スカイトラックスのランキングについて考えてみました。
ターキッシュエアラインズの不参加表明
ターキッシュエアラインズは2018年6月19日に、今後、スカイトラックス社が実施するランキング評価に参加しないことを表明しました。理由としては、最近導入した自社のサービスを利用して顧客満足度を完璧にするということだそうです。また、2018年10月29日開業する「イスタンブール新空港」にて空港サービスを含めてトータルでの顧客満足度を上げていくということです。
スカイトラックスのチェック項目が実際の顧客の満足度と乖離していると認識しているのか、新空港移転にリソースを集中するためかプレスリリースだけでは何ともわからないところです。ただし、ターキッシュエアラインズはスカイトラックス社のレーティングでは常に上位をキープしており、スカイトラックスのレーティングに頼らずとも自社で顧客満足度を向上するシステムができているのかもしれません。
イスタンブール新空港
イスタンブール新空港はイスタンブール中心部から北東に直線で35kmの場所に建設され、当初は2本の滑走路でスタートし、年間9,000万人が利用可能で、最終的には6本の滑走路で1.5億人が利用可能となる見込みです。羽田空港の年間8,500万人を考えると大きな空港です。鉄道のアクセスは2019年に地下鉄が、2020年にはアンカラとも接続される高速鉄道も乗り入れる予定です。
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スカイトラックス社のレーティングと実感の違いは
2017年ワールド・ベストビジネスクラス・トップ10を見てみると以下の通りです。
1位:カタール航空
2位:全日空(ANA)
3位:シンガポール航空
4位:エティハド航空
5位:ルフトハンザドイツ航空
6位:ターキッシュエアラインズ(トルコ航空)
7位:ガルーダ・インドネシア航空
8位:キャセイパシフィック航空
9位:エミレーツ航空
10位:エバー航空
カタール航空とエティハド航空とエミレーツ航空とガルーダ・インドネシア航空は搭乗したことはありませんが、搭乗した航空会社では、それほど不満足を感じるようなことはなく、スカイトラックスのレーティングはそんなにずれているということはありません。トップ10にランクインしていない航空会社でも、個人的にはトップ10よりもサービスが良いと感じるところもあり、この個人の感覚というのが、キーなのかもしれません。スカイトラックス社も時代とともに色々な評価項目を追加したり、削除したりしていますが、個人の感覚が過去と比較してさらに多様化しているため、評価は難しくなっているのも知れません。
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顧客と直接向き合う試み
ターキッシュエアラインズは世界で一番多くの国に就航しており、一番多様化した顧客と接し、敏感なため、多様化した顧客と直接向き合い、乗客の体感を上げていこうという試みを行うとしているのかもしれません。自社サービスから取得できるビッグデータの活用や自社で高い目標を設定して取り組んでいるのかもしれません。今後、さらに、多様化し個人の感覚を受け止めていくのには、評価項目によるレーティングではなく、データを利活用したりすることで、逆に新たな体感を創出することができるかもしれず、脱レーティング評価というのもトレンドとなる可能性もあります。
最後に
お金で買える賞やステマによる高評価を謳うところもありますが、スカイトラックスは搭乗した実感と乖離は少なく、適切な評価を実施しており、信頼できる評価だと思います。しかし、個々の感覚というものがますます多様化する中では、航空会社自体が自発的にあたらな取り組みを行わないとベストエアラインを維持できないのかもしれません。