相次いで、オープンする空港近くの温泉、温泉と空旅の関係を国内・海外の各スポットを自らの経験と共にお伝えします。
首都圏空港に相次いでオープンする空港至近温泉
住友不動産ホームページより
首都圏空港である東京国際空港(羽田空港)と成田国際空港の近くには、2020年に相次いで温泉がオープンします。いずれも大規模な温泉で日帰りでの利用も可能であり、新たな旅行スタイルが確立されそうです。
羽田空港
住友不動産ホームページより
先日、羽田空港の2020年の激変については下記の記事にてフィーチャーしましたが、その中で国際線専門のターミナルとなる第3ターミナル(国際線ターミナル)に直結するホテルと合わせて、大規模な温泉施設もオープンします。
このエリアは住友不動産が手掛け、エリアの名称は「羽田エアポートガーデン」であり、ホテルは2種類のヴィラフォンテーヌが構えます。
その中で温泉施設は2,000㎡の広さとなり、名称は「泉天空の湯 羽田空港」となります。
24時間営業(2時から5時は浴場は不可)であり、富士山が見える露天風呂、複数の内湯、2種類のサウナと3種の岩盤浴が設置されるほか、あかすり、マッサージのサービスも提供されるとのことです。
どれぐらい利用料がかかるのか気になるところですが、お金を払ってもスイートラウンジでシャワー待ちをするよりは快適そうです。
認知度が広がるとピーク時は文字通り、芋洗いとなり、日曜日夕方のスーパー銭湯級となりそうですが、スイートラウンジのような不快さは少ないかもしれません。
成田空港
2020年夏ダイヤでは羽田空港に移管する航空会社が増え、第1,2ターミナルは大丈夫かと思うくらいですが、逆に言うとスカスカでラウンジなどは快適になるかもしれません。そうしたなかで、成田空港の近くに温泉施設ができます。
成田空港からシャトルバスでアクセス(2便/h)できるほか、鉄路でも移動ができます。東成田駅から芝山鉄道線で一駅の芝山千代田駅で下車して徒歩3分で到着します。
東成田駅はある意味ギミックであり、飛行機で到着後、鉄道マークに従うと迷ってしまいますが、東成田駅の場所を把握すると意外とアクセスは良いかもしれません。
ドアツードアのシャトルバスにはかなわないですが、タイミングが良く電車が来れば、早く服を脱いで、湯船に浸かれそうです。
アクセスの話が長くなりましだか、温泉については以下のとおりです。
名前は「成田空港温泉空の湯」であり、2019年12月18日からオープンします。
24時間営業(8-11時は除く)で、源泉かけ流し(一部浴槽は除く)です。サウナや岩盤浴もあり、温泉としてはベストです。
入浴料は休日大人で1,200円と空港至便ではリーズナブルかもしれません。夜通しいる場合は+1,500円必要となりますが、ホテル滞在と比較するとリーズナブルです。
また、カプセルホテルもあり、ベースタリフでは大人で4,500円、デイユースで2,000円となっています。デイユースが肝であり、海外発券の成田でストップオーバーしない場合はこの温泉で鋭気を養い次のフライトに備えることができそうです。
また、併設してAnytime Fitnessもあり、会員であれば、先に運動して脂肪を燃焼して、温泉で筋肉疲労回復と余った汗を流して、飛行機に乗ればエコノミーでもぐっすり眠れそうです。
このように首都圏空港では大規模な温泉施設が相次いで開業し、飛行機旅に一石を投じることとなるかもしれません。
最上級会員で航空会社ラウンジに長期滞在するよりも、温泉で余計な老廃物を流して、ラウンジで至高の一杯を飲み干して、ビジネスクラス機内で食欲を満たして、ぐっすり到着前まで寝ると言うのがもっとも精神的にも肉体的にもベストな過ごし方となるかもしれません。
空港温泉モデルの先駆け
前述のように飛行機に搭乗する前に温泉に浸かり、すっきりして飛行機に搭乗すると座席の狭さがあっても実施していると眠気が襲い、寝落ちると飛行時間を短く感じます。
羽田や成田でこうした体験を創出するに至るには荒唐無稽な妄想からではなく、きちんとした先駆けのモデルがあったからと言えます。
新千歳空港
新千歳空港温泉ホームページより
新千歳空港は数十年前から日本一の需要のある空港でしたが、政府のインバウンド政策によりその利用者増が拡大しています。そうした中で、新千歳空港には札幌に一刻も早く送客するのとは相反して、空港満足度を上げる温泉施設があります。
名称はそのまんまんの「新千歳空港温泉」です。大人日帰りでは1,500円です。深夜滞在の場合は1,500円プラス加算されます。
一方で朝風呂(午前5:00~8:00 ※最終受付7:30)は800円とリーズナブルです。レンタカーの返却時間などによっては魅力的かもしれません。
同施設は結構広く、宿泊施設もありますが、年々夜間は混雑が増し、ここを当てにしてきても入れないケースもあります。
空いていれば、温泉と広いサウナを繰り返しながら、デトックスができます。
個人的には、数年前、スイートラウンジに搭乗2時間前にアクセスし、1時間経過した時点で対象のフライトが3時間遅れると言い渡され、ラウンジを出て同温泉に言った記憶があります。
2時間サウナで脱アルコールをして、再びラウンジで飲んで、機内では熟睡して次の日が快適だった記憶があります。
中部国際空港(セントレア)
セントレアホームページより
中部国際空港(セントレア)の非制限区域には日帰り温泉施設「風(ふう)の湯」があります。
営業時間は8:00~22:00(最終受付 21:00)であり、24時間ではありません。また、メンテナンス休業日もあるので気になる人はオリジナルサイトをチッェクしてみてください。
利用料は大人一人955円(税抜)と銭湯よりは高いものの、旅先プライスとしてはリーズナブルです。
個人的に利用した感想ではドライサウナはきちんとしており、サウナ後は水風呂の後に、飛行機の見えるオープンデッキで冷まして再び、サウナというサイクルが可能であり、なかなかです。空港直結のホテルに泊まりつつも、同施設を利用した記憶があります。
新千歳とセントレアの成功体験が東京の2空港への温泉施設の開業に起因しているのは自明であり、日本文化を全身で体験できる温泉はいい旅の記憶にもなります。再び日本に来る要因として有効かもしれません。
空港と温泉はベストパートナーとも言えます。
主な空港の温泉スポット
以上のように空港直結以外でも日本の主要空港でも近くに温泉施設があり、まとめてみました。
関西空港
関西空港自体は海を埋め立てた土地であり、温泉はありませんが、対岸で再開発された(ずいぶん前ですが)りんくうタウンには温泉(厳密には違いますが)施設があります。
施設名は「りんくうの湯」であり、【土日祝】朝7時~夜1時(最終受付 夜12時)のオープンとなっています。平日は朝9時からです。
入浴のみの場合大人一般で620円とリーズナブルです。
アクセスは関西空港からの場合、JRでも南海でも長い橋を超えるためか片道370円かかります。往復だと740円と「りんくうの湯」と合わせると1,500円ぐらいかかります。
温泉の特徴としては、人口ではありますが、サウナはかなり高温であり、サウナマニアにはたまらないと言えます。また、午前中からロウリュウサービスがあるため、汗をドップリ流すことができます。
また、サウナにはテレビがあり、大阪オリジナルの番組を結構見てしまうため、汗を流す時間を忘れるのがメリットかもしれません。
個人的には香港に行く際、ラウンジが利用できてLCC並みのエアインディアで利用する前に同施設を利用しました。
ポイントとしては、エアインディアはインド発時点で大概、遅延するため、事前に遅延の情報を察知できるます。
スマホで遅延情報を含めてエアインディアが関西に到着するまでをトレースできるので、その分を温泉に滞在して乗り継ぎを満喫することができました。
今はエアインディア関西便が廃止されたため、そうしたことはできないですが、いい経験でした。
福岡空港
月の湯ホームページより
福岡空港は市内まで地下鉄が直結しており、市内に行く時間が短いので、温泉の存在など気にしないかもしれませんが歩いても行ける温泉もあります。
「月の湯」は空港からもっとも近い日帰り温泉施設であります。徒歩で15分であり、夏場の復路は折角の湯上りが汗まみれになる可能性もあります。
タクシーには帯短、襷長でありますが、利用してもいいかもしれません。月の湯の利用料は一般会員の土日で770円とリーズナブルです。深夜料金+110円とこれまたリーズナブルです。設備自体は経年感があるものの、サウナは熱く、水風呂もあり、すっきりするには適していると言えます。
福岡からシンガポールや札幌に行くなど、これから長距離フライトが待ち構えている場合にいい体験かもしれません。
月の湯から空港の往復を歩くと程よい距離なので健康的かもしれません。
那覇空港
瀬長島温泉ホームページより
那覇と言えばマイル修行の聖地である一方で、食べるのが楽しみの中心の場所でもありました。
そうした、沖縄でも瀬長島に温泉ができてからは結構変化が起きています。瀬長島は那覇空港の南に位置し、空港からは車で15分程の場所です。最近は那覇空港から有料の路線バスもあり、ますます便利です。
瀬長島温泉「龍神の湯」は基本的にホテルの一部の施設ですが、日帰りで利用できます。
利用時間は6:00~24:00(23:00最終受付)であり、利用料は土日祝1,570円 ※入湯税・消費税込とちょっと高めですが、天然温泉とサウナが利用できるのは結構価値があります。
露天風呂は深くほぼ立っているような姿勢で、海を眺められます。サウナにはテレビが設置されており、日曜の午後では映画が放送されていることがお多く、過去4回日曜日利用しましたが、結構見てしまい、サウナが捗ります。
以上のように、日本の空港の近くには温泉が近く、服を脱いで、汗を流して、リラックスできる場所が多いのも特徴です。
アジアでは
日本を離れてアジアでは温泉はどうか見てみます。温泉があるのはレアであり、日本に近い韓国ではそうした設備があります。
韓国・仁川空港
ソウルの玄関口である仁川空港のターミナル1には以前から温泉施設がありました。一時期閉鎖されていましたが、現在は復活しています。
ターミナル1の出国後のエリアの地下1階にあります。基本的には24時間営業でありますが、短時間の利用がメリットはありそうです。
名称は「SPA ON AIR」です。2時間利用では7,000ウォンと格安です。設備としてはジャグジーありの湯壺と洗い流すシャワーブースの構成となっています。
以前は日本並みに大きな浴槽とサウナがありましたが。固定費がかさむのかダウンサイジングしています。
湯壺はiPhone11proのカメラのような円形の浴槽が3つあります。汗を流したい、とにかくきれいにしたい人にはいい場所であります。
シンガポール・チャンギ空港
シンガポール・チャンギ空港自体にはプールはあるものの(これもすごいですが)温泉はありません。しかし、タクシーやGrabで15分程移動すれば、温泉施設があります。
名称は「湯の森温泉」であり、日本の温泉を再現した浴槽やドライ・スチームサウナがあります。
利用料は日本円換算しても高いですが、利用客はゆったりしており、温泉場から休憩場まで比較的ゆったりできるのがいいところでもあります。
サウナは少し温めですが、水風呂は冷たく快適です。
シンガポールタッチの際は結構行くことが多く、湯上りの昼寝が楽しみとなります。
タイ・バンコク・スワンナプーム空港
バンコク・スワンナプーム空港には温泉はありませんが、市内には日式の温泉があります。シンガポール系列と同じで名称は「湯の森温泉」です。
同施設は最近改装しており、サウナの目の前に水風呂ができ、快適でありますが、利用客は急増しており、以前のように湯上りに迷うことなく、仮眠場所で倒れることはできなくなっています。人気なのでしょう。
温泉は一流ですが、マイル修行の合間疲労回復としては、往復に時間がかかるため、ちょっと厳しいかもしれません。バンコク滞在時には良いかもしれません。
最後に
飛行機と温泉はこれまで縁のないものでしたが、健康や時短など考えると飛行機搭乗前に温泉で体をほぐすのはとても素晴らしい体験です。
すべてが天然温泉というわけではありませんが、お湯で温まる効果は大きいと思います。エコノミーのジッとした姿勢に備える、ビジネスクラスでは自然と眠くなることが人間として至高な世界とも言え、それを実現させてくれる温泉は貴重な存在かもしれません。
これからはフライト前に温泉で体を整えると言うのが常識になるかもしれません。