ANAのスーパーフライヤーズ会員に国際線ビジネスクラスと国内線プレミアムクラスをほぼ利用し、スーパーフライヤーズ会員になる方法を考えてみました。
ANAのプレミアムエコノミークラスの積算率の変更
ANAでは2018年12月4日にプレミアムエコノミーの予約クラスに新たにNクラスを新設し、一方で100%加算のEクラスを多くの路線で廃止し、残した路線でも運賃設定を変えています。これはマイル修行する人にとっては大きなショックであり、国際線発券の日本国内区間の積算率が改定(意外と影響はない?)以上に、確実に影響がある変更と言えます。そして、駆け込み購入もする間もなく、改変しています。鬼のような対応とも言えます。
クアラルンプール発券のビジネスクラスを利用
クアラルンプール発券はこれまでプレミアムエコノミーが驚異的な単価でしたが、マイル及びプレミアムポイントの積算率が3割減となるとその魅力はなります。それに代わって、ビジネスクラスの最安価格のZクラスは維持されています。
ビジネスクラス最安のZクラスの魅力は積算率125%に加え、アジア搭乗倍率1.5倍がさらに積算されます。そして、同一のZクラスで空席があれば、予約変更が無料で可能であります。
クアラルンプール便は羽田と成田発着がありますが、成田発着のビジネスクラスはリクライニングタイプのシートであるに対して、羽田発着はフルフラットの個室タイプとなります。どちらが良いかは説明するまでもありません。そのため、羽田発着のビジネスは発券時に取りにくい可能性もあります。しかし、予約変更がフリーのため、まめにチェックすれば羽田便のZクラスの空きをつかむこともできるため、購入を断念せずに進めることもできます。
また、リクライニングタイプのビジネスでもビジネスクラスは余裕があるため、ゆったりとできますし、日本到着が早いため、翌日仕事がある場合は時間という観点ではよいとも言えます。
日本国内線区間を追加する
海外発券の醍醐味は日本国内線区間を追加しても1ルート1万円程度で追加できるほか、ストップオーバーができるため、マレーシアから帰国した翌週に日本国内を往復し、その翌週にマレーシアに向けて出国できる点であります。ANAの日本国内では距離が最も長いと言える羽田=石垣便を追加します。石垣便は小型機と大型機が存在し、大型機は予約が取りやすいほかプレミアムクラスの設定があります。
福岡発シンガポール航空ビジネスクラスを利用
海外発券というとその発券地(今回の場合はクアラルンプールですが)までの日本からのチケットを用意する必要があります。羽田=関西=-香港=シンガポール=クアラルンプールなどスターアライアンス便の安い設定がある片道ルートを辿り、少しでもプレミアムポイントを安く積算するほかに、LCCでダイレクトにアクセスする方法もありますが、今回は上級クラスにこだわって試算してみました。
シンガポール航空ではセールを実施しており、日程によってはかなり安い運賃があります。土日はほぼないため、週末後半に出発し、週の前半に帰国するルートであれば福岡からクアラルンプール往復10万円で済む旅程もあります。全区間ビジネスクラスのため、搭乗ポイントが都度400ポイント付与されるため、プレミアムポイントが結構付与されます。
東京から福岡まではプレミアム株主優待を利用
東京を起点としてマイル修行をする場合、LCCで安く済ませ、ほかの路線でカバーする、ANAのSV(スーパーバリュー)の超事前購入で安く済ませて、ほかの路線でカバーする、羽田から伊丹経由でSV1を利用する方法が考えられます。しかし、今回は上級クラスにこだわるため、プレミアム株主優待割引で往復することとします。
プレミアムクラスの場合、プレミアムチェックインおよび、羽田と福岡でラウンジを利用できるため、優雅に利用できます。
積算マイルとプレミアムポイントと運賃
以上のような旅程を組み合わせることによる積算マイルとプレミアムポイントは以下の通りです。
ルート | マイル数 | 積算M | PP | 累計M | 累計PP |
---|---|---|---|---|---|
HND-FUK | 567 | 708 | 1,817 | 708 | 1,817 |
FUK-SIN | 2,803 | 3,503 | 3,903 | 4,211 | 5,720 |
SIN-KUL | 185 | 231 | 631 | 4,442 | 6,351 |
KUL-NRT | 3,338 | 4,172 | 6,658 | 8,614 | 13,009 |
HND-ISG | 1,224 | 1,224 | 2,448 | 9,838 | 15,457 |
ISG-HND | 1,224 | 1,224 | 2,448 | 11,062 | 17,905 |
NRT-KUL | 3,338 | 4,172 | 6,658 | 15,234 | 24,563 |
KUL-NRT | 3,338 | 4,172 | 6,658 | 19,406 | 31,221 |
HND-ISG | 1,224 | 1,224 | 2,448 | 20,630 | 33,669 |
ISG-HND | 1,224 | 1,224 | 2,448 | 21,854 | 36,117 |
NRT-KUL | 3,338 | 4,172 | 6,658 | 26,026 | 42,775 |
KUL-SIN | 185 | 231 | 631 | 26,257 | 43,406 |
SIN-FUK | 2,803 | 3,503 | 3,903 | 29,760 | 47,309 |
FUK-HND | 567 | 708 | 1,817 | 30,468 | 49,126 |
累積積算マイルは30,468マイルであり、プレミアムポイントは49,126PPとなります。途中からブロンズ到達基準になりますが、弾丸でプレミアムポイントを積み上げるため、事前ブロンズサービスによるボーナスマイルは積算しない想定です。
運賃は下記のとおりです。
国内線プレミアムクラス往復 | 68,680 |
---|---|
株主優待券2枚 | 10,000 |
シンガポール航空ビジネス往復 | 103,460 |
ANAKL発券ビジネス1 | 174,410 |
ANAKL発券ビジネス2 | 177,780 |
合計 | 534,330 |
株主優待券を1枚5,000円で確保できた想定となります。総額534,330円となります。PP単価は10.88円となります。しかし、これでは874PP不足となります。ここまでくると選択肢は多く、仮に、羽田=石垣区間(上記表のクリーム色塗りのレグ)でプレミアムクラスのアップグレードが当日でもできれば、プレミアムポイントをプラス1,224PP加算でき、5万PPを達成できます。そして、PP単価は10.91円と単価アップを抑制できます。
ANA便でのプレミアムポイントは4万超
上記の修行ルートではANA以外にシンガポール航空を利用しますが、ANA運航便の割合がたかく、4万PPをANA便で積算できます。すると、アップグレードポイントが20ポイント獲得できます。
アップグレードポイントはアップグレード対象運賃でビジネスクラスにアップグレードできるほか、翌年晴れてプラチナ会員になった後に1ポイント1,000スカイコインで交換できるキャンペーンもあります。2019年度のプレミアムメンバーに適用されるか不明ですが、これぐらいのメリットがあるポイントと言えます。ただし、アップグレードポイントでアップグレードできるポイントの予約クラス運賃は比較的高いため、意外と使い道に困ることもあるかもしれません。そうした場合は、LCCなどで安く行けるソウルに行き、ソウル発券などの海外発券を考えてみるのも良いかもしれません。
最後に
これまで、プレミアムエコノミー運賃は100%加算で陸マイルで貯めたマイルを使用し、アップグレードすれば、ラクラクSFC修行ができましたが、それが難しくなりました。絶望感はありますが、あえて上級クラスを利用し、さらに他社のキャンペーン運賃を利用して上級クラスを活用し、国内線もプレミアムクラス利用で優雅に、そして、一気に、SFC会員基準に到達することもできます。しかも、PP単価は10円台となります。
平日の休暇取得や一気にキャッシュを放出する必要はありますが、ラクラクでSFCカードを取得できると言えます。そして、いきなりの改悪で計画変更を考える手間も要りません。
マイル修行こそ、前向きがあてはまる趣味であり、逆境をポジティブに考えることが醍醐味です。マイル修行は改悪されても次の一手を考えれば、次の一手はあり、将棋や囲碁のように奥の深い趣味とも言えます。
単価ではなく、ゴールを目標とすると気が楽になるかもしれません。