JR北海道/東日本/西日本はグランクラスを全線(北海道/東北/上越/北陸各新幹線)で1月16日から当面の間休止すると言うリリースが出たため、まとめてみました。
グランクラス営業中止の概要
概要は下記のとおりです。
東北・北海道、上越、北陸新幹線グランクラスのサービス
1 月 16 日(土)以降に運転するすべての列車のグランクラスの発売を見合わせ
アテンダントによる飲料・軽食サービスを提供する列車でのグランクラスの営業を中止
東北・北海道新幹線
「はやぶさ」(東京~盛岡・新青森・新函館北斗間)
「やまびこ」(東京~盛岡間)
北陸新幹線
「かがやき、はくたか」(東京~金沢間)
発売済み(1 月 16 日~2 月 13 日)のグランクラスのきっぷについては、下記の対応です。多く取り上げられているように飲食ありとそうでないとでは、対応が分かれます。
グランクラス(飲料・軽食あり)
グランクラスの営業をとりやめますので、事前にグリーン車等へのきっぷの変更が必要(グリーン車等との差額を払い戻し可能)
→グランクラスに座れなくなります。
グランクラス(飲料・軽食なし)
サービス内容に変更がないため、そのまま予約した座席を利用
→グランクラスに着席可能(ただし、今予約を持っているケースに限られ、東京=仙台や新潟区間内に限られる)
一番、収益性が高いと思われるグランクラスで飲食サービスの提供だけにとどまらず、座席自体の利用も中止と言うのはかなりの衝撃であります。
半額で座席提供すると言う案やグランクラス料金を医療機関に寄付すると言う案もありそうですが、JR自体が厳しい状況のため、それもできないのかもしれません。
本数が多い、在来線のグリーン車でも車内販売はなくなるため、アテンダントの方々は飛行機と同様に厳しい状況に陥ると想定されます。
寸評
グランクラスについては、北は東京から仙台、盛岡、新青森、新函館北斗、日本海側は新潟と長野を経て富山、金沢までサービスが提供されており、世界でもまれに見る3クラス制のファーストクラスであります。
飛行機のファーストクラスと違う点としては普通車との値差がないため、アテンダント乗車コストを考えるとトータルで見るとプロフィッタブルなクラスではないのかもしれません。
高速で走る東北・北海道新幹線では先頭車両形状の長さもあり、10号車の座席を逆転の発想で編み出したクラスでもあり、10号車の営業を中止するともともとのコンセプトが薄らいでしまいます。
身に見えないウイルスにここまで苛むのは結構であります。
ポストグランクラスか
JR東日本ではリモートワーク車両を画策しており、まずは既存の車両で座席間のディスタンスを採りつつ、リモートワークに必要なデバイス(電源や通信機器)を提供し、リモートワークを提供する実証実験をする計画があります。
最終的には札幌に新幹線が到達する2030年前にお披露目する新型車両でそうしたことを構想していると言えます。当初は密になりがちなラウンジカーなど考えていたと思いますが、こうした時代となったため、ワークスペースに振り替えているのかもしれません。
グランクラスでの食事付き、飲み放題であるとマスクを外す時間が多くなり、ばらまくと言う懸念があり、これを機に違うスタイルにしたいのかもしれません。
早ければE5系の中から、グランクラスをワークスペース(社長室)みたいにして行くのかもしれません。
仙台や金沢では古い街なのでこうしたサービスに好意的な人が多そうであり、意外と受け入れられるかもしれません。
最後に
グランクラスは飛行機のビジネスクラスと比較すると、シートは全世代的になっているところもありますが、初期コストとしては億単位でかかっていることもあり、なかなかディスコンなどはできないものであります。
しかし、こうした数百年に一度の出来事の中での社会の変容を考えると大きく動いた方が、ビジネスチャンスがあり、さらに、東京=札幌間を新幹線と言う、西日本とは気候も違う中での大きなトピックがあり、何か考えているのかもしれません。
鉄道としてはプレミアム志向が観光列車では続いていますが、本業のビジネス志向ではどうなるかわからない部分もあります。
偉い人ほど、移動したがり、飲み食いしたがるので、プロフィッタブルな世界があるのかもしれません。