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新幹線と飛行機、どちらが豪華に移動できるか。金沢編

E7系新幹線

新幹線と飛行機ではよりどちらが優雅に移動できるかの第二弾として、目的地を金沢として北陸新幹線のグランクラスとANAのプレミアムクラスで比較してみました。

北陸新幹線の概要

北陸新幹線はそもそも計画では、上越新幹線と分岐する群馬県高崎市から長野市、富山市、金沢市、福井市を経由して、敦賀市、そして、その先のルートはまだはっきりしていませんが、京都を経由して、新大阪までの総延長は600kmを超え、東北新幹線に匹敵する長さの新幹線路線となる予定です。開業は長野オリンピックが行われる前年の1997年に高崎=長野間が先行開通し、2015年に長野=金沢間が開業し、東京から富山・石川へ新幹線でダイレクトに行けるようになりました。今後2023年をめどに福井県・敦賀市まで延伸工事を実施しており、福井県へのアクセスがどのように変化するのか楽しみでもあります。

北陸新幹線の運行系統

運行系統

北陸新幹線では、大きく分けると4タイプあり、長野駅始発・終点の「あさま」、金沢駅と富山駅間のローカル運行の「つるぎ」、東京駅から停車駅の少ない飛行機対抗の「かがやき」、東京駅から金沢まで停車駅の多い鈍行タイプの「はくたか」となっています。

このうち、東京駅から金沢駅まで直通しているのは「かがやき」と「はくたか」です。「かがやき」の停車駅は東京からの場合、上野、大宮、長野、富山、終点金沢となっています。所要時間は2時間30分前後と飛行機対抗の時間となっています。

「はくたか」は東京駅からの場合、上野、大宮、高崎、軽井沢、そのあとの長野駅以外の県内各駅の停車はバラバラですが、新潟県、富山県の各駅に停車し、終点金沢駅となっています。所要時間は3時間前後であり、かがやきよりも30分以上長くなっています。

あえて、グランクラスを味わうのであれば、ゆっくり座っている時間が長い、「はくたか」のほうが、選択肢になるかもしれません。

飛行機の上級クラス比較

北陸新幹線の最高峰クラスであるグランクラスと飛行機(今回はANAのプレミアムクラス)を比較してみました。

駅・空港までの移動

小松空港バス

場所によりますが、駅は基本的に街の中心部に存在するため、駅の方が有利と言えます。

東京駅から羽田空港までのルートは浜松町駅でモノレールに乗り換えるか、品川駅で京浜急行に乗り換えると東京駅八重洲口からリムジンバスに乗るのが便利です。新宿駅からの場合、中央環状線を通るリムジンバスの方が、着席ができて時間も早く、便利であったりします。

一方、金沢駅から小松空港の移動は、北鉄バスで直接アクセスするか、JR北陸線を利用して小松駅まで行き、小松駅から小松空港までのバスを利用するのが一般的です。時間は40分から1時間程度となります。

街の中心部からの移動という面では、新幹線に軍配が上がるようです。

ラウンジ

出発前の待ち時間を寛げるラウンジを比較するとどうでしょうか。

飛行機は羽田空港にはプレミアムクラス搭乗者向けやANAマイレージクラブ上級会員向けのラウンジがあるほか、最上級会員のダイヤモンド会員向けの専用のラウンジ「スイートラウンジ」もあります。また、小松空港にもANAラウンジがあり、どちらの空港もアルコールやおつまみの提供などあります。 

一方、新幹線は東京駅にグランクラス乗客とビューゴールド会員向けのラウンジがありますが、金沢駅はありません。東京駅のラウンジは利用客が少なくとても快適ではありますが、アルコールの提供はなく、ラウンジの単純比較で言うと飛行機の方に軍配が上がるようです。 

キャビン・サービス

新幹線・飛行機それぞれの車内・機内でのサービスの比較をしてみます。

プレミアムクラス

アルコール・ソフトドリンクの無料提供(お代わり自由)、時間帯により食事または軽食の提供、おつまみやスープなども提供可能であります。

グランクラス

和洋の軽食が提供されるほか、クッキーやあられなどの菓子が提供されます。ソフトドリンク・アルコールも提供されます。

アルコールに関していうと、グランクラスはワイン(赤・白)、スパークリング、ビール、日本酒、ウィスキーであり、プレミアムクラスの方はそれに加えて、焼酎があり、プレミアムクラスの方が優れていますが、グランクラスも結構カバーしていると言えます。

食事に関してはプレミアムクラスの方が量は多く、豪華と言えます。

ただし、時間と気圧というものがあります。新幹線ははくたかの乗車は約3時間、飛行機はベルトサインが消えている時間40分程度と、食事やドリンクを楽しむ時間は新幹線の方が圧倒的に長く、有利と言えます。

また、飛行機は気圧の変化が大きく、酔いやすい(飛行機慣れしている方は麻痺しているかもしれませんが)、酔いやすく、ほろ酔いを持続しながら金沢につきたい場合は、新幹線の方が有利かもしれません。

軍配としては引き分けであります。

インターネット

新幹線の場合、インターネットを利用する場合、携帯の電波を利用することになりますが、現在は上田駅と飯山駅間では、トンネル部分の対策が実施中ということであり、その区間のトンネル部分は使えません。ただし、2019年度中に全区間で利用できるようで、トンネルが多くてつながらないというのも解消されると言えます。ただし、トンネル内の回線容量は限られるため、HD画質で映画など見るのは厳しいかもしれません。

飛行機の場合、機内Wi-Fi装着機が増え、安定飛行中はインターネットを利用できる機会が増えています。そもそも飛行時間が短く、それ以外の場所ではインターネットができるため、あまりストレスにならないと言えます。

軍配としては引き分けであります。

シート

シートというものは何でもよいという人もいますが、やはり快適さを一番担うものであり、見た目、ゆったり感、肌触り感など違うものであります。

プレミアムクラスのシートは身を守るという役割も担っており、シートベルトが付いているほか、部品の制約も多く、シートの形状やリクライニングの角度においては、不利と言えます。一方で、グランクラスも高速移動する乗り物のため、剛性などの点において、制約はあるものの、シートは豪華であり、中距離国際線のビジネスクラス相当に匹敵にします。

また、シートベルトがないため、窮屈さもありません。グランクラスに座るとついついベルト探してしまうのも飛行機に良く乗る人だとあるかもしれません。

軍配としてはグランクラスに上がると言えます。

運賃

グランクラスの東京=金沢の片道運賃・料金合計は26,970円(えきねっとで検索)となります。かなり高めです。

プレミアムクラスについては、正規運賃とも言えるプレミアム運賃が29,890円とグランクラスより高いですが、バリュープレミアム3では16,000円弱となっており、フレキシブルな運賃を選択しないと飛行機の方が安くなります。

マイル修行をしているとプレミアムポイント単価についつい目が行きがちですが、時間で割るとグランクラスの方が時間単価は安いと言えますが、何を基準にするかにより、変化してしまうため、軍配は引き分けと言えます。

グランクラス乗車記

はくたかグランクラス

以上のようにもグランクラスとプレミアムクラスを比較してきましたが、実際の写真などを使い、どのような感じかをお伝えします。なお、プレミアムクラス搭乗記は過日に記事にしておりますので、こちらをご覧ください。 

東京駅で乗車

E7系

始発の東京駅ではくたか555号金沢行きに乗車します。ラウンジで寛いだあと、ホームにはすでに入線しています。本日はJR東日本の車体のため、E7系であります。E7系とW7系の違いは車内アナウンスがJR東日本仕様か東海道・山陽新幹線仕様の違いくらいしか感じられません。

グランクラス入口

グランクラス入口

ドア口の切り妻には、桜をあしらった金のグランクラスマークがあります。和な空間であります。新聞も各紙がそろっています。

新聞

グランクラス車内

グランクラス車内

グランクラス車内は1-2配列のシートであります、1列シート側が日本海側に行くと海が見えるほか、途中の山並みも良く見えるところもあります。シートポケットには西日本/東日本の冊子(機内誌のような)があります。

シートポケット

シート

グランクラスシート

シートは国際線ビジネスクラスをフルレザーにして豪華にした感じです。東北新幹線のE5系とほぼスペックは同じですが、E7系の方が新しく製造されたため、シートのキルト加工やシートテーブルの剛性感、読書灯の質感の高さや靴置き場があるなど改良が施されています。

読書灯

カクテルテーブル
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靴置き

シートピッチは超広いというわけではありませんが、狭さは微塵もありません。

シートピッチ

シート操作ボタンは日本語で書かれており、飛行機ではピクトグラムのみか英語で書かれているのと違和感があります。

シートリモコン

日本製のテレビのリモコンのようです。シートボタンの下には電源が付いています。

シート電源

スリッパもあり、ANAのプレミアムクラスで配布されるよりも色合いが豪華であります。

スリッパ

食事・ドリンク

食事

食事とドリンクのメニューがシートサイドポケットに最初から入っています。半分開くと乗車御礼のごあいさつが書かれています。

メニュー

さらに、開く食事とドリンクに関する品書きがあります。

品書き

一杯目はスパーリングをお願いしたところ、加賀産の梅酒スパークリングです。辛口好きには少し甘いですが、始めの一杯にふさわしい味覚を覚醒させてくれる味です。 

和食軽食

軽食は和食を選択。正月が近いということもあり、伊達巻や鯛の塩焼きがあるほか、野沢菜もあります。沿線各地の品を取り入れているのでしょうね。 

高畠ワイナリースパークリング

ワインを頼むこととし、白ワインをお願いしたところ、あいにく、白のスパークリングしかありませんということで、お願いすると高畠ワイナリーのスパークリングワインです。日本のワインですが、なかなかの辛口であります。

赤城山

高崎を出発すると赤城山がしばらく見えます。外はからっ風で寒そうですが、車内は暖房全開です。

軽井沢

長野県最初の駅、軽井沢に到着します。北陸新幹線の中で一番高い場所だけあり、浅間山も頭を出してくれませんでした。

浅間山

金沢駅に到着

日本海

糸魚川を過ぎると日本海が見えてきます。トンネルが多いため、あまり海は見られないかと思いましたが、富山手前まで結構近くで海が見られました。

日本海2

富山以西は遠くに海があるのだと感じるくらいでした。

金沢駅

そうしているうちに新幹線は減速し、金沢駅に到着。東口の一際大きな吹き抜け空間を抜けるとJALとANAがホテルを通して、にらみ合いをしているようです。

JAL対ANA

反対側の西口には既存ホテルの脅威になるであろう、ハイアットセントリックが2020年6月開業を目指して、建設中でした。

ハイアットセントリック金沢

最後に

新幹線と飛行機対決、金沢編では、搭乗/乗車を楽しむという観点からするとグランクラスの方が、ゆったりできたのかと感じます。マイラーとしては少しでもプレミアムポイントを貯めたいので、飛行機鉄板と考えていますが、電車の中で、食事やドリンクを嗜む日本人のDNAが刺激を受けたように感じます。

トヨタ自動車が自動車メーカーらモビリティサービス会社に変革することを掲げていますが、この先、飛行機や鉄道もラウンジクラスやヴァーチャルオフィスクラスなど変貌を遂げるかもしれず、乗り物のいろいろなクラスを体験しておくべきと改めて感じました。

東茶屋街

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