドームがあり、この中の内部が一番の見どころかもしれません。
その手前の外壁のタイルもとても精緻であり、建設には15年弱かかったと言うのも納得がいきます。同じく世界遺産の日光東照宮と同世代であり、同じアジアに何か共通するものを感じてしまいました。
これは絶対に観ないとも言えるドーム内部であります。サマルカンドブルーと金箔のマリアージュであり、まばゆい世界であります。金閣寺や中尊寺金色堂とは違うゴールドであります。圧巻です。
次なる目的地に
いきなり、サマルカンドブルーに衝撃を受けてしばらくいましたが、ホテルに向かう途中に次なる目的地に向かいます。レギスタン広場からWalking bridge in Dahbed Streetと言う、歩道専用の陸橋を越えていくと宮殿のような建物があります。ここは歴史的名所ではなく、レストランのと結婚式場でした。
そこから少し歩くとアミール・ティムール像がありました。サマルカンドは建物も銅像も日本とは違いかなりスケールが大きいものが多いです。日本だと大仏ぐらいはありそうです。
この方はデリーを占領したり、ペルシャを征服したり、アンカラの戦いでオスマン帝国に勝利したりと強い人のようです。
グーリ・アミール廟
銅像から徒歩5分ぐらいでそのアミール・ティムール自身の霊廟であるグーリ・アミール廟があります。繊細な紋様なドームと青いゲートの美しいタイルが特徴です。
歴史について書かれているかと思いきや、廟内での注意事項でした。英語ではshrineと書かれていました。
この門が一番、サマルカンドブルーを濃く感じるところであります。レギスタン広場の建物とは違う濃さのブルーであります。彫刻刀で掘ったような繊細な紋様も印象的です。
ここまでで既に16時前であり、今日はこの後ホテルにチェックインしてお仕舞となりました。
シャーヒ・ズィンダ廟群
翌日、タシケントに行く列車は夕方発なのでホテルをゆっくりと昼に出発して、再びサマルカンドブルーを探しに行きます。まずはシャーヒ・ズィンダ廟群に行ってみます。アプリで配車のタクシーで行きます。シャーヒ・ズィンダ廟群は大きな幹線道路沿いにあり、シャーヒ・ズィンダ廟群の入り口の反対車線で降ろされてしまいます。
横断歩道もない中、現地人が渡るのに合わせてようやくたどり着きます。かなり有名な廟群なのですが、門構えは狭き門と言ったところで現実世界との境界を感じてしまいます。
ここは伊香保温泉かと思うくらいとにかく階段を上りながら、数々のモスクや霊廟に辿り着きます。高台にドームがあり、見晴らしが良いのも印象的であります。
この後は数段の階段はあるものの、ほぼ昇りきったところからはサマルカンドブルーが続きます。日本で言う何とか銀座商店街みたいな道幅に建物が犇めいています。壮大なレギスタン広場とは違ったターコイズなブルーであります。
そして、数々の霊廟があります。サマルカンドブルーのデパートや~!と言いたくなるくらい次から次とサマルカンドブルーが続きます。
14世紀に建てられた埋葬室と言う事であります。日本ではなかなか見られるものではない空間です。
棺桶に入って天井を見上げると永久に豪華な宇宙を観ていられると言うのは為政者は良いですねと感じてしまいます。
違う廟の天井も豪華であります。こちらは日本のお寺にも通じるところがあり、アジアは広いですが、昔からつながっていることを感じてしまいます。
サマルカンドブルー銀座と言うのがピッタリな景色であります。歴史深く、代々引き継がれてきたので、派手な装飾でありながら深みがあり、世界唯一無二の景色と言うのがピッタリです。
伊香保温泉のような階段を昇るので景色は良く他の名所も見えるのも良いところであります。
ビビ・ハヌム・モスク
次はビビ・ハヌム・モスクに行ってみます。シャーヒ・ズィンダ廟群からは大きな幹線道路を挟んだ場所にありますが、歩道橋があり、割と近い場所にあります。
途中にはハズラティヒズル・モスクもあります。サマルカンドの名所は全て拝観料がかかり、安いのですが、時間も限られるため、今回は外からの撮影のみとしました。
ビビ・ハヌム・モスクは巨大なモスクで、ティムール朝時代に建てられた代表的な建築物の一つです。美しさもありますが、門とドームの大きさに驚きます。
門は天の川、ドームは天国に例えられているようであり、小さい頃、死んだ人はお星さまになると教えられる日本人でも理解できるようなところであります。
1399~1404年に建設されたと言う事であり、日本では室町時代ぐらいであります。東大寺など日本でも巨大な建築はありますが、やはり壮大さを感じます。
こちらも拝観料がかかるため、周囲を歩いてみます。大きな壁に囲まれおり、ドーム周りの装飾も外からでも十分満足できます。
サマルカンドの有名建築物を2日間観てきました。廟や学校、モスクを訪れてみると壮麗な門と青く輝くドームが多いのが共通していました。廟は祖先の霊をまつるところであり、モスクは礼拝堂であります。
心理学的には門とドームは人にとって営みの象徴であり、死をまつる場所が生が繋がるようにも感じられ、信仰は違えども輪廻転生を感じてしまいました。
サマルカンド駅の前に寄り道
サマルカンドブルーを2日間にわたり浸み込ませて満足したので、タシケントに向けてサマルカンド駅に向かいます。幸いにもスマホでウズベキスタン鉄道のアプリを検索していたら、1時間30分早くタシケントに到着するアフラシャブ号のVIP席に空きが出来て予約できました。とは言え、出発まで2時間ぐらいあるので少し考えてみます。
ハズラティヒズル・モスクの近くにはタシケント駅に通じるトラムもあるのですが、アプリでタクシーを配車する方が楽なのでタクシーを手配してしまいました。
タシケント駅から2km以内の博物館までとりあえず乗ってみます。博物館には行かずに、そこから700mぐらい歩いたところにある評価の高いビアバーに行ってみます。
BeerManというビアバーでありますが、昼から営業していました。今日はサマルカンドブルー巡りで昼から3時間近く歩き続けたのでタシケントに行く前に少し喉を潤すと言った感じです。
昼から見慣れない東洋人が入ってくると少し怪訝な感じですが、ビールを頼んでみます。
それなりに動いた後のジョッキのビールは最高であります。飲みっぷりを見られているのか次の注文はウェルカムでした。
この後はワインと行きたいところでしたが、ワインは置いていなく、その代わり同じフドウからできている自家製のコニャックを勧めてくれたので、その通りにしました。
口当たりが良く、もう一杯頼んで、チェックでしたが、なんとトータル400円ぐらいでした。サマルカンドに住む方が酔いつぶれるコストは遥かに良さそうです。
ビアバーから10分程歩いてサマルカンド駅に到着です。手荷物検査を受けて駅構内に入りますが、駅舎内のベンチはどこも誰かが座っており、プラットホームで待ちます。日本よりも早い秋であり、心地よい秋風が吹いているので、ホームで涼んで最後のサマルカンドを感じてからの乗車でした。
最後に
今回は中央アジアの旅であり、カザフスタン、キルギス、ウズベキスタン、タジキスタンに入国してみることが最大の目的の旅でありました。今回の道中ではウズベキスタンに4泊し、うち2日はサマルカンドブルーを求めた旅でもありました。
やはり実物を見て、脳にそのブルーを刷り込まないといけないと感じました。ぜひ、サマルカンドに行ってみてはいかがでしょうか。