臨時特急のあずさ77号で新宿から終点白馬までグリーン車で行ってみました。その後は糸魚川に抜けて、北陸新幹線に乗車してみましたので、お伝えします。
臨時特急あずさ77号
臨時特急あずさ77号は毎日運転されている定期列車ではなく、土曜日を中心に新宿から松本を越え、大糸線の白馬駅まで運転されている臨時列車です。
新宿を10:04に出発し、茅野駅で3分停車の後、松本には13:08着、終点白馬には14:10に到着となります。
臨時列車のため、俊足とは言えず、終点まで4時間6分となかなかの長旅を味わえます。
臨時列車のメリットデメリットとしては、メリットとしては臨時列車の認知度が少ないため、意外と直前まで空席があると言う点と気に入った座席(窓側など)を指定しやすいメリットがあります。
一方でデメリットとしては、定期列車とは異なる時間帯で運転されるため、各駅での他の列車の接続が良くない点があります。たまに逆転劇のように1分乗継とかもありますが、基本は良くありません。最初から白馬に行くと言うようなケースではあまりそれは感じないでしょう。
また、車内販売が設定されていないケースが多く、乗車駅で食べ物、飲み物を購入しないと目的地までの時間が長い場合は結構つらいかもしれません。
個人的にはあずさ77号は数字がいいのと、大糸線直通にひかれて予約してしまいました。
乗車記
E353系グリーン車
JR東日本の在来線としては最も新しい定期車両の一つであります。先代のE351系(本筋的にはE257系ですが)の意匠をカラーやイメージを引き継ぎながらも、先代の車内の広さや現在のニーズ(シート電源、Wi-Fi、多目的室)を取り入れています。
E351系では薄紫色の帯が側面中央に配色されていましたが、E353系では上部に配色されているのはホームドアとか、現在の状況を感じるところでもあります。
グリーン車は9号車となり、松本方に寄っている感じもします。新宿駅ではあまり意識しませんが、以降の駅では意外と改札まで歩かされる号車とも言えます。
座席は2-2配列であり、スペシャル感はないものの、シートピッチは広く、快適であります。
一方で配色は挑戦的な赤を基調としており、豪華感をうまく演出しているのは評価できます。
ANAの国際線エコノミーのようなフットレストもついています。新幹線のような確固していないため、あまり利用するシーンはないかもしれません。
電源は各座席に設置されており、隣席が空いていれば、一つはPCやタブレット、もう一つはスマートフォンの充電に活用できそうです。
前の席の根元に設置されているため、ケーブルが長くないとちょっと不便であるかもしれません。
9号車はグリーン車専門であり、座席以外のスペースに余裕が有るのか業務員室、多目的室、ユニバーサルなトイレ、男性トイレと列車に必要な機能が集中しています。
これらスペースのデザインはダークトーンの木目で渋くまとめられています。一方で天井は漆喰のような白色であり、何となく松本城もイメージしてしまいます。
中央線を西に
八王子までは直線走行でありつつも、先行列車を気にしてかのんびり走っていますが、その後は割と加減速が激しくなります。中央線最初の難所もやすやすと通過し、大月に停車し、出発します。
ついていない一日
この後はTHE 甲府盆地と言うような景色を見つつ、甲府に停車し、信州に入っていきます。今回、特急・グリーン券は事前に購入していたものの、乗車券は最終目的地をどこにするかギリギリまで迷っていたため、当日購入することとなり、クレカで購入できる券売機で対応できるかと思うと新宿駅からでも大糸線経由はなく、米原か長野経由しか乗車券の選択はできず、結局みどりの窓口に行くこととなりました。この辺りは改善してほしいところです。
しかも、みどりの窓口もフレッシュな係員のためか、大糸線の存在がわからず、時刻表片手にルートを説明することとなりました。新宿からあずさ号が大糸線に直通しているなら、その辺はトレインして欲しいところです。
その結果、出発2分前にホーム到着となり、何も買えず、出発となります。途中の茅野駅で3分であり、改札を出た後のコンビニ行けそうであり、挑戦するもホーム階段の場所が離れすぎで、ホームにある自販機でお茶しか買えませんでした。
松本駅では2分あり、ホームにはコンビニがあるホームがあるものの、大糸線方面はコンビニのないホームに停車と言う、またまたついていない結果となり、結局お茶一本で4時間を過ごす結果となりました。
思い付きと弾丸旅程ではこうしたことは致し方ないですが、かなりジョーカーでした。
白馬到着
松本駅を過ぎると列車名の「あずさ」の由来である梓川を渡ります。信濃大町を過ぎると車窓左側には湖が見えてきます。木崎湖と青木湖湖畔を通過するのは大糸線の醍醐味でもあります。
そうこうしていると白馬駅に到着します。白馬駅までグリーン席に乗車しているのは自分以外いなく、マニアックなのかもしれません。
束の間の白馬
この日は富山まで行く途中であり、この後糸魚川を経由することとなりますが、北上する列車は2時間ほど空きがあります。
白馬駅の待合室で待ってもいいのですが、折角の白馬のため歩いてみます。白馬駅前の道は大渋滞しており、新コロ反動が如実にわかるところでもありました。こうしたことも実際に動いてみないとわからないところでもあります。
山側に行くのが常套ですが、敢えて反対側の大出の吊り橋側に行ってみました。今にして思うとレンタサイクルを借りればよかったのですが、歩数稼ぎに歩いてしまいました。
大糸線の踏切を渡り、しばらく歩くと大出の吊り橋と姫川が見えてきます。
何気ない景色ですが、それがいいのであります。
白馬駅から結構な歩きであり、一服で近くにあるかっぱ亭の縁側にて、地ビールで喉を潤します。結構人気なのか3時前ではフードは売り切れていました。
復路も徒歩であり、途中の秋花畑が印象でした。
大糸線手前まで来るとあいにく遮断器がおります。通過する列車はふるさと号であり思わず撮影してしまいました。
大糸線を北上
このあと、白馬駅に隣接する観光案内所で販売するおやき(野沢菜とかぼちゃ)を購入し、大糸線を北上します。南小谷までは東日本車両は余裕の編成でありますが、南小谷以北は西日本の1両のワンマンとなります。
意外と混雑しており、SD(ソーシャルディスタンス)確保を考えて立っている人もいるくらいでした。
選択と集中なのか、第三セクターの鉄道よりもひもじい感じでした。
そんな我慢な時間を過ぎると、広大な糸魚川駅に到着します。新幹線ホームに上がると山側はアルプスから続く山並みであり、反対側のホーム越しに日本海も見えます。
EかW7系が東京方に通過していく光景を見つつ、自分の乗るはくたかが入線します。自由席でも選び放題な現在を認識しつつ、海側のA席を確保します。
北陸道との並走が多く、途中には日没も見えます。そうこうしているうちに富山に到着し、下車となります。
最後に
都心からの特急でも結構ダイナミックな景色を味わえ、乗り継げば日本海にたどり着く経路もあり、意外といい路線かもしれません。
中央東線の特急はこの先も在来線特急として運行されることとなり、21世紀後半まではE353系が活躍しそうです。
乗ってみると意外な発見が多い鉄道旅をしてみると人生が豊かになるかもしれません。