ホノルルへのA380-800就航の詳細を発表し、プロモーションを展開しているANAですが、次のANAの国際線での新規路線を考えてみました。
ANAの国際線就航地
現在のANAの国際線の就航国は上記地図の通り、トリントンブルーで塗られた国が21カ国あります。ここ5年ほどで飛躍的に就航国及び、就航都市を増やしています。以前であれば、アジアと言えば、シンガポール、バンコク、ホーチミン、香港でしたが、現在では中国各都市、ヤンゴンやデリー、クアラルンプールまで就航しており、随分変化したものです。
金融センターから見た就航地
金融センターとは、有力な証券取引所や外国為替取引所があり、多くの銀行や証券、保険などの金融業が集まる都市であり、多くの投資家やブローカーが世界中とお金のやり取りをしており、単価の高い、ファーストクラスやビジネスクラスの需要もあります。以下の表は2018年3月時点のThe Global Financial Centres Index 23における上位20金融センターです。
Rank | Center | Rating |
---|---|---|
1 | London | 794 |
2 | New York | 793 |
3 | Hong Kong | 781 |
4 | Singapore | 765 |
5 | Tokyo | 749 |
6 | Shanghai | 741 |
7 | Toronto | 728 |
8 | San Francisco | 726 |
9 | Sydney | 724 |
10 | Boston | 722 |
11 | Beijing | 721 |
12 | Melbourne | 720 |
13 | Montreal | 719 |
14 | Chicago | 718 |
15 | Vancouver | 717 |
16 | Zurich | 713 |
17 | Los Angeles | 712 |
18 | Shenzhen | 710 |
19 | Dubai | 709 |
20 | Frankfurt | 798 |
色塗はANAが未就航の都市であり、日本からの直行便のスターアライアンス・コードシェアでカバーできていないのが、ボストンとメルボルンとドバイです。ボストンとメルボルンは競合のJALが就航しており、ドバイはエミレーツが日本に就航しているものの、日本の航空会社は就航していません。日本人としては、日系キャリアを利用したい人もビジネスを中心にある程度あると思われ、近接都市のアブダビからの需要も取り込み、ドバイ以遠の需要を追わなくてもうまくいくのではないかと思います。
ANAでは、パースなどチェンナイなどJALも乗り入れていない空白地帯が有償での搭乗率が高いと考えているようで、JAL単独路線には踏み込まないようですが、羽田の割り当て具合などではメルボルンは考えているようです。
経済成長と人口の多い国から見た就航地
ANA運航便がなく、人口5,000万人以上を有し、向こう2年間の年平均GDP成長率が6%前後以上見通される国をピックアップしてみました。以下の通りです。
国名 | 人口 | Last | Q2/18 | Q3/18 | Q4/18 | Q1/19 |
---|---|---|---|---|---|---|
Bangladesh | 1.63億 | 7.3 | 6.9 | 6.9 | 6.9 | 6.85 |
Turkey | 0.75億 | 7.3 | 7.9 | 6.2 | 5.9 | 5.1 |
Ethiopia | 1.02億 | 10.2 | 7.4 | 7.3 | 7.3 | 10.65 |
バングラディッシュとトルコとエチオピアであり、ANAでは、アジアにおいては、インド、ミャンマーなどバングラディッシュの隣国にはすでに就航しており、東南アジアでは最大の空白地帯と言えます。国土のわりに人口が多く、国旗が似ている日本とも共通しています。労働力輸出も多く、国民の国外への移動の多い国でもあり、日本をはじめ、米国などへのアウトバンド需要があるほか、同国への投資が進むとインバウンド重要もかなりあると思われます。
次に、トルコは色々な側面を持つ国でありますが、経済では紆余曲折はあるものの、着々と伸びており、22世紀には大国になるといった著書もあるくらいの国であり、歴史の中で存在感を示す国の一つでもあります。そして、ターキッシュエアラインズの本拠地であり、成田へも一日一便就航しており、コードシェアも実施しています。就航した場合にターキッシュエアラインズとともにどのように需要を喚起していくかが問題でありますが、東ヨーロッパや中央アジアへのアクセスが良くなり、日本としては、色々な大国への考慮もあり、同国への政策がどうなるかわかりませんが、中長期的に観た場合には、早期に就航させた方が良いとも考えられます。
そして、エチオピアについては、スターアライアンスのエチオピア航空の本拠地であり、自国の需要のほか、アフリカ各地への接続は良くなることが想定されます。アフリカへの投資では中国が先行していますが、エアチャイナはまだ、ヨハネスブルグへの就航のみとなっており、東京からアディスアベバまでの距離は6,473マイルであり、ノンストップで飛行も可能であります。日本の対アフリカ政策にもよりますが、長期的にはあり得るかもしれません。
また、人口が多く、今後の経済政策いかんでは交流が活発になるロシア(首都モスクワや極東のウラジオストク)なども経済紙でリークされており、可能性があると考えられます。北方領土問題や日露経済協定などがカギになるかもしれません。
最後に
以上のように飛行機を利用するビジネスや経済の側面から見てみると、ボストン、メルボルン、ドバイ、ダッカ、イスタンブール、アディスアベバが新たな就航として考えられると勝手に想像してみましたが、2020年に向けては、着実に収益が期待できるアジア=北米区間のボストンや豪州需要を吸収するメルボルンが考えられます。そして、ドバイが続き、長期的には、ダッカやイスタンブール、アディスアベバなどが就航する想像できます。個人的にはボストンへの就航が楽しみであり、就航する場合は早々に搭乗してみたいと思います。そして、新規開設路線は運航実績を高くしたいため、プロモーションが多く組まれるため、飛びつくくらいでもいいと思います。色々な妄想をしながらお得なルートを想像するのも楽しいと思います。