2026年新運賃における国内線のプレミアムポイント、とりわけ搭乗ポイントについて整理してみましたのでお伝えします。
搭乗ポイントとは
搭乗ポイントとはプレミアムポイントの一種であり、一言で言うと搭乗実績に応じて積算されるプレミアムポイントです。上の図のように飛んだ距離である区間マイルに掛け算はされず、最後に+400,+200ポイントと付与されるものです。
搭乗ポイントについては、付与される運賃とそうでない運賃があります。基本的な考え方としては積算率100%以上の運賃であれば、ANA国内(コードシェア含む)・国際(コードシェアは含まない)線運航便、スターアライアンス加盟運航便であれば付与されます。
ただ、一部の国際線ではビジネスクラスで積算率が70%運賃(70P)、プレミアムエコノミーで積算率運賃が70%運賃(70N)でも対象となっています。ビジネスやプレエコの本来の積算を考えると砂漠に水を撒くようなものですが。
また、国内線ではANA VALUE 1、ANA VALUE 、ANA VALUE 、株主優待割引運賃などの75%積算運賃でも対象となっています。
そして、逆もあり、本日のお題となりますが、国際線運賃に紐づく国内線区間の搭乗では積算率が100%でも付与されないと言う、基本的な考え方はあるものの、例外も多いのでマイル修業をして経験を重ねないと反射的に計算できない部類のポイントです。
現状、400PPと200PPが存在しますす。VT職人でもなければ200PPと言うのはあまり体感はないので、一般的には400PPが実感となります。
この400PPと言うのはANAもJALも共通しており、なぜ400PPとして始まった起源は承知していませんが、羽田-大阪間で100%積算運賃で搭乗した場合、以下の計算式でプレミアムポイントが積算されます。
(区間マイル280マイル×積算率100%×路線倍率2倍)+搭乗ポイント400PP=960PP
となり、100%運賃で乗れば、フライト1回あたり約1,000PP積算されると言う事を狙ったのかもしれません。年間の出張の回数でプラチナやダイヤモンド会員到達が目論めると言う事かもしれません。
このように短距離区間では区間マイル数よりも多いポイントが加算されるため、美味しい搭乗ポイントですが、NRT-MEXでは区間マイル7,003マイルに対して400PPとマイノリティとなってしまいます。まあ、国際線は100%積算運賃で搭乗するのはエグゼクティブか海外発券利用のマイル修業僧しかいないで、そういう事です。
こうしたことから搭乗ポイントは国内線搭乗において有利であり、主に国内線を利用する利用者にメリットがあります。
2026年での変化
こうしたシステムが続いて来ましたが、2026年5月19日以降は、この搭乗ポイントが国内線において変化が発生します。2026年以降の国内線における搭乗ポイント付与一覧は以下のとおりです。
2026年5月19日以降の搭乗分
ファースト(旧プレミアムクラス) | ||
---|---|---|
積算率 | 該当運賃 | 搭乗PP |
150% | フレックス、Biz、ANAカード優待、 国際(国内 F/A) |
400 |
130% | スタンダード、株主優待 | 400 |
120% | シンプル | 400 |
エコノミー(旧普通席) | ||
積算率 | 該当運賃 | 搭乗PP |
100% | フレックス、Biz、ANAカード優待、 国際(国内 Y/B/M) |
400 |
島民 | 0 | |
80% | 株主優待 | 400 |
スタンダード | 200 | |
70% | シンプル | 100 |
国際(国内区間U/H/Q) | 0 | |
50% | 個人包括旅行、ユース、 シニア、包括団体旅行 |
0 |
国際(国内V/W/S) | 0 | |
30% | 包括旅行 | 0 |
国際(国内L/K) | 0 |
太字が変化点です。
大きく言うと国際線航空券の国内線区間において、シンプル70%積算運賃で100PP積算されるのが新設された点と、国際線の積算率が100%以上の区間ではこれまで搭乗ポイントが付与されなかったのが、400PP付与されることになった点です。
これは大きく、日本各地からビジネスクラスで羽田を経由で海外に行く人や海外発券において、積算率の高い100%運賃のMクラスを利用する人にとっては、吉報と言えます。ただ、Mクラス利用の人は際際利用(東南アジア・豪州から羽田を経由して北米・欧州に行く)が多いと思われるのでそれほど多くないとは思いますが、日本近隣国から日本往復をする人にはメリット大と言えます。
海外発券のPP単価の変化
今回の国際線航空券の国内線区間において積算率100%以上で、400PPが付与される件について、メリットが大きい区間で現状と2026年5月19日以降の搭乗において、どれぐらいPP単価に効果があるのか考察してみました。
今回は往路(ソウルから沖縄)はエコノミーM(国際区間100%積算)、復路(沖縄からソウル)はビジネスクラスC(国際区間125%)積算で試算してみました。
国内線区間予約クラスは以下のとおりです。国際区間ビジネスでの国内区間のクラスの確認でもあります。
HND→OKA Mクラス(100%)
OKA→HND Yクラス(100%)
ANA直の予約サイトでは国際線区間がビジネスクラスの場合でも、プレミアムクラスにはならずにエコノミー(Y)となります。プレミアムクラスはプレミアムエコノミーのようなサービス実態ですが、カテゴリーとしてはファーストクラスのようです。
運賃・予約クラス・プレミアムポイント
運賃・予約クラス・プレミアムポイントは現時点では以下のとおりです。
運賃 92,750円
予約クラス 国際区間 C,M (125%+400PP,100%+400PP)
国内区間 Y,M (100%+0PP)
プレミアムポイント 7,294PP
PP単価 12.72円/PP
となります。
これが、2026年5月19日以降の場合は以下のとおりです。
搭乗ポイントが400PP×2=800PPが追加で積算されるので、
PP 8,094PP
PP単価 11.46円/PP
となります。単価差は1.26円下がります。たかが800PP、されど800PPと言うのが所感と言えます。国際区間が距離が低いので底上げ効果があるのかもしれません。
国際線運賃は長年構築したところもあり、そう簡単には変えられないと考えられるので2026年5月以降も続くと思いますが、マイラー対策で運賃を上げてきたり、予約クラスの変更する可能性もあるので何とも言えませんが、ポジティブのようです。
最後に
今回は2026年の運賃制度改定における国内線でのプレミアムポイント、特に搭乗ポイントの変化をフィーチャーしてみました。国際線航空券の国内区間において、国際線の予約クラスが100%積算以上の場合、国内線も国際線に平仄を合わせて搭乗ポイントが付与されることとなります。
搭乗ポイントについては、JALではワンワールド加盟キャリアの積算では100%以上の積算率でも積算されないこともあり、どちらかと言うとオワコンに進むかと思いましたが、ANAでは国際線にもともとあったシステムに合わせてきたのは驚きでした。
2026年5月19日以前の搭乗ポイントを遡及積算することは有り得ないですが、もしそれが叶うなら、ダイヤモンド1個は貰えそうです。