海(海上・海岸)にある空港を整理してみましたので、お伝えします。
海にある空港と丘にある空港の違い
日本の空港において、海にある空港と丘の上にある空港の違いは地震というか津波の影響を受けるか受けないかと言うのが大きいと言えます。
2011年3月11日の東日本大震災では海岸線に近い仙台空港が大きく影響を受けたのを見ると良くわかると思います。
現在、宮崎・日向灘沖でマグニチュード7以上の地震が起き、南海トラフ地震・臨時情報で注意というのが初めて出たこともあり、気になるところであります。その次の日には神奈川県で内陸ではありますが、これまた強い地震が起きており、不安に拍車をかけていたりします。
2011年3月11日14時46分は本震でしたが、そのあと同地域で余震が続き、その夜には東京湾や相模湾、伊豆、さらには長野県でも大きな地震が続き、このまま富士山が噴火するのではないかと思うくらいでした。
さて、天災の中では被害が最大級の津波でありますが、津波はやはり沿岸部の被害が多く、津波から免れるのは高台に逃げるのがベストであります。お金に余裕があれば、地球に生還する際に使用するような船(ポッド)に乗り込んで漂流と言うのもありますが。
津波は震源地によりますが、直後からから30分くらいで沿岸に到達するため、海岸線にいる場合は逃げる場所はないと言えます。そうした際に空港が海にあった場合と丘にあった場合の空港を整理してみました。
海にある空港
海にある空港とはここでは、海上空港と滑走路等の施設が海に面している空港としてみました。日本国内で定期便がある空港を北から順にまとめてみました。
北海道
稚内空港
奥尻空港
函館空港
奥尻空港は北海道南西沖地震で多大な被害の出た青苗地区に近いのですが、標高は49.1mのところにあり、海近くにあっても例外と言えます。
函館空港も標高は34.1mのところにあります。実際に東日本大震災では函館市内では犠牲者かが出ていますが、空港では浸水の被害はありませんでした。
稚内空港は海からは離れていますが、標高はそれほど高くないので、北海道の空港としては大津波の場合は結構リスクが高いかもしれません。
東北
仙台空港
仙台空港は2011年の光景を思い浮かべると自明であります。他の空港は結構内陸部にあり、津波の影響は少ないと言えます。
関東・甲信越
羽田空港
新潟空港
日本最大の空港は利用した人はわかると思いますが、ほとんど海であり、東京湾直下で地震が起きるとターミナルや駐車場の上の階に逃げるしかなく、利用者数が多いので蜘蛛の糸のシーンとなることが想像されます。
中部・北陸
中部国際空港
24時間運用のために埋め立てた空港であり、標高は5mであります。こちらもターミナルの上に逃げるしかないですが、羽田ほど人がいないので助かりそうです。また、羽田と違い車も鉄道も橋でつながっているので逃げ場がないと高架橋と言うのもありそうです。まあ、走行車と切れた高圧線とか怖そうでありますが。
近畿
関西空港
神戸空港
こちらも海上空港であり、ともに海の中にある空港であります。関西空港は阪神大震災を経験済みですが、神戸空港は2006年開港なので大地震と言うのは未経験となります。幸いにもいずれの地震でも津波がなかったので、被災していませんが、南海トラフのような超巨大地震の場合に津波が大阪湾にどのように来るかによっては結構な点もあります。
中国・四国
米子空港
出雲空港
山口宇部空港
岩国空港
徳島空港
高知空港
松山空港
中国四国は標高の低いところに空港が多いと言えます。ただ、日本海側の空港ではあまり大きな津波が起きていない場所であったり、瀬戸内海に面している空港が多く南海トラフとしては影響は少ないかもしれません。
一方で高知空港はかなり影響が大きそうであり、徳島空港も結構影響がありそうです。
九州・沖縄
北九州空港
大分空港
宮崎空港
佐賀空港
長崎空港
喜界空港
那覇空港
下地島空港
海岸線が多く、離島が多い九州・沖縄ではさすがに海にある空港が多いと言えます。ただ、離島の空港が多い割には少ないようにも見えます。理由としては島の場合、海岸線に近いところに平地が少ないと言う点であり、あったとしても住宅地であり、人の住んでいない丘の上を平らにして利用するケースが多く、結果的に標高が高いケースが多いようです。上記に記載のある所は標高10m以下であり、建造物にしか逃げる場所がないと言えるので、津波マークなどは利用する前にはチェックしていた方が良いと言えます。
羽田・中部・関西がダメになったら
仮に猛烈な南海トラフ地震が東海地域で起きた場合、東海地域から近畿、南九州まで、ダイレクトに影響があると言えます。また、東日本大震災の際は房総半島があったので東京湾では津波がほぼありませんでしたが、今回の場合は神奈川と東京は大きく影響を受けることがそうでされます。
その場合、海上空港またはそれに近い羽田空港と中部国際空港と関西国際空港は大きな影響を受けることが想像されます。それに加えて東海道新幹線は浜松=豊橋間で高架橋がなくなるなどの損害も想定されます。
東名阪の人流が相当な範囲で影響を受けることとなります。東名と新東名は不完全ながら、並走していることもあり、何とか東名阪を繋いでいるものの、鉄道と飛行機がダメになっている分、需要が殺到して大渋滞となり、半日もかかるような事態が想定されます。
鉄道についてはあずさとしなのが15分おきにリレーしてもパンクしており、大宮、高崎、長野周りの北陸新幹線も敦賀駅から高速バスが何十台も並んでも行列ができる事態となりそうです。
そして、空路であります。仙台空港のケースを見ると津波が引き、瓦礫を撤去してから輸送再開は比較的早かったようにも記憶していますが、それでも羽田と中部と関西と言う日本屈指の空港がフルパワーまで復活する場合は相当時間がかかると言えます。
その際に代替となるのが茨城、成田、伊丹、神戸、南紀白浜、静岡が大きく稼働すると想定されます。もしたしたら、トモダチか不明ですが、横田も臨時的に利用ができるようになるかもしれません。
国際線についてはインバウンドが激減するので需要が激減し、国際線機材に余剰ができ、国内線に回すことが可能となりそうです。
経験則ではありますが、東日本の時は原発事故という未曽有の事故がありましたが、南海トラフでM9クラス級が来るとその影響は2011年から今までとは比較にならないと言え、当座の被災をしのぐだけでなく、10年単位で生きながられるライフプランとかも想定する必要が出てくるかもしれません。
最後に
1755年にポルトガルはリスボン地震で首都リスボンに壊滅的な影響を受けました。大航海時代でスペインと共に大西洋を席巻していた同国も首都リスボンの壊滅的な影響から衰退がはじまりました。東日本大震災から13年ほど経過しましたが、やはり歴史的に見るとネガティブであると言えます。
日本の大空港のかなりは海に面しているので、大地震が起きた場合に影響がある空港を知るとともに対策は一度くらい想定しておいても良いかもしれません。ネットで調べれば色々と情報は出てきますので、事前に調べておくのが良いと言えます。地震が発生からでは通信が混雑してアクセスできないこともありますから。
また、古の政をする人はこうした天災に対して、生贄を際出して収めようとしていたりしますが、現在の政をする人もせめて税金と言う生贄を払って、地鎮することは考えないのでしょうか。