ANAのプレミアムクラスで国際線機材のボーイング777-300ERが羽田発で設定され、スーパープレミアムクラスとも言える最前列のシートに搭乗しましたのでお伝えします。
ボーイング777-300ERとは
ボーイング777シリーズの最新バージョンであり、大量かつロングフライトをこなし、エアラインに収益をもたらす、ベストフリートであります。
対抗のエアバスではA350-1000があるものの、大きさではB77Wが優位であり、その上にはA380-800があるものの、王座に位置する機材でもあります。
国内線では773として国内線用のボーイング777-300型機が運用されており、胴体の寸法に違いはありませんが、翼の長さが大きく違います。
国内線に導入されているボーイング777-300の全幅は60.9 メートルであるのに対して、300ERは64.8 メートルであり、翼が長くなっています。
これは長距離飛行での燃費や安定性を反映しものであり、これにより、B773Wがベストセラーとなった所以とも言えます。
日本の国内線で運用されているB773のエンジンはP&W4090であり、これはこれで音が特徴的なエンジンであります。搭乗して離陸前に判別ができる特徴的な機材と言えます。
一方でGE90を搭載したB77Wは圧倒的な存在感であり、地上でも空中でもB773とは違う位置にいると言えます。
搭乗記
沖止めからスタート
先述のとおり、胴体の寸法は国内線の773と同じであるものの、翼の長さは優雅に長いためか、沖止めとなります。折角、第二ターミナルは国際化しており、そのゲートを使えば沖止めの必要はありませんが、そのゲートを使うとなるとコスト発生が甚だしいのでしょう。
スイートラウンジから510番バスラウンジまでは相当歩かされるコースであります。個人的には1日1万歩以上の目標にしているため、歩けるのは幸せですが、ゲート到着時にはかなり汗がにじんでいます。
圧巻のボーイング777-300ER
ボーイング777-300ERはその大きさ、キャパから沖止めで対応していては大混雑となり、時間もかかるため、PTBが前提の機材ですが、今回は沖止めであり、タラップの最前列のドアにしかありませんでした。機体はJA784Aでした。
個人的に77Wをタラップで搭乗したのはオマーンのマスカット空港のエミレーツのみであり、それ以来の経験となります。
世界最大級の民間機のエンジンであるGE90はこれまで、遮るものがない状態で見たことはありませんでしたが、直接見ると圧倒的な存在感であります。タラップの高さも高く、機内に入るのがワクワクします。
最前列の1Kシート
以前、スーパープレミアムクラスとして搭乗したときは1Aでしたが、今回は反対の1K席でした。プレミアムクラス担当のCAさんはしきりにファーストクラス機材であることを強調していました。
その通り、座席の設備はプレミアムクラスがかすむほどの設備あることは間違いありません。
ただし、国際線でANAの最新のビジネスクラスである「THE Room」を経験してしまうと物足りなさを感じてしまいます。
もちろん、ファーストクラスはサービスがあってこそ、成立するクラスであるため、シートスペックでは表せないところがあります。
ディスタンスありすぎなシート配列です。
濃厚な離陸
沖止めではあるものの機材の特徴からかトーイングトラクターでプッシュされ、離陸に向かいます。GE90のエンジンが始動しだすと機内全体が大きな振動に見舞われる儀式は健在であり、ここだけ感じるとこれから半日以上のフライトを覚悟させられる気分となります。
国内線でそれを感じられるのは、国際線不足の現在ではとても染みるイベントであります。
離陸すると富士山が大きく見えてきます。国際線で77Wが離陸すると三陸沖か新潟上空か稚内上空となりますが、富士山が見えるのはとても貴重かもしれません。
機内食は通常のプレミアムクラス
安定飛行に入ると通常のプレミアムクラスと同様に食事タイムとなります。東京から関西空港とは言え、大阪のため、幹線と思っていると地方路線とメニューが同じでした。
ドリンクについても、シャンパンではなく、スパークリングワインでした。関西線は大阪として一括りにされていますが、伊丹とは別扱いのようです。
プラカップで空に乾杯、グラスにシャンパンで空に乾杯する時期はいつになるのでしょうか。
機内Wi-FiはトロトロなOn Airですが、アプリ対応ができていないのか利用できませんでした。
着陸
短いルートではあるものの、スパークリングワインをもう一杯お願いして、着陸体勢に。着陸は関空便にありがちに淡路島上空を通過し、神戸空港を近くしながら泉佐野側から着陸します。
やはり77Wは773と比較すると振動が少なく旋回なども優雅であります。着陸間際GE90の金属音の混じった音も海外にこれから踏み入る緊張感も思い出してしまいます。
到着ゲートは国際線エリアの16番ゲートとなります。17番ゲート以降には疎開している国際線機材が長らく駐機しています。
次の予定が詰まっていたため、急いで降機したのですが、国内線と国際線の境の誘導案内がいまいち、わかりづらく迷ってしまいました。
最後に
77Wの国内線での運用は羽田=名古屋、羽田=関西が多いですが、新千歳=羽田でも運用があり、ファーストクラス的なプレミアムクラスを味わえる時間をもっと長く味わえるでしょう。
国際線機材の国内線運用は機材のメンテナンスも兼ねているものと言えます。幹線での国際線機材の投入を考えると、最大数のプレミアムクラスの座席数を確保必須な沖縄線に投入するのは厳しいかもしれませんが、積極的に導入してほしいところです。
いつか再び当たり前に77Wが長距離国際線を飛ぶまで、国内線で再び遭遇してみたいところです。