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津軽線の被災区間が廃止へ! JR東日本にとっては目論見通りか!?

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津軽線の不通区間において、廃止が濃厚となりましたので、お伝えします。

津軽線 蟹田=三厩間が廃線確定!?

2024年5月23日、津軽線・同区間に関わる企業、自治体の間で、同区間の廃止及び、バス・タクシーへの転換で合意の報道がなされました。

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2022年8月の豪雨による被災以来、運休となっており、その後の復旧について、JR東日本は復旧費用を精査し、復旧し、同区間を維持することは上場企業として利益を追求するには値しないことを表明していました。沿線の自治体はにおいては、蟹田=三厩間は外ヶ浜町に4駅(蟹田、中小国、大平、三厩)、今別町に4駅(津軽二股、大川平、今別、津軽浜名)があり、今別町は廃止に反対を表明していました。

しかし、唯一、存続を希望していた今別町が最終的には鉄道廃止、バス・タクシーへの転換への意向に応じたため、同区間が廃止となることが濃厚となりました。

これにより、おそらくは津軽線は人を乗せて走る路線は蟹田までとなり、それ以北はハイエースの大きいバージョンのオンデマンドバスとなりそうであります。今の代替輸送もそんな感じですが。

津軽線の蟹田以北には地味に世界遺産があったり、歩く国道や演歌で有名な龍飛崎があったりします。青函トンネル記念館よりケーブルカーで青函トンネルの地下まで降りられたりするではありますが。

そう考えると、津軽線が三厩まで全線開通したのは1958年であり、青函トンネルの本州側の工事に着手したのが1964年であり、青函トンネルのための路線であったのかもしれません。昭和時代は津軽線自体のオーガニックな需要としては竜飛港などで獲れた魚介類を運んでいたのもあったかと思います。以前は蟹田以北でも4両編成で一部を貨物室にしていたのではないかと思います。

今回の廃止で、オンデマンドバスになってしまうと竜飛崎までのアクセスはローカル路線バスはなくなります。オンデマンドバス利用不可のローカル路線バス乗り継ぎの旅系や対決旅では利用できなくなるので、テレビ東京の青森への露出は減るかもしれません。地方局への番組配信が減る可能性もあります。

JR東日本の廃線パターン

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JR東日本管内では配線は二つのパターンがあります。一つはJR東日本としては純粋に廃線された路線と、その後に第三セクターに継承されている路線であります。以下のとおりです。

継承パターン

会津線→会津鉄道
青い森鉄道線←東北本線(目時=青森間)
足尾線→わたらせ渓谷鐵道

いわて銀河鉄道線←東北本線(盛岡=目時間)

えちごトキめき鉄道妙高はねうまライン←信越本線(妙高高原=直江津間)

木原線→いすみ鉄道

三陸鉄道リアス線←山田線(釜石=宮古間)

しなの鉄道北しなの線←信越本線(長野=妙高高原間)

しなの鉄道線←信越本線(軽井沢=篠ノ井間)

長井線→山形鉄道フラワー長井線

真岡線→真岡鐵道真岡線

Wkipediaより

ほとんどが国鉄民営化直後に路線がある県が出資している第三セクターに移管されています。その後は整備新幹線開通に伴う、並行在来線存続として同じく各県が出資する第三セクターとなっています。

唯一、新幹線ではないところでは三陸鉄道への継承であり、1000年に一度の大地震と言われる東日本大震災により、大きな被害を受けた山田線の沿岸路線をJR東日本が設備を復旧した後に移管しています。これにより、三陸鉄道は日本最長の路線を持つ、第三セクターともなっています。

純粋廃止パターン

一方で、JR東日本が最後の事業者として廃線となり、鉄路として歴史を閉じている区間があります。以下のとおりです。

信越本線(横川=軽井沢間)

岩泉線(茂市=岩泉間)

信越本線の横川=軽井沢間(横軽)は1997年10月1日に開業した北陸新幹線の並行在来線区間であり、新幹線が出来るまでは途中に駅もなく、急勾配の連続区間が続き、そのためだけに補助の機関車を連結しており、多大なコストがかかっていました。そのコスト削減も含めて、新幹線開通を機に廃止したと言えます。なお、現在は同区間はJRバスが碓氷峠である国道18号を行き来しています。

続いて、岩泉線は岩手県の山田線の駅である茂市駅から岩泉までの38.4 kmの路線でした。岩泉駅は終着駅であり、乗り継ぎもない、いわゆる盲腸線でした。付近の観光は龍泉洞があります。

しかし、2010年7月31日に災害不通を最後に運休が続き、結果的には2014年4月1日に廃線となっています。2010年7月31日以前にも同線は大地震により被災を受けていましたが復旧していますが、同日の悪天候により不通となっています。復旧も検討避けていた途上に東日本大震災を被り、直接的な原因と人口流出などの間接的原因もあり、廃止となっています。

今回の津軽線は岩泉線に近いと言えます。新中小国信号場までは北海道とを結ぶ物流の重要な路線と言えますが、そこから先の大平=三厩区間には新幹線駅である奥津軽いまべつ駅が一応乗り換え可能駅がありますが、基本的には盲腸路線であります。

蟹田=三厩区間が運休となった要因は2022年8月頭の豪雨が原因であります。大平=津軽二股区間で同月3日に設備被災があり、その6日後の9日に発生した豪雨でさらに被害が拡大してとどめを刺された結果と言えます。この日に津軽線の完乗を計画していたのですが、泡と化しました。

こうしてみると、信越線の横軽区間は例外としても、その先に乗り換え需要がない盲腸路線で、この先、人口増加が期待できない場所では災害がなくても常にコストを出血しているような赤字路線では、激甚災害で被災するとこうなってしまうのかもしれません。

復旧費用をかけても赤字は続くので、復旧させない方が止血が進むと言う事になります。

蟹田=新中小国間はどこが所有するのか

奥津軽いまべつ

今回の一部区間廃線報道にて、単純に廃止になるのかと思いますが、岩泉線とは違った側面もあります。それは北海道への貨物輸送であります。

津軽線自体は蟹田から三厩までは言うに及ばないですが、青森=蟹田間も乗客輸送ではそんなに儲かる路線ではないと言えます。一方で、青森から新中小国信号場まではJR貨物が頻繁に運行されている路線でもあり、JR貨物からJR東日本は線路使用料を得られる路線でもあります。

いみじくも2022年の災害にて、赤字を深くする蟹田以北区間が被災して、線路使用料が入ってくる青森=新中小国信号場区間は被災を免れており、運用コストは浮いていると想定されます。正式に廃止になっていないので、不通区間駅周辺の草刈りや通信設備の維持は継続されていると思いますが。

JR東日本にとっては、廃線にしたJR東日本所有の土地が近隣の土地所有者への迷惑をかけない維持費は廃止後もかかるとは言え、運用コストが明らかに減るので、天から来た良いリストラチャンスとも考えているかもしれません。

先述のとおり、蟹田=新中小国間はJR東日本としては旅客を運ぶことはないので、同区間の維持コストを考えるとなくしても良いのですが、JR貨物が困り、JR貨物が線路を所有するスキームは現在ないので、引き続き、維持・所有を続けると言えます。JR貨物からの線路使用料と線路維持費の天秤は黒字になるのか赤字になるの、わかりませんが、通学需要のある青森=蟹田間は維持は続くと思われます。

需要に応じたオンデマンドバスは一人でも走らせることとなりますが、そもそも需要に応じたものなので、実情を考えると鉄道を走らせるよりもコストは断然低いと言えます。

いずれは、攻めの廃線の夕張のように、後継のデマンドバス路線まで廃止にしてしまえば、何もなかったように終わることができます。

また、JR東日本では旅客を運ばない路線も保有しています。東海道貨物線はその代表であり、2030年初頭には開通する羽田空港アクセス線の一部もそうした貨物専用だった路線を使用する計画となっています。そうした事を考えるとこのまま、JR東日本が蟹田=新中小国間が所有し、維持するのではないかと思います。まあ、第2青函トンネルとか遠い未来には津軽線の廃止区間の土地が見直されるかもしれませんが。

青春18きっぷは区間はどうなるのか

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そして、地元の足として深刻な問題ではありますが、一部の旅行者にとっても今回の報道は気になるところであります。それは、青春18きっぷの利用区間問題であります。

青春18きっぷは基本的にJR線の普通列車しか乗れず、一部の第三セクター線は利用できるものの、年々第三セクター路線が拡大し、利用方法は難儀であります。

そして、本州と北海道を鉄路で行く青函路線は現在はオプション発動と言う形で以下の通りとなっています。

「青春18きっぷ」利用者が、北海道新幹線の「奥津軽いまべつ~木古内」間、及び道南いさりび鉄道の「木古内~五稜郭」間を、1枚につきおひとり片道1回利用できるオプション券です。
有効な「青春18きっぷ」を併用している方のみご利用になれます。

蟹田以北が廃止となると、現行のルールでは、JR北海道の新幹線駅である奥津軽いまべつに隣接する津軽二股駅までオンデマンドバス(事前予約必須)が利用が必要となりますが、現実離れしており、そうなると新青森から乗車可能とするのかもしれません。それだとオプション券がさらに高額となり、津軽海峡線開通前のように青函航路を組み合わせるとかありえそうです。

青森=函館間のフェリーフルフェア航路運賃よりも安くする設定とか出てくる可能性もあります。青森から普通で蟹田、そして、奥津軽いまべつまでオンデマンドバスを利用するよりは結果的に速そうです。青春18きっぷにおいては昔に戻るとも言えます。

ただ、青函ルートをフェリーで利用しても、2034年くらいに北海道新幹線が札幌まで延伸すると函館から札幌までの在来線のルートは瓦解していそうであり、普通列車完結はできなくなりそうであります。

すると、八戸や青森から室蘭や苫小牧までの航路がオプション券となりそうであります。そうなると、既に整備新幹線開業で全国で使えない路線が多くなり、青春18きっぷの意義が問われるところであります。大概の利用者は安く移動することか目的なので、実利が伴っていれば文句はないでしょう。

函館は完全にスルーされるので鉄路活用を要請するかもしれません。まあ、10年後の話であり、青春18きっぷ自体が終わる頃という時代になっていそうではありますが。

最後に

個人的には今回の廃線が確定すると、JR東日本では唯一完乗していない中小国=三厩間がなくなるので、JR東日本区間は完乗となり、消極的完乗が成立します。なんとも淋しい気持ちであります。

残りの未完乗区間は肥薩線の八代―吉松と一路線となりますが、廃止となるのは淋しいところであります。経済性を考えると致し方ないのですが。

最後まで廃止に反対していた今別町の意見として、今別町と外ヶ浜町側を結ぶ道路が冬場はカーブが多く難儀と主張していましたが、実際に運転したことはあり、カーブのRはきつく、勾配もそこそこあり、道幅も2車線満足ではなく、冬場の降雪と凍結とか考えるとかなり運転は難儀そうであります。子供を蟹田駅まで送迎する人は大変となり、結局下宿で人口流出につながりそうです。

線路がなくなると町が廃れると直接的には言えませんが、全国ではこのようにインフラ整備・維持に消極的になり、住民は減り、自治体が消滅していく過程を見ているのかもしれません。

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