東京の巨大バスターミナルであるバスタ新宿と東京東部(銀座、上野、浅草)に近いTCAT(東京シティエアターミナル)とでは、どちらがメリットがあるのか考えてみました。
バスタ新宿とTCAT
バスタ新宿は言わずと知れた日本を代表する高速バスターミナルであり、47都道府県とは言いませんが、北は青森から南は九州・四国まで深夜を中心とした高速バスが乗り入れているターミナルです。昭和時代は上野が上京のターミナルでしたが、令和は新宿がターミナルなのでしょう。
新宿駅の再開発に伴い、バスタ新宿としてわかりやすくなり、それに伴い、乗り入れも増えています。まあ、日本は鉄道は廃線が続きますが、高速道路は増え続いていますので、東京へのストロー効果として、路線が増えているところでもあります。
一方で、TCAT(Tokyo City Air Terminal)、東京シティエアターミナルは日本から海外に出発する旅行者のために開設された場所であります。国際線搭乗の場合は基本的に出発空港に行って、航空会社のチェックインカウンターに行き、搭乗手続きをして、搭乗券をもらい、手荷物検査を受けたのちに、出国手続きをして、搭乗となるのですが、昔から一連のイベントが嫌悪でありますが、いまから50年くらい前でも、それを短絡化する事は望まれており、それが止揚したのが東京シティエアターミナルでありました。
パスポートに出国印まで押されて、後は成田で飛行機に乗るだけとなり、高速道路の事故渋滞がないと安心を前借りするシステムでした。
人の行く道として、前もって備えに対策するほうが、有利であるのは意識高い人には受け入れられていたと言えます。
ただ、その後、成田空港は国際線空港としてのプレゼンスは低くなり、石原慎太郎氏がアクセス鉄道を引くまではかなり厳しくなり、相対的に羽田空港に負けてしまいます。
さらに、同時多発テロにより、飛行機に乗る際の検査強化もあり、シティエアターミナルの意味が薄れてしまいました。
ただ、住所的には中央区日本橋箱崎町であり、銀座と同じ中央区であり、東京駅も近く、浅草も近いと言う立地が功を奏したのか、成田と羽田へのアクセス路線としては生き残っています。高速道路の配置はいい場所ですね。
頻度
続いては、羽田空港とバスタ新宿、TCATの頻度を比較してみます。
バスタ新宿
新宿については少々微妙であり、すべてバスタ発着がファーストではなく、新宿駅西口(羽田から到着だとヨドバシカメラ前)がデフォルトだったりします。まあ、その方が、乗り換えを考えると、バスタよりは乗り換えは良く、高低差のあるバスタよりも良いのですが。
羽田空港発はそうした事も含めて1日80便近く出入りであるのですが、新宿発はバスタ発に限定しており、55便程となっており、運行間隔は20分発となっています。頻度として羽田発に比較すると弱いですが、それでも・首都東京らしい本数です。まさに中央環状線効果です。バスタ発の始発は4:40であり、最終は22:50となっています。不夜城新宿にも呼応しています。以前は真夜中便もあったのですが。
TCAT
東京シティエアターミナルについては以下のとおりです。
TCATからは朝の5:15からほぼ30分おきであり、夜20:15までと新宿と比較すると劣位でありますが、他の都心の乗り場と比較すると高頻度であります。
加えて、羽田空港からTCATへのアクセスの始発は全日9:20であり、最終は22:30となっており、あくまで国内線仕様であり、早朝・深夜の国際線離発着には対応していないようです。あくまで羽田から早朝に行くルートであります。最近は早朝に海外から到着するフライトも多いので対応して欲しいところであります。
それでも日中は30分おきにあるので、国内線との到着としては有益でもあります。先述のとおり、TCATとしては国際線のチェックイン機能がなくなっても、ディスコンしないのは中央区民や台東、江戸川区民に愛されているのでしょうか。物理的に近いと言う事もありますが。橋とトンネルで構成されているので、そのあたりは山手トンネルの新宿と運命は同じですが。何かあると代替ルートを考えておかないといけませんが。
お台場のビル
所要時間
続いては所要時間であります。比較してみます。
新宿エリアと羽田
羽田と新宿は鉄道は遠いですが、リムジンバスは首都高速を利用すると魔法のように早いです。西新宿を出発すると信号6回ぐらい通過で、中央環状線の山手トンネルに入ります。日本一の自動車の地下トンネル道路とも言われるので、事故でもない限りは渋滞もなく、一気に湾岸に行きます。
そして、トンネルを出ると羽田は近く、所要時間は20分となっています。ただ、利用した感じからすると定刻よりは少し時間のかかるので、25分ぐらいでしょうか。
TCATと羽田
物理的に近いことと出発も到着もすぐに首都高に入ることから所要は短くなっています。時刻表的には新宿と同じく20分であります。山手トンネルには負けますが、湾岸地域の高架から地下に潜り、所要は20分は達成できるエリアであります。
新宿は外国人が多く、混んでおり、予約断面でも始発は満席がありますが、TCATはいつもニコニコ空席なので、選択肢となります。
新宿だと必ず外国人オプションで荷物積算時間もかかり、面倒なのでTCATの方が良いと言えます。もともとは国際線の要衝でしたが、いつの間に日本国内線の便利なターミナルと化しているのは過言ではありません。
強いて言うと、あともう一本早い便がTCATにあると今後はそちら利用になるかもしれません。半蔵門線の対応は必要ではありますが。
個人的な所感
新宿はやはり広いので、乗り場までのアクセスは時間が必要です。羽田から行くと新宿西口・京王百貨店前であり、こちらは比較的良いのですが、そこから公共機関に乗り換えとなると結構遠い感じもします。
羽田に行く時はバスタ新宿からの乗車が多く、乗り場はバスタ新宿の上まで行かないといけないので、JRにせよ、京王線・都営新宿線にせよ、上下移動が多い感じであります。
一方でTCATは半蔵門線の水天宮一択(都営新宿線・浜町の選択もありますが、雨ざらしでかなり歩きます)であり、あまり選択の余地がないようですが、乗り換えの負荷は少ないと言えます。
羽田に行く場合、新宿は信号機が6つぐらいあるのに対して、TCATは2つぐらいしかないので信号待ちリスクも少ないと言えます。まあ、新宿も信号機が少ないルートではありますが。
本来はTCATの方が外国人が多いはずでしたが、やはり新宿の方が多く、満席も多いのでTCATの方が場所によっては便利と言えます。
最後に
個人的にはバスタ新宿はドアツードアで15分ぐらいであり、TCATは20分であり、そんなに変わらないところでありますが、TCATは最寄りの地下鉄駅まで少し歩くのに加えて、雨の日は傘が必要なので難儀でありますが、昨今の外人が多いバスタ新宿比較すると今後は選択肢となります。Uberで自宅から羽田空港まで2,000円とかあれば、絶対選択肢なのですが、まだ相当掛かるので公共交通のお世話になりってしまいます。
自動運転は30年も前からやっていますが、いったい、いつになったら実現するでしょうか。関税負担に税金が投入されるよりも負担感があります。