6月17日には内容がわかるボーイング787の新ビジネスクラスについて、妄想してみましたので、お伝えします。
THE Room FX
これはまだ確定した情報ではありませんが、ネットで具体的なTHE Room FXと言う名前で記事を書いている人がいました。
この記事によるとANA B787-9の国際線用のビジネスクラスについて、B777-300ERの新ビジネスクラスのTHE Roomを感じさせるデザインになるのではと書かれています。また、現在のTHE Roomはサフランシーツ製であり、今回もサフランを採用するのではないかと書かれています。
THE Roomはサフランシーツ社製
ANAビジネスクラス THE Room
現在、ボーイング777-300ERに設置されているビジネスクラスのTHE Roomは世界的にも特徴的であり、コンフィグは1-2-1配列で前後の向きを組み合わせたシート配列となっており、飛行機のシートとは思えないワイドシートです。シートモニターは24インチ4Kモニターとなっています。
そして、扉付きでとてもプライバシーが保たれた空間となっています。
この特徴的なシートはサフランシーツ社製のFusioであります。同社が公開しているシートの動画を見るとTHE Roomに搭乗したことがある人だとTHE Roomの特徴が良く出ていると感じられると思います。
THE Roomではヘッドフォンなど収納できる部分は冷蔵庫にも出来るようでありますが、さすがにANAはそうしなかったようです。
Fusioシートは大型機B777-300ERでは設置はできますが、ボーイング787では胴体の横幅がないため、それは無理のようです。各機材のキャビン幅を比較するとB777が5.86m、B787が 5.49mであり、約38センチ狭くなっています。同機は2通路なので、1通路あたり19センチ通路を狭くすれば設置できると言われるかもしれませんが、緊急時の避難や機内食配膳等に無理が出てきます。そうした事からもFusioをそのまま設置することはできないようです。
ちなみにJALなどで運航されているA350は5.61mとなっており、B787との差は12センチとなっています。1通路あたりの差は6cmとなります。
サフランシーツ社については、フランスに本拠地を置く、サフラン(Safran S.A.)傘下の企業であり、もともとはゾディアック・エアロスペースと言う会社でしたが2018年2月にサフランに買収され、現在に至っています。
今回の鍵はやはりフランスと言う事でもあります。
THE Roomと同じシートが使えないとどんなシートになるのか
サフランシーツ Unity
サフランシート社製のFusioが使えないとなるとTHE Room FXとはどんなシートになるのか気になるところであります。THE Roomと名乗っていることから、少なくとも扉を付けてくるのは間違いありませんが、どうなるのでしょう。
ANAでは近年、エコノミー系のシートはレカロとトヨタ紡織、プレミアムクラス、ビジネスクラス、ファーストクラスはサンフランシーツと使い分けているようです。まあ、コイトだけは絶対に採用しないでしょうが。
このことから妄想すると、今後もビジネスクラスはサフランシーツ製となりそうです。それではサフランシーツ製のシートで先述のFusioが使えないとなると他のプロダクトではどんなものがあるのでしょう。
787のようなワイドボディの中型機でもっとも個室感があるのが、Unityという製品となります。このシートについて同社は以下の通り、アピールしています。
Unityはクラス最高の快適性、プライバシー、デジタル体験を提供するためにデザインされた、ワイドボディ機用の究極の前向きビジネスクラス・ソリューションです。広範な市場調査とSafran Seatsの高度な専門知識から生まれたUnityは、完璧な快適性、プライバシー、高いプレミアム感を確保しながら、先進技術を統合し、卓越した空間感覚を作り出すことで、最新のお客様の期待に応えることを目的としています。
上の写真のようにTHE Roomにも近い雰囲気であります。1-2-1配列であり、B777-300ERのビジネスクラスのシートとは異なり、すべて進行方向前向きと言うのもメリットと言えます。
カンタス航空A350ビジネスクラス
ただ、このシートはJALのA350-1000のビジネスクラスやカンタス航空のA350ビジネスクラスでも採用されており、ライバルであるJALと同じプロダクトを採用するだろうかという疑問はあります。
それでは、取引実績のあるレカロのシートを採用するのかと見てみるとレカロでもビジネスクラスのシートのプロダクトではR7というシートがあります。
レカロR7
扉が付き1-2-1配列で雰囲気は近いですが、スタッガードに代表される進行方向に向かって傾いていないシートを貫いてきたANAのビジネスクラスからすると少し違和感もあります。
こうしたことから考えると、引き続き、サフランシーツのシートを採用するのではないかと確信が持てます。先述のUnityそのままだとJALとそっくりであり、ANAとJALともにヘビー利用する紫ダイヤモンド会員は飽きてしまうかもしれません。
また、サフランシーツ社はANAオープン(ゴルフ)にも毎年協賛しているようでもあり、サフランシーツとは切っても切れないようであります。まあ、取引先は総じて協賛しているようですが。
何よりも、今回の発表は2025年6月17日にパリ航空ショーで発表すると公言しており、ドイツのシュトゥットガルトが本拠地のレカロのシートを採用の発表をサフランの本拠地のフランスで発表するとは考えられないので、サフランシーツとなるのは濃厚です。
わざわざ、パリで発表するのは従来のプロダクトではなく、サフランシーツ社にとっても革新的な新商品として売り込む目的がありそうであり、ANAとの共同発表でUnity以上のシートが出てくる可能性もあります。
そう考えるとあと2週間ほどですが、結構待ち遠しいところであります。
THE Room FXのFXとは何か
THE Room FXのFXとは何かと言うのが気になると思いますが、少なくとも外国為替(Foreign eXchange)ではないことは間違いないでしょう。
シートがすべて進行方向前向きであるとするとFowardのFと言うのも考えられるでしょう。現状のTHE Roomでは進行方向と逆向きのシートもあり、そうした席は貧乏くじのようにも感じてしまいます。実際に搭乗していると前向きも逆向きも関係ないところではありますが。
すべて前向きのシートの意味が込められるかもしれません。まあ、15年近く利用するプロダクトのワードとしては薄い感じもします。
もう1つはFirst classに近いということで、FirstのFも想像できます。B787で1-2-1配列はこれまでと同じであり、FirstのFを使っても良いかと言うのはあります。これが1-1-1配列となるとFirstと名乗っても良さそうですが、さすがに座席数が少なくなり、儲からないので1-2-1とすると思います。
あとのF候補としてはサフランシーツ社ではプレミアムエコノミーのシート製品でAIRGO FX PREMIUMという商品名であります。このシートは固定式バックシェルを採用しており、固定式を意味するFixedからFXとしているようです。ただ、ビジネスクラスにおいてはスタッガードでもある意味固定式バックシェルであり、メーカーの商品名をそのまま、自社ブランドにすると言うのはあり得ないところでもあります。
そして、もう1つの文字であるXについては一番考えられるのはExperienceのXが想像されます。UXやCXなどビジネスで使われているので、ビジネスクラスを利用するようなビジネスマンにも認知されやすい気がします。
もう一つはDXやGXなどで使われるトランスフォーメーションが想起されます。シートが変幻自在でトランスフォームするのかと言うとあまり考えにくいところであります。
個人的にはファーストクラスのような体験と言う意味でFirst eXperienceの略としてFXなのではないかと思います。
または、ビジネスクラス最前列だけファーストクラスに近い座席にしたマレーシア航空の等で運用されている豪華ビジネスクラスの名称だけが人歩きしているのかもしれませんが。
そう考えると実際の新ビジネスクラスは扉付きではあるものの、Unityのままかもしれません。
以上、FXの出元が良くわからず、FXと名付けられるのかも不明なので、単なる妄想話として受け入れていただければと思います。
ちなみに、FXの2レターの航空会社はフェデラルエクスプレス(Fedex)であり、ご認識のとおり、貨物航空会社であります。知っている人にとってはビジネスクラスなのに貨物みたいなイメージを抱かれてしまうかもしれません。まあ、フェデックスは知っていても2レターFXは知らないと思いますが。
最後に
THE Room FXがどうしてリークされてきたのかは不明ですが、THE Room的な雰囲気がB787でも堪能できるとなると結構楽しみであります。
2025年6月17日のパリ航空ショーで披露と言う事であり、フランスで披露と言うのはサフランシーツ製というのが濃厚です。
ちなみに発表日の3日前からのNH215便(HND→CDG)のビジネスクラス空席待ちを見てみると35人から56人待ちと驚愕の待ち人数となっていました。
正真正銘のTHE RoomのB777-300ERを臨時で飛ばせば良さそうなものですが、機材繰りは厳しいのでしょう。あと、2週間ちょっと楽しみです。