あずさ46号に白馬から新宿まで乗車してみましたので、お伝えします。
白馬駅
昔と相変わらずの白馬駅であります。今だにSuicaは利用できず、特急券はチケットレスとか利用できるのに不思議であります。乗車券は紙発券ですが、クレカ払いができるので良いのですが。まあ、それが白馬らしくて良いところであります。
駅から歩くとスノーピークやパタゴニア、ノースフェイスなどの店舗があり、良い商売をしている感じでもありますが。
E353系を待っていると北アルプスと反対側の光景がみえます。晩秋というか初冬というような景色が切り抜けられます。これこそ、信州らしい景色といえます。
E353系グリーン車
定刻通りに南小谷から入線してくるE353系9号車に乗車します。えきねっと予約断面では満席ですが、白馬からはガラガラであります。2-2配列と物足りないですが、E351系と比較するとかなり豪華であります。
シートピッチは普通席と違うのかなと思いますが、やっぱり広いところであり、高額なグリーン車とも言えます。新宿までワンストップでいける車両としてはやはり稀有かもしれません。
リネンなヘッドレスカバーにもE353が描かれています。色褪せが激しそうな赤色ベースのリネンは挑戦とも見えてしまいます。最近はスペーシアXとかもヘッドレストカバーに拘りが見えるので、潮流かもしれませんが。
主催はJRAみたいな、車内放送が静かな大糸線内では響きます。大糸線内を走る同特急はレアでもあり、貴重な存在かもしれません。長野駅までバスで行き、北陸新幹線の方が断然早いですが、新宿直通という不思議な存在感があります。
大糸線はあずさ46号のエッセンス
日本のワインと言うと甘い、薄い、緩いと言う感じでしたが、2000年代に入ってからは随分変化したと言えます。それまでの名産地の山梨や長野に加えて、北海道、山形、宮崎なども加わり、濃厚で辛口なワインも増えており、ワインというかアルコール好きにも日常的に日本ワインが定着するかもしれません。
長野県の駅の売店では地元のワインが手頃に販売されており、欧州の駅のように手軽にワインを買うことができるのは良いところであります。
D席に座り、新宿を目指すとまずは青木湖が見えて来ます。E353系が走るような線区ではなく、線路の繋ぎ目がすぐであり、「タタン、タタン」と音をたてながら走る感じは四半世紀たっても変わりません。
青木湖から中綱湖も見えるのですが、印象的なところは木崎湖にかわります。大糸線はどうしてこんなに湖畔を走るのかと思ってしまうくらいであります。北斗のように海あり、山あり、湖ありの4時間も良いですが、ゆったりした時間で北アルプスと湖の景色はここしかないでしょう。
長野と信州と分断してしまいますが、山並みは長野県どこでも美しいのは良いとこかもしれません。静岡や新潟も山並みはきれいですが、海という印象がでてくるのとは一線を画しています。
まったリポートな夕方にこうした景色がみられるのはあずさ46号の特権ともいえます。
インパクト大の湖沿線走行を終えると信濃大町に到着であります。それでもアルプスの山並みが見られるのは大糸線の世界であります。
信濃大町駅は晩秋というか、既に冬ではありますが、秋の名残も感じます。温暖化で12月近くなっても秋なのか、冬なのかわからない時期になっていますが、そうした時期が永く続くのはある意味今しかないのかもしれません。
北アルプスもそろそろ見納めの景色であります。登頂とかしたことはありませんが、日本の景色を説明するならば、必ず出て来そうな景色であります。
そして、松本駅に停車前には特急あずさの名前の由来である梓川を渡ります。あずさと言うと人名(山本、中村、眞野etc.)か監査法人を思い浮かべますが、川が由来であります。
やはり、あずさ2号のインパクトと鶴太郎の終着駅を想起させる列車でもあります。
松本駅から本領発揮
まーつもと、まーつもとと田舎臭い停車放送を流しつつ、E353系はJR東日本得意技の併合をします。
南小谷から9両編成で来て、新宿方に3両編成がスタンバイしています。盛岡駅でのE5とE6の併合の場合は、E5が先に到着して、遅刻気味なE6を後方からの待ち受けますが、松本駅では新宿方に3両編成が先に入り、大糸線からの9両編成を待っている状態であります。
合体までは扉は開かず、乗車できないため、結構な時間がかかります。大糸線からの46号は3度ぐらい停止しながら、合体します。E5とE6のように微かな衝撃かと思うと、意外と前後移動が多く、これは驚きでした。ちょっとした地震であります。また、E351系の時はこんなに揺れたかなとも思ってしまいました。
S101編成とS205編成の合体であります。南小谷から12両でも良いではないかと思いつつも、分割併合の歴史というところかもしれません。
併合してからドアが開き、そこから6分停車であります。日によっては10分停車も
ありますが。と言うことで、エスカレータを昇り、駅弁店にいきます。グリーン車だとエスカレーターがすぐであり、上がったところに店舗があります。
今回は売店では最も高額でありつつも、炭水化物が少ないおつまみ弁当にしてみました。小淵沢駅のワインめしとどちらが発祥かは不明ですが、飯の割合が少ないのは酒飲みには興味であります。
松本駅も燃料補給体制はあり、購入してしまいます。長野県のワイン販売体制はお見それしますというところです。きちんとカップ付きのJAPANおもてなしであります、
炭水化物少なめ、タンパク質多めのメニューであります。野菜は少なめで練り物や揚げ物が多い構成であります。まあ、お腹痛いのリスク回避として当たり前かもしれませんが。米を意図的に減らしており、かと言って粉物に依存していないのは、変につまみを買い漁るよりもコスパは良いかもしれません。
松本駅から高速というイメージがありましたが、塩尻駅から中央東線区間はトップスピードでした。E351系は失敗車両みたいなイメージがありますが、できた当初に乗った時に松本を出発してから130km/hまでの加速感は若いこともあってか印象にあります。
E353系になった今は当たり前かもしれませんが、そんな記憶が呼び起こされました。そして、もう一つの主役である383系は地味であるものの、スーパー優秀と言えます。新幹線やリニアにしか投資していないと思われるJR東海は意外と在来線に投資しているのも感心させられます。
岡谷駅到着であります。飯田線が見えてくる所もあり、駅の多い飯田線を通過する唯一のみすずが間も無くであります。まあ、あんまり時間は変わりませんが。
諏訪湖周遊であります。46号は松本を出ると停車駅は少ないですが、上諏訪駅に停車します。下諏訪には停車せずに諏訪湖湖岸を俊足で走り抜けます。このあたりから日没となります。
かつての振り子機能を駆使した路線は日没で真っ暗であり、車体傾斜が如実な世界であります。松本駅からの車掌の案内では全席、満席であり、小淵沢か甲府からは隣席占有やむなしと想定しつつも、新宿まで無席でした。
真っ暗でしたが、かつてのスーパーあずさの記憶が想起されました。
高尾の通過であります。オレンジ色というとJR東海でありますが、中央線は繋がっているということでオレンジということかもしれません。長野色の水色が立川以降のイメージがありますが、東京近郊をイメージさせられ、東京に戻って来たというイメージであります。
最後の停車駅の立川に停車であります。立川と言うと競輪、IKEA、公園と磐石な岩盤とイメージしてしまいます。以前はあずさはそれ程停車していないイメージでしたが現在は八王子と同じくらい停車しています。羽田が近いと住みたい場所でもありますが、やっぱり良い場所なのかもしれません。
中野手前からは新宿の摩天楼の夜景は見えるものの、なかなかな反射でカメラショットするのは難しいまま新宿到着です。あずさの降り口は南口寄りであり、渋谷区であります。バスタとルミネと甲州街道の光景であります。
鶴太郎やハナマルマーケットとも違う景色であります。
最後に
なんか懐かしく白馬からあずさを利用してみました。以前はE351系出来立てであり、大糸線内のタタンは普遍ですが、E353の今はずいぶん変わっています。振り子の高速感も味わいがありましたが、フルアクティブのキシキシ感もなかなかであります。
南小谷から新宿までこうした直通特急が残っているのは貴重な存在と言えます。