北陸線の名門特急であるしらさぎ号に始発の金沢から新幹線接続駅の米原まで乗車しましたので、お伝えします。
サンダーバードより控えめ
在来線特急としては大阪・京都と金沢を結ぶサンダーバードはあまり有名であり、前身のスーパー雷鳥からJR時代の特急として有名であります。
サンダーバードは雷と鳥でライチョウのようでありますが、ライチョウの英語名はPtarmigan(ターミガン)またはGrouse(グロース)であり、サンダーバードは伝説の鳥ということです。
そんなサンダーバードと比較すると控えめでありますが、しらさぎは1964年と国鉄時代から走り続けている特急であり、新幹線に出世したり、づはめやはやぶさのようにリネームしていない万年在来線特急としては北海道のおおぞらと並び長い歴史を持つ特急でもあります。
一筆切符であれば、山科(京都)経由でも米原経由で値差は少なく、サンダーバードの方が魅力的ですが、以上から敢えて今回は米原経由としてみました。
現在のしらざきは9両または6両編成で運転されており、すべて9両編成のサンダーバードと比較すると控えめであります。
基本的には米原で東海道新幹線接続でありますが、名古屋まで行く編成もあり、中京地区と北陸地区の足でもあります。
車両は681系と683系が運用されているものの、683系はサンダーバードに多く運用されており、しらさぎは681系が主体となります。6両編成の場合、分割併合が可能な貫通型先頭車と681系らしい先頭車の組み合わせてで運転されています。
ちなみに北陸本線は米原が起点であり、金沢から米原に向かう方が上り、米原から金沢に向かう方が下りとなっています。
北陸新幹線の延伸に伴い、北陸本線が第三セクターにブツブツと分断されて、上りと下りがカオスとなってきています。
グリーン車乗車記
しらさぎのグリーン車は1号車となります。外観はJR西日本チックであり、コーポレートカラーのブルーが基調となっています。
グリーン車はまるまる1両設定されており、座席は2-1配列となっています。山側は1列、海側は2列となっています。
ボリュームのあるシートであり、経年感はあるものの、カーペット敷であり、グリーン車らしい空間であります。
切妻は墨色の木目調で仕上げられており、経年でも古さというよりは、味を感じます。
座席についてはフットレストが完備であり、フリーストップのリクライニング、読書灯、個別照明と往年のグリーン車らしい設備であります。
窓枠周りは国鉄時代とJR新世代の間という感じがしており、ドリンクを置くには不安定でありつつも、それなりの幅があり、座面に対して低く設定されています。
グリーン車の1号車にはトイレと洗面があり、ほぼグリーン車専用となっています。
普通車は赤系とグレー系のシートが車両ごとに交互に配置されています。
北陸新幹線と並走、工事進捗がじっくり確認できる
金沢駅を出発し、しばらくは北陸新幹線の横を走行することとなります。白山市の金沢総合車両所まではすでに新幹線が走っている線路でありますが、それ以降は建設中となります。
金沢を出発して、4分程、北陸新幹線と並走する模様を撮影してみました。こちらです。
大きな河川では新幹線の橋梁は遠くとなりますが、それ以外はほぼ並走しており、停車駅に到着するたびに北陸新幹線の延伸の工事の模様を見ることができます。
架線柱にはなぜかマツコと書かれています。松任と小松関連かと思いますが、デラックスに見えてしまいます。
芦原温泉駅も工事が進んでおり、かなり高い位置の駅であることがわかります。
北陸新幹線の延伸における最大都市である福井駅はかなり前から在来線の高架化が進められていましたが、新幹線は結構な高さの高架で工事が進められています。
すでに架線柱も設置されているところもあり、開業が近くなっていることを実感します。
そして、現在の延伸の終点である敦賀駅であります。こちらはコンクリート工事が主体でありますが、かなりできており、今から引き返せない状態であり、早期に完成を目指すしかない状況と言えます。
北陸新幹線の延伸の話ばかりとなりましたが、敦賀駅を過ぎると上り線はループ線を手繰って、高地に上っていきます。
トンネルを抜け、眠くなってくるとあっという間に米原に到着します。北陸新幹線(長野=金沢間)が開業するまでは乗り継ぎでにぎわった駅も往年の賑わいを感じることができます。
乗り換えで上に行くと東海道新幹線の姿が見えます。ここまで来ると東京を意識します。ひかりで東京まで2時間と長めですが、米原乗り継ぎがベストであります。
最後に
個人的には、今回の乗車で分断される前の北陸本線(直江津=米原間)を完乗したこととなり、貴重な経験でした。
北陸新幹線の東京金沢間のダイレクトさに主役を奪われてしまったしらさぎは福井・敦賀においてはまだ主役でありますが、並走して建設されている北陸新幹線の建設状況を車窓から見ていると、もう少しでその歴史が閉じる日も近いと実感します。
また一つ歴史の長い在来線特急がなくなると思うと少し寂しさも感じます。