大阪から東京に行くには飛行機か新幹線が王道ですが、敢えてひねくれた路線を利用して、帰郷してみましたので、お伝えします。
大阪からは近鉄
大阪(難波)から近鉄特急「ひのとり」を利用して、東海地方に向かいます。ひのとりの乗車記はこちらの記事にまとめています。
ひのとりですっかり、豪華感に浸っているのも束の間で津駅で下車します。津駅では一度IC退場のため、外に出てみます。三重県の県庁所在地らしい駅構えです。
伊勢鉄道
ここからは伊勢鉄道・伊勢線での移動で鈴鹿を目指します。伊勢鉄道はJRの列車も乗り入れているものの、同社オリジナルの車両に乗車することができました。


イセIII形気動車イセ101です。富士重工業(現SUBARU)製であります。
車内はこのような感じです。
特急列車も走る路線であり、乗客は多いかと思っていましたが2人しかおらず、目的地の鈴鹿駅までは1人しか乗ってきませんでした。
途中、鈴鹿サーキット稲生駅にも停車します。レースがあれば人が多いのでしょうが、現在のような事態では誰も利用しないのかもしれません。
鈴鹿駅に到着し、鉄印をいただきます。ここも中部流であり、日付は自分で入れるタイプです。ビニールにあらかじめ入れられており、時刻表も同封されています。
次の列車までは10分程度あるため、駅の外に出てみます。市の名前を名乗る駅と思えないくらいのどかな場所であります。
高架下の駅舎内の待合室にはデビュー時のペナントや写真など子供の成長のアルバムのように飾られており、少し感動してしまいました。
灼熱のホームに上がるとオレンジ色の帯の列車が時間より早く入線してきたので、快速が来たかなと思っているとけたたましい速度で通過していきます。普通列車の回送でした。
その後に快速みえが入線します。2両編成で1両の一部は指定席で、あとは自由席です。普段なら満席でしょうが、2席を一人で占有できるくらいです。
名古屋まで小一時間ですが、ウトウトしていると名古屋駅に到着となります。
ひつまぶし探しで暇つぶし
名古屋から王道で最短の新幹線ではなく、中山道に近いルートで帰ることとします。遠回りをしても、関西本線の河原田から中央線、篠ノ井線、信越本線、北陸、上越、東北新幹線経由で一筆切符が可能であり、ひねくれて同路線にしてみました。
快速みえの名古屋到着は毎時0分台、一方で中央線特急しなのは毎時ほぼ00分発と小一時間近い待ち時間が発生します。
名古屋と言えばひつまぶしが食べたくなり、お昼ど真ん中でもあり、食べるのは厳しいかと思い、デパ地下に。


牛肉や中華も惹かれたものの初志貫徹でしら河のうなぎまぶしにしてみました。皮はパリとしていて、ごはんはたれが均等にしてみおり、濃厚な食事となりました。
デパ地下で買って、飲み物を買っていると意外と時間が経過し、ホームに行くとしなの号がいました。いい暇つぶしとなりました。
特急しなの最前列席
今回は直前の購入でしたが、バルクヘッド席とも言えるグリーン車長野方最前列席を抑えることが出来ました。


383系グリーン車は2-2配列でシートピッチもそれ程でなく、最近のグリーン車から見るとかなりお得感はありません。唯一の楽しみは最前列席の展望とも言えます。
景色を楽しむための路線


名古屋を出発し、中津川を過ぎると渓谷とトンネルが多くなります。島崎藤村の世界に入ると木曽川沿いに振り子式車両を活かしてくねくねと進んでいきます。
寝覚の床手前では車掌のアナウンスも入ります。当日は天気雨が繰り返し降っており、運転席にたたきつけていました。
木曽川沿いも終えて塩尻が近づいてきます。塩尻手前の洗馬(せば)駅を通過します。
篠ノ井線に入るとE353系とのすれ違いが目立ち松本駅でも目にします。
松本駅からJR東日本の運転士に交代となり、すぐの出発となります。
単線区間が多く、山が聳え立つ篠ノ井線の見どころと言えば姨捨(おばすて)駅付近の車窓です。
日本トップスリーとも言われる車窓であり、善光寺平の広がりが見えます。
景色ばかりに目を奪われますが、結構な線形であり、383系の性能を活かしたカーブが続きます。動画にまとめてみました。
絶景を過ぎると篠ノ井駅に到着し、新幹線と合流します。犀川を渡り、長野駅到着となります。
しなの鉄道 豊野駅に
長野到着の余韻もなく、すぐに乗り換えです。飯山線十日町行きの列車への接続となります。ホームに行っても松本行きしかいないと思うと同じホームの先に気動車が停車していましたが、気づかず危うく乗り過ごすところでした。
あっという間に豊野駅に到着します。ここで鉄印をもらいます。しなの鉄道・豊野駅の鉄印はきちんとした記帳タイプであり、丁寧に作業してくれます。
階段入り口にはJRマークがありますが、改札にはしなの鉄道のマークがあります。
ホームで長野方面を待っているとホーム対岸には最新型のSR1系が入線してきます。TJライナーのようにシートの向きを変えられる車両であり、羨ましく思いますが、乗る列車は横須賀色の115系です。これはこれで貴重なのですが。


乗り込むときの段差が懐かしく、若い頃を思い出してしまいました。
はくたかでフィニッシュ
長野駅では少し乗り継ぎ時間があり、コンビニに入ると、お土産やお酒が充実しており、結構品選びに時間がかかってしまいました。
地のもののドリンクを購入して、はくたかに乗車となります。
長野駅の金沢方の線路はきれいにカーブしているため、入線がきれいに見えます。最近よく乗車するE7系です。(車内放送で確認済み)


ブルーとベージュ系でロイヤルな雰囲気にまとめられたグリーン車は見た目の豪華感もあり、お気に入りです。
出発と同時に開栓して、最後の旅行を満喫します。
途中軽井沢に停車します。このまま降りてホテルに泊まろうかと思いつつも、列車は発車し、840mの高さを下り、高崎に到着です。
高崎をすぐに出発します。進行方向右側の山並み(長野・秩父方面)が見えてきます。
埼玉県に入り、新岡部変電所最寄りを通過すると鉄塔だらけであり、スギナのようです。
そして、終点東京となります。東海道を使わずに大阪から東京に戻った、ひねくれた旅行は終わりです。
最後に
これで鉄印は伊勢鉄道としなの鉄道を獲得したため、工事中の阿佐海岸鉄道以外の西日本・関東・北陸は完了し、残すは東北のみとなりました。
鉄印を抜きにしても普段とは違う遠回りな旅は移動しているだけでも、魅力的であり、時間がある時はこうしたひねくれた旅をしようかなと思います。