四国のJR線完乗の旅、最終日をまとめてみましたのでお伝えします。
早朝の宍喰駅からスタート
今日は四国DC満喫きっぷの有効期限最終日で東京に戻る日でもあり、早朝から動くこととなります。
朝4時に起き、波の音が聞こえているかと思うと突然、土砂降りの雨音が。ベランダに出てみると外は土砂降りであります。こんな強い雨は時雨であると言い聞かせて、朝温泉に。
案の定、温泉から戻ると雨音は聞こえなくなり、小康状態でした。今の隙にと6時ちょうどにチェックアウトして宍喰発6:21の代行バスを目指します。
最初の数分は良かったのですが、その後は一気に土砂降りとなり、傘もないので、上着のパーカーはびしょ濡れとなりました。幸い、靴とパンツは内部まで浸水していませんでした。
そんな思いをして、宍喰駅に着くと早朝から窓口にはスタッフがおり、現金で海部駅までの切符を購入します。海部とJRの阿波海南間は無料であり、切符の区間は宍喰=阿波海南であります。
今では珍しい硬券であり、いつもポケットに紙ものを入れ忘れて洗濯してしまうことを回避するために無効な紙券は捨てるようにしているのですが、今回ばかりは自宅まで持ち帰り保存となりました。
始発の鉄道の代替はバスかと思うとジャンボタクシーであります。乗客は自分の他1名であり、終点の宍喰まで目指します。
ジャンボタクシーの方が快適であり、明けきらない暗い外の景色を見ながら、ハイエースのディーゼルエンジン音を聞いていると、東欧で早朝の飛行機に乗るために暗いうちから早朝らにタクシーで空港に直行した記憶がよみがえります。
そんなこんなで渋滞どころかすれ違う車も少ない国道をあっという間に走り、JR牟岐線の終点の阿波海南駅に到着します。
時刻は6時半過ぎ、昔の日本と比べるとずいぶん朝が遅くなった気がしましたが、ホームに行くと低音で唸ってアイドリングしているキハ183系がいます。
今回、JR四国を完乗するにあたり、一番悩んだのが牟岐線のルートであります。牟岐線は総延長こそ77.8kmと長くないのですが、ローカル線であり、本数が少なく、終点の阿波南駅まで行くとなると2.5時間はかかります。
再び、徳島方に戻るとすると合計5時間くらいかかります。その上、未乗の徳島線との接続を考えると気が遠くなります。
室戸岬方面とのバスの接続は奇跡的に良いのですが、これらすべての路線をうまく繋ごうとすると結構大変であります。
できれば、一度乗った路線は再び乗らず、一筆のように進むのが、弾丸的であり、合理的でもあると考えると、朝に徳島行きと夜に牟岐行きが一往復のみある特急を活用するのが効率的と考えます。
そうして編み出したのが、高知方面から鉄道とバスを乗り継ぎ、宍喰に到着、宍喰に泊まり、早朝に特急むろとで徳島に向かうのが最終日を効率的かなと言う結論でした。
ということで、阿波海南から特急むろとに乗り込みます。と言っても、牟岐駅までは普通列車であります。自由席と言ってもガラガラであります。
雨で濡れたパーカーを脱ぎますが、今度は半袖となるため、車内は寒く我慢をします。牟岐駅あたりまでは海岸線を走ります。早起きした景色はやはりトクであります。
牟岐駅に到着します。ここからは特急となるため、学生たちは下車して17分後に出発する普通列車を待ちに入るようです。
ここからは海は近いのでしょうが、山間を進みます。この日の天気は気まぐれで急に豪雨になったり、晴れたりとびしょ濡れを正当化してくれる天気ではありますが、半袖ではやはり寒かったです。
日和佐駅に到着します。自称にぎやかな過疎の町の美波町であります。期待の若手女優と同じ名前なので今後、新たな変化があるかもしれません。
列車からは日和佐城が見えます。この姿自体は昭和53年築であり、復元したものでも、残っていた本物の跡を辿って造られたものではないという事ですが、山の上にあると存在感は強く見えてしまいます。
次の停車駅の由岐駅の手前の田井ノ浜駅手前辺りで海岸線ともおさらばとなります。この後は内陸部を進み同線で一番にぎやかな阿南を過ぎると乗客も多くなり、都会らしくなってきます。
市街地に入ると徳島駅はもうすぐであります。この辺りになると通勤のために乗り込んでくる人が増えます。全国どこでも通勤はやはり快適にしたいものです。
さすがは特急であり、阿波海南から徳島まで1時間33分で駆け抜けます。鈍行だと2時間半コースですが。
高徳線の未乗区間に
今回の四国の旅で一番ルートの再考をした牟岐線の旅も特急室戸のお陰でさくっと完乗しました。徳島で4時間ほどの乗り継ぎがあるため、乗っていない高徳線をこのまま完乗することとします。乗り継ぎは10分もなく、岡山行きのうずしおに乗り込みます。
四国に初めて訪れたのは8年前であり、本州から淡路島経由でバスで入り、大塚美術館に寄ってから鳴門駅に行き、そこから鳴門線で今回の目的地となる池谷(いけのたに)駅で乗り換えて、琴平を目指した記憶が今でもあります。
とっても広い吉野川を渡るとあっという間に池谷駅に到着します。
車内で検札は来ませんでしたが、ホームで車掌が待ち構えており、四国DC満喫きっぷのスマホ画面を提示して、さらりと検札終了であります。
8年前でありますが、一番鮮烈に残っているのがホーム乗り換えのための跨線橋から景色であります。改札に行く階段と乗り換え先のホームに階段が分かれており、意外と高い橋から線路の分岐が良く見えます。
この後、普通列車で市内に戻るのですが、時間もあり、今朝のスプ濡れで折角の朝風呂だったのですが、湯冷めしてしまい風邪をひきそうな勢いなので、温泉の仕切り直しとします。
徳島駅の手前の佐古駅で下車して、徒歩10分歩ほどのところにあるスーパー銭湯に行きます。一応源泉かけ流しの露天風呂もありますが、サウナ中心にして、冷え切った体を回復しました。
このあと近くのバス停から循環バスで徳島駅まで行き、次なる完乗を目指します。
徳島線をアンパンマンで
徳島駅に到着です。ここからは満を持して、JR四国完乗の最期の路線である徳島線であります。最後を飾るのにふさわしい特急剣山で阿波池田を目指します。
徳島駅の徳島線ホームは筆頭ホームの一番線でありますが、他線とはつながらないホームであります。
むろとと同じ185系でありますが、お腹具合はちょっと違います。
アンパンマン列車が接続されています。JR四国をそんなに乗車したわけではありませんが、節々でアンパンマン関係の車両に遭遇します。
あまり、家族連れが乗らないように平日昼間でありますが、ばっちり一両増備であります。
アンパンマン車両は半室が子供の遊び場、半室が座席となっています。座席は自由席よりもはるかに快適な仕様ではありますが、今回は自由席縛りのため、アップグレードできません。
先ほど途中下車した佐古駅で高徳線と分岐してここから徳島線がスタートします。こうした分岐でも結構カントが効いているのは四国らしさでもあります。
徳島線に吉野川あり、と言うぐらい吉野川沿いを走る徳島線ですが、その姿が見えるのは阿波山川あたりからです。
朝からはお腹を壊したような天気であり、差し込みのように強い雨が降ったりする中、列車は西へ進みます。
穴吹駅付近では虹が見えたりします。ブログで生の虹の写真を掲載するのはおそらく初めてであります。虹は土砂降りと言う腹痛でトイレに駆け込んだ後のカタルシスかもしれません。
阿波加茂駅に停車です。この後は剣山の終着駅である阿波池田駅であります。阿波加茂駅の手前駅の名前が気になります。
最近はあまり見かけなくなってしまいましたが、ワイドショーで良くしゃべるお医者さんとかいそうであります。
終点に近づくにつれ、吉野川の景色が色濃くなってきます。何気に撮影した橋は美濃田大橋(みのだおおはし)でした。吉野川に架かる吊橋の中で、自動車の通行できる唯一の橋ということです。
山間が深くなるとそれに合わせて吉野川は河口とは違った姿となります。清流というイメージが強くなってきます。
そして、阿波池田駅に到着です。これにてJR四国、総延長853.7kmの完乗となります。JR四国自体は東北新幹線と北海道新幹線の実キロ合計ちょっとでありますが、沿線の景色や完乗するとなるとかなり悩まされた路線でもあり、感動でもあります。
本州を目指す
阿波池田駅からはすでに乗車している土讃線と瀬戸大橋線(予讃線+本四備讃線+宇野線)を経由して、本州を目指します。本四渡りは去年もアンパンマンでしたが、今回もアンパンマンでした。
アンパンマン列車の頻度が多いのか、アンパンマンと腐れ縁なのか不明ですが、不思議と良く当たります。
と言っても、特急に乗れば一本で一時間ほどで岡山に着いてしまいます。列車は徳島線との分岐である佃駅を通過していきます。下りの特急がちょうど通過していきます。
徳島線では吉野川は常に横に見てきましたが、土讃線でついに渡ります。高徳線で朝に渡ってから本日二度目の渡りであります。
この後は峠越えの様相を呈してきます。高知方の峠と比較すると優しいのかもしれませんが、それでも最新鋭の気動車のエンジン音の大きくなります。
この後、琴平を過ぎ、高松自動車道の善通寺インターチェンジ付近を通過すると瀬戸内海が近くなります。
造船所らしき景色が見えてきます。これも四国らしい景色であります。もう少しで四国ともお別れであります。
過酷な土讃線が終わり、予讃線に入るとゴールドタワーが見えてきます。昭和から平成にかけては、こうしたタワーが全国で見られ、秋田や福岡にも見られます。ビジネスの世界なので浮き沈みは常でありますが、捨てるものがいれば拾うものいるという世の中を感じてしまいます。
と言っても、こちらは捨てられない本州四国連絡橋であります。自動車道と併用のことを考えたこともあり、橋となりましたが、トンネルとすればもっと鉄道の所要時間は早く、新幹線も走っていたかもしれませんが、国全体としては自動車は無視できなかったと言えます。
何とか近代遺産とも言える橋の景色でありますが、橋がない方が景観が自然な景観と見言えますが、一方で橋から見える景色は圧巻でもあります。
立派な橋の構造と瀬戸内海の景色のマリアージュが印象的であり、何度渡ってもずっと光景を見てしまいます。
大きなタンカーが狭い海路を進むのも、船長の腕次第と思いつつも、この当たりしか見られない景色であります。
橋も渡り切り、本州に入り、茶屋町を通過します。茶町駅前は全国各地にあるような複数の大規模小売店が入ったショッピングセンターがありますが、その横には歴史を感じる工場があったりします。
特急なので茶屋町駅通過から岡山まではあっという間であります。四国の旅はこれで終わりでありますが、JR完乗はまだ時間があるので続けます。
終わりは始まり、ア行のJR西日本から再スタート
終わりは始まりであり、JR四国完乗の余韻ままならず、次は最後の大物であるJR西日本の完乗がスタートします。岡山から始めるにあたり、ア行である赤穂線からスタートします。
まずは、新快速の行き先でよく目にする播州赤穂を目指します。この時期に赤穂と聞くと47でありますが、当時の浪士が抱えた困難はなく、乗り継ぎ時間よく、赤穂線に入っていきます。
ぶつ切りの切妻が入線します。ザ・西日本をいきなり感じてしまいます。四国のアンパンマン呪縛が終わったと思うと食パンであります。
ベネッセを過ぎてしばらくすると赤穂線に入ります。山陽はやはりプラント景色が多く、港湾と工場などの建造物が独特であります。そうした景色が阪神から下関まで続くのは日本成長を牽引してきたのだろうとも感じます。
そんなことを逡巡していると距離の割には速度が速いのか、乗換駅の播州赤穂に到着します。乗り継ぎ時間は少なく、向かいのホームには関西地区おなじみのカラーの列車がいます。ここから関西と言う感じもします。
赤穂線は沿岸近くを走ることもあり、川を渡るのが山陽線と併せても多いところであります。新快速が早いのか播州赤穂から姫路までの距離が短いのか。姫路駅であります
となると姫路のシンボルである白鷺城が見えます。西日本完乗となると姫路はあと何回来ることとなるのか、そろばんをはじていしまいます。何度来ても姫路城は良いですが。
本日は姫路駅から新幹線で新大阪まで戻ります。姫路はのぞみの停車が多いため、スタートとゴールには良い場所であります。
四国DC満喫きっぷは元を取ったのか
今回はJR四国+土佐くろしお鉄道全線乗り放題でしかも特急の自由席も乗り放題で9,000円の四国満喫DCきっぷを利用しましたが、元が取れたか検証してみます。
四国入りは松山空港から松山駅となり、四国出は瀬戸大橋線で岡山、赤穂線を経由して姫路からのぞみで新大阪までとなっています。
松山から新大阪まで経路を四国満喫DCきっぷと通常(一筆出来るところはできるだけ長く)と比較してみました。
どっちの切符でも共通に別途費用が掛かる区間(路線バスと阿佐海岸鉄道)は除きます。また、特急券はどちらも自由席で計算しています。
種別 | 区間 | 経由 | 通常 | DC |
---|---|---|---|---|
乗車券 | 松山=後免 | 内子・北宇和島・窪川 | 5,210 | 9,000 |
伊予大洲=伊予市 | 下灘 | 770 | ||
伊予市=伊予大洲 | 内子 | 770 | ||
北宇和島=宇和島 | 170 | |||
宇和島=北宇和島 | 170 | |||
後免=奈半利 | 1,080 | |||
牟岐=新大阪 | 徳島・佃・岡山・播州赤穂 | 7,190 | ||
徳島=池谷 | 260 | |||
池谷=佐古 | 220 | |||
佃=阿波池田 | 210 | |||
阿波池田=佃 | 210 | |||
児島=新大阪 | 岡山・播州赤穂 | - | 3,470 | |
特急券 | 松山=伊予大洲 | 530 | - | |
伊予市=宇和島 | 1,200 | |||
窪川=高知 | 1,200 | |||
牟岐=徳島 | 1,200 | |||
徳島=池谷 | 330 | |||
徳島=阿波池田 | 1,200 | |||
児島=岡山 | - | 560 | ||
阿波池田=岡山 | 1,200 | - | ||
姫路=新大阪 | 山陽新幹線 | 1,760 | 1,760 | |
合計 | 24,880 | 14,790 |
今回は宇和島で鯛めしを食べており、途中下車しています。また、四国の真ん中の阿波池田駅では改札を出たコンビニで欲望に勝てずお酒を買っており、特例が適用できませんでした。
差額は1万円であります。そして、今回の計算以外にももっと安い組み合わせはありそうであり、今回は記事のために計算しましたが、その計算時間も金額換算するともう少しメリットはありそうです。
おまけでJR西日本路線に出ているため、DCでも持ち出しは出ていますが、四国で完結して琴平から高松空港に行き、飛行機で帰れば、半額ぐらいまで差が出そうです。
ホテル1泊と食事くらいは元は取っていますが、何よりも余計な運賃計算や精算時間がかからなくて良いと言えます。
最後に
今回でJR四国は完乗となります。JRは貨物を除いて6社あり、そのうち、これにて金満な東海と北海道と四国の制覇となります。
残りは津軽線に王手をかけている東日本と運休を除くとわずかの九州でありますが、大物の西日本がかなり残っています。コンプリートに向けては西日本までのフライトが毎週、増えそうです。
今回完乗した路線
JR四国
牟岐線 徳島~阿波海南 77.8 km(完乗)
徳島線 佃~佐古 67.5km(完乗)
高徳線 池谷~徳島 10.3km(完乗)
JR西日本
赤穂線 相生~東岡山 57.4 km(完乗)
西日本は奥深く、最優先で地道にこなしていきたいところであります。でも毎週末飛行機で飛んで、朝から晩まで乗り継ぎ、平日夜は時刻表と睨めっことなると、ちょっと疲れてきました。