ANAは2021年度 ANA国際線航空輸送事業計画を策定し、2021年サマーダイヤ期間の運休・減便を発表しましたので、整理してみました。
サマーダイヤでの運休状況
サマーダイヤ(3月28日~10月30日)での主な路線の運休は下記のとおりです。
成田=サンフランシスコ
成田=ニューヨーク
成田=デュッセルドルフ
成田=ウラジオストク
成田=パース
成田=ムンバイ
成田=チェンナイ
成田=プノンペン
成田=ジャカルタ
関西=香港
成田=台北桃園
成田発着で開設した(するばずだった)路線が運休となっており、シングルハブで当面はコスト抑えて堪えると言う風にも見えます。
デルタのラウンジのところに作ったANA LOUNGEはほぼ日の目を見ずにディスコンとかもあり得るかもしれません。エミレーツかエディハド航空が買ってくれたら、御の字なのかもしれません。
また、インド路線はデリー以外ない状態となり、ムンバイ発券とか安いキャリア利用には重宝だったのですが、しばらくは機会がなさそうです。
開設延期は冬ダイヤに期待が持てるか
一方で、2020年3月末に開設予定であったものの、ずっと延期となった路線の中で、さらに延期になった路線もあります。下記のとおりです。
羽田=ロサンゼルス(NH126/125)
羽田=サンノゼ
羽田=ストックホルム
羽田=ミラノ
羽田=イスタンブール
羽田=モスクワ
羽田=シドニー(NH889/890)
ここだけは手放したくないと言うところなのでしょうか。新しい世界になっても岩盤の需要があるのかどうかわかりませんが、オーストラリア、ヨーロッパ、北米はやはりアジアからの出稼ぎや観光の他、日本のエンジニアなど必需があるのかもしれません。
ストックホルムやミラノなどは海外発券でも安いルートのため、開設したら是非利用してみたいルートです。
機材は787が主流に
2020年10月27日発表した事業構造改革でも打ち出されたとおり、ボーイング777-300ERの早期退役により、これまで同機で運行していたルートがボーイング787型機に切り替えられていきます。
ボーイング777-300ERとボーイング787型機を利用者観点から比較すると下記の点が大きく違います。
大きさ
ファーストクラス設定の有無
大きさについては77Wが全長73.9 m全幅64.8 m全高18.5 mであり、787が全長56.7~68.3 m全幅60.1 m全高17.0 mです。座席数は77Wが212~264席であり、787が169~294席となっています。
機体の大きさの割に座席数が少ない77Wはファーストクラスの設定やビジネスクラスが機体の後半まで及ぶ仕様であり、そこで稼がないといけない構造のようにも見えます。
絶対数の搭乗が少ない現在では、コストだけかかってしまうと言う構造となっており、そうした点からも787に切り替えられているのかもしれません。
一方で、貨物積載量は77Wの方が勝るため、貨物運賃の高騰や配送に時間がかかると言うリスクはありそうです。
ファーストクラスの設定有無についてはANAのボーイング787では設定はありません。世界的に見ても787型機でファーストクラスを設定している航空会社はブリティッシュエアウェイズ、中国南方航空、オマーンエアなどに限られ、ANAでファーストクラスを再設置するか不明です。
また、座席空間が広くなったビジネスクラスであるTHE Roomに改修していくかも疑問であります。JALのように色や張地を変えるだけとなると5スターエアラインの連続記録も途切れるかもしれません。
最後に
オリンピックの再延期はしない方がいいと言う意見も多いようですが、航空路線の開設延期は再延期でも何となく期待してしまうところです。早ければ8カ月先、前倒しでも早期に開設してほしいところです。