ためたマイルで世界一周するメリットは高額なビジネスクラスやファーストクラスにタダで搭乗できる点ではありますが、特典枠が少なく空席がなかったりするとルートを決定するのが大変です。また、世界一周となると多くの都市を訪れ、たくさんのフライトに搭乗するため、空港税や燃油サーチャージも膨らみ、巡る都市が多いと1人当たり10万円を超えることもあります。
そこで、今回はLCC(格安航空会社)を利用して、世界一周を検索してみました。
はじめに
LCCが安そうな11月から12月にかけて検索しました。目的地はハワイとヨーロッパとアジア(タイ)を経由するルートとしました。ハワイでは1週間ほど滞在します。トータル3週間の日程で検索してみました。
日本からハワイに
エアアジアとは
エアアジアホームページ
マレーシアの航空会社で1993年にTune Airとして設立され、グループ9社で、アジア太平洋地域の24カ国120都市以上に就航しています。アジア最大の格安航空会社であり、スカイトラックス社の「ワールド・ベスト・ローコスト・エアライン」を9年連続で受賞しています。
運賃を検索してみた
日本(大阪・関西空港)からハワイ・ホノルルまではエアアジアを利用します。金曜日の夜に出発し、同じ日の正午過ぎにホノルルに到着します。運賃は片道で22,520円。預ける荷物や足元の広い座席を指定すると1万円くらい高くなりますが、それでもフルサービスキャリアと比較するととても安いです。最近、スクートが同じく関西=ホノルル間に2017年中に就航させると発表しており、エアアジアとスクートとの競合により、運賃が安くなることに期待したいと思います。
ハワイからヨーロッパに
ホノルルからヨーロッパ(ロンドン)までは、カナダのLCCであるウエストジェットを利用します。
ウエストジェットとは
ウエストジェットホームページ
カナダ第2位の航空会社で、1996年に設立されています。カルガリー国際空港(YYC)とトロント・ピアソン国際空港(YYZ)をハブ空港として、国内の主要都市ほとんどに就航しているほか、国外へもアメリカ(ハワイ含む)、メキシコ、カリブ海諸国、アイルランド、イギリスに就航しています。機材はすべてボーイング製であり、ナローボディのボーイング737型機が主流ですが、長距離線ではボーイング767型機も保有しており、機内ではWi-Fiサービスも提供しています。
運賃を検索してみた
ホノルルを深夜飛び立ち、翌朝バンクーバーに到着し、90分の乗り継ぎでトロントに向かいます。4時間30分の乗り継ぎで、ワイドボディ機のボーイング767でロンドンガトウィック空港(LGW)に向かいます。運賃は335.2USドル(日本円で37,241円、1USD=111.1円で計算)です。ホノルルからカナダ・米国東海岸へのルートは競争が激しいのか、フルサービスキャリアのエアカナダでも同水準運賃が出てきたりします。エアカナダの同区間の最安予約運賃クラスはKクラスでANAマイル加算率は50%ですが、カナダ国内線区間は0%加算のほか、ホノルルとバンクーバー間はエアカナダルージュが運航のため、マイル加算がされません。このほか、ユナイテッドも安いですが、他荷物の扱いなどの運賃注意規則に注意が必要です。
今回は、一気にロンドンまでの検索をしましたが、あと1万円ほど追加すれば、トロントでの滞在も可能ですので、ナイアガラの滝の観光もできます。
ロンドンからベルリンに
ロンドンに1泊滞在した後に、ベルリンに向かいます。この区間では、ライアンエアーを利用します。
ライアンエアーとは
ライアンエアーホームページ
ライアンエアーとはアイルランドに本拠地を置く、格安航空会社で1985年に設立されています。ハブ空港はロンドン・スタンステッド空港、ダブリン空港、ミラノ・ベルガモ空港、ブリュッセル・サウスシャルルロワ空港として、ヨーロッパ最大の格安航空会社でもあり、国際線旅客数としては世界最大の航空会社でもあります。
運賃を検索してみた
ロンドン・スタンステッド空港からベルリン・シェーネフェルト空港へのフライトで搭乗時間は1時間50分で、運賃は19.99英ポンド(日本円で2,909円、1ポンド=145.5円で計算)です。ベルリン・シェーネフェルト空港は鉄道駅も直結しているため、ベルリン中心部までのアクセスも便利です。
ベルリンからタイ・バンコクに
ベルリンで2泊滞在後、アジアに向かいます。バンコクまでのフライトはノルウェー・エアシャトルを利用します。
ノルウェー・エアシャトルとは
ノルウェー・エアシャトルホームページ
名前の通りノルウェーを本拠地とする格安航空会社で1993年に設立されています。ハブ空港はオスロ空港、ベルゲン空港、スタヴァンゲル空港、コペンハーゲン国際空港、サンデフィヨルド・トルプ空港、ヘルシンキ・ヴァンター国際空港、トロンハイム空港、ストックホルム・アーランダ空港、ヨーテボリ・ランドヴェッテル空港と北欧の主要都市をカバーしているほか、ヨーロッパ各都市、北米・東西海岸、そしてバンコクなど110都市以上に就航しています。また、長距離便ではボーイング787型機を使用し、機内Wi-Fiやシートテレビのサービスも提供しています。
運賃を検索してみた
朝、ベルリン・シェーネフェルト空港を出発し、ノルウェー・オスロ空港で乗り換えをし、翌朝バンコク・スワンナプーム空港に到着します。運賃は269.78ユーロ(日本円で35,071円、1ユーロ=130円で計算)です。ノルウェー・エアシャトルはフライトのキャンセルも多いようなので、バンコクでは多めの滞在に設定しています。
タイ・バンコクから帰国
最後の帰国フライトはスクートを利用します。
スクートとは
スクートホームページ
2011年11にシンガポール航空の出資により、長距離国際線を運航する格安航空会社として設立され、シンガポールを本拠地としています。ハブ空港はシンガポール・チャンギ空港で、北は札幌、南はオーストラリア各都市、西はアテネと約60都市就航しています。2017年7月には同じくシンガポール航空から出資を受けていたタイガー・エアーと経営統合しています。機材は最新のボーイング787型機を保有し、日本へのフライトも同機が就航しています。
運賃を検索してみた
バンコク・ドンムアン国際空港から関西空港までの直行便で関西空港には夕方5時前に到着します。帰国して居酒屋にも行けそうです。スクート866便はシンガポールからバンコク・ドンムアン国際空港を経由して、関西空港に向かう経由便で、バンコク・ドンムアン国際空港から以遠権区間であり、機材はボーイング787と新しい機材です。運賃は16,826円です。
ルートをおさらい
以上のルートをまとめてみると以下の通りです。
旅程 | ||
11/24 | KIX-HNL | エアアジア |
12/1 | HNL-YVR |
ウエストジェット
|
12/2 | YVR-YYZ | |
12/2 | YYZ-LGW | |
12/4 | STN-SXF | ライアンエアー |
12/6 | SXF-OSL |
ノルウェー
エアシャトル |
12/6 | OSL-BKK | |
12/13 | DMK-KIX | スクート |
運賃は総額11万4千円とジャスト10万円とはいきませんが、10万円ちょっとで世界一周ができます。LCCは現在世界各地で色々な会社が存在しており、マイル加算や上級会員修行といったしがらみがないため、今回のルート以外にも色々と選択ができ、予算も大きく超えることなく選択できます。
LCC名 | 区間 | 金額 | |
AirAsia | 関西 | ホノルル | 22,520 |
WESTJET | ホノルル | ロンドン | 37,241 |
RYANAIR | ロンドン | ベルリン | 2,909 |
norwegian | ベルリン | バンコク | 35,071 |
SCOOT | バンコク | 関西 | 16,826 |
合計 | 114,567 |
北米での滞在や東欧、中東の訪問も今回紹介したLCC以外にもあるため、低予算で実現可能です。もちろんフルサービスキャリアでも安い区間があるため、それを活用するのも手段の一つです。
LCC利用の注意点
注意点としては欠航の際の宿泊費や食費などは自分で用意する必要があることと、LCCは基本的に片道発券なので、国から国へと移動し、入国する際にその国から出国するチケットの提示を要求されるケースもあるので、入国前に出国用のチケットを購入しておいた方が良いと思います。また、荷物がある場合は費用が掛かりますので、荷物をコンパクトにして手荷物に抑えるか荷物の費用を見ておく必要があります。
最後に
フルサービスキャリアでのビジネスクラス、ファーストクラスでの世界一周も快適でよいですが、LCCは多くの都市に就航しているため、本当に世界各地に訪問可能で、しかも予算も低予算で実現可能です。エコノミー長距離フライトが嫌であれば、時間をかけて、「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」あらため、「LCC短距離フライト乗り継ぎの旅」で世界一周もよいのではないかと思います。