ANAの国際線フラッグシップ機材であるボーイング777-300ERが3月から羽田⇔新千歳で国内線で運用されましたが、3月9日の週に続き、15日の週も予定があるためまとめてみました。
PW4000系エンジン問題
アメリカで2月20日、デンバー発ホノルル行きのユナイテッド航空ボーイング777-200ER型機が離陸直後に右側エンジンが故障したため、デンバー国際空港に緊急着陸しました。先立って、昨年12月4日にJAL904便が同じメーカーの同系列エンジンにてタービンブレードが損傷する事故が発生しています。
以上から、事態を深刻と見た国土交通省は日本国内でPW4000系列エンジンを搭載した旅客機の全機停止の指示を出し、この指示に従って、対象機材を保有しているJALとANAは運航を停止しています。
JALでは13機、ANAでは19機が運航停止となっており、ANAの方が影響を受けているようです。
各社ともボーイング787に振り替えたりしており、運航停止となった機材が多く運用されていた羽田=沖縄線でもすべて787型機の日が継続されています。
ANAではもとより787型機の国際線機材を国内線で一時的に活用しており、カバーはできているようです。
運航停止から来週でほぼ1か月が経過しようとしており、あれほどの大きな機材を飛ばさないのはダメージが大きいとも言えます。
フラッグシップ機材ボーイング777-300ERの国内運用
同社におけるフラッグシップ機材であるボーイング777-300ERは整備のために成田=伊丹間で定期的に運航されていたものの、コロナ禍でなくなってしまいました。
逆に関西空港や中部国際空港、新千歳空港に使わない機材を駐機させておく「疎開」のためのフライトで遭遇するくらいでした。
しかし、今回、PW4000系エンジン問題の影響なのか、ほぼ定期的に運用されているようなので、整理してみました。
羽田⇔新千歳間の一往復
羽田=新千歳間の羽田発、目下最終便であるANA079便と新千歳発の目下始発便であるANA050便にボーイング777-300ERが運用されています。
15日の週は下記の日程で運用されています。
ANA079便 3月15日、16日、17日、18日
ANA050便 3月16日、17日、18日、19日
羽田から新千歳に行き、一晩停泊し、翌日朝市で羽田に戻ってくるようなパターンであります。
過去のスケジュール
ちなみに前週までのスケジュールは下記のとおりです。
ANA079便 3月8日、9日、10日
ANA050便 3月9日、10日、11日
便面はANA079便とANA050便については同じであります。傾向的には、ウィークデーに運用されているようです。
上記以外のスケジュールでは羽田発787型機やA321型機が運用されています。人流というよりは、物流に考慮したスケジュールなのかもしれません。実際搭乗してみるとクール宅急便のカートが大量に積載されており、あんがちカニが貨物室に大量に詰め込まれているというのも想像ができます。
搭乗記はこちらです。
ボーイング777-300ERの座席割り当て
上記スケジュールで運航されるボーイング777-300ERは264席仕様の機材のようです。
国際線での各クラスの配列と座席数は下記のとおりです。
ファーストクラス配列1-2-1(スイートタイプ)8席
ビジネスクラス 配列1-2-1(スタッガードタイプ)52席
プレミアムエコノミー配列2-4-2(リクライニング)24席
エコノミー配列3-4-3(リクライニング)180席
エコノミーは詰め込みセブンと言ってもいいようなものでありますが、シートピッチやシートモニターが付いているため、国内線としては豪華仕様かもしれません。
ちなみにWi-Fiは利用可能と予約画面上はできるようになっていますが、実際は利用できませんでした。
そして、一番気になるシートの割り当てですが、過去の前例通り、プレミアムクラスはファーストクラスのシート8席、普通席はビジネスからエコノミーまでの256席が割り当てられています。
つまり、普通席でフルフラットとなるビジネスクラスのシート「ビジネススタッガード」に着席できるチャンスがあるということとなります。
ちなみにファーストクラスの座席(プレミアムクラス)の15日の週の空席状況は下記のとおりです。
15日 | 16日 | 17日 | 18日 | 19日 | |
---|---|---|---|---|---|
ANA079便 | 空席待ち | 満席 | 満席 | 満席 | - |
ANA050便 | - | 空席待ち | 空席あり | 満席 | 空席待ち |
執筆時点の空席状況であり、状況は刻一刻と変化しますので、興味のある方は検索してみるとよいです。
出発間際まで座席は空席になるケースもあり、まめに座席指定を確認したり、アップグレード手続きを確認したりすると不意に空くことがあります。
実際に前方窓側の席も前日に確保したこともあります。
まとめ
アメリカで起きた航空機インシデントにより、国内で該当するエンジンを搭載した機材が全機運航停止となった余波で思わぬ国際線に搭乗できる機会に遭遇できたと言えます。
3週連続の運用となっており、しばらくは777-300(国内専用機材)と777-200系列が整備され、安全されるまでは搭乗の機会があるかもしれません。