スターアライアンスホームページより
先日、スターアライアンス世界一周運賃のルールが改定されたニュースを知り、スターアライアンス世界一周運賃を利用しない、ビジネスクラスでの世界一周を考えてみました。
スターアライアンス世界一周運賃
概要
スターアライアンス世界一周運賃とは、スターアライアンス加盟28社を利用して、最低2回の途中降機と太平洋と大西洋の両方を横断することを条件とした、いわば後戻りのない周遊運賃です。東回りでも西回りでも可能であり、出発前、出発後の予約の変更も可能です。ただし、座席数に制限があり、人気路線では旅程を組むのに苦労する場合もあります。
今回のルール改定
今回のルール改定では、最低の途中降機が3回から2回にダウンしており、弾丸世界一周がより可能となりました。途中降機とは簡単にいうと乗り継ぎ地点で24時間以上滞在することを言います。例えば、香港で2時間の乗り継ぎでも、香港に夕方到着して、ホテルに宿泊して、翌日昼に出発しても途中降機とはなりません。ちなみに途中降機ができる最大数はノーマルで15となっています。
最低・最大利用日数
最低利用日数は下記の通りです。
ファースト・ビジネス・プレミアムエコノミーは10日間(オーストラリア、ニュージーランド発制限なし)。ノーマルエコノミーは3日間となっています。このほか、細かい条件があり、詳細を把握しないときちんとした旅程が組めない、かなり難易度の高いチケットです。最大利用日数はどのクラスも1年間となっています。
運賃
運賃は、総旅程のマイル数とファースト、ビジネス、プレミアムエコノミー、エコノミーのクラスごとに分かれています。運賃は下記の通りです。
この運賃には、燃油サーチャージ、空港税、航空保険料などは別途加算されます。
意外と手数料がかさむ
先述のように燃油サーチャージ、空港税、航空保険料などは別途加算されるほか、特定便(シンガポール航空の特定の機材の予約クラス(D))に搭乗の場合は、別途サーチャージがかかります。
- 例えば、東京=シンガポール間のシンガポール航空のボーイング777-300ERまたはエアバスA380-800のビジネスクラスに搭乗の場合、区間あたり300USDのビジネスクラスサーチャージが別途必要となります。
- 長距離路線となれば、さらに追加費用が発生します。また、アシアナ航空においても、A380-800やボーイング777-300ERや777-200LRのビジネスクラスにおいて、予約クラスDでの利用場合は、同じくビジネスクラスサーチャージが別途必要となります。
- 最低距離のエコノミークラスで35万円ほど支払えば、好きな時に好きなところに自由にこれ以上お金がかからず移動できるわけではありません。
予約クラス他
ANAマイレージクラブでの加算率はおおむね、ファーストでは150%、ビジネスでは125%、プレミアムエコノミーでは100%、エコノミーでは50~70%であります。
しかし、加算されないフライトもあったりするため、事前に予約クラスを確認のうえ、発券をした方が良いと思います。
このほかにも、発券国により、途中降機できる最大数や日本人にはあまり関係ありませんが、キューバ発券では利用できないほか、コードシェア便でも利用できるフライトとできないフライトがあります。
スターアライアンスの世界一周運賃の半額のビジネスクラス旅程
前提
今回はスターアライアンス世界一周のビジネスクラス最安の(STAR1 29,000マイル以内)の運賃である705,500円と比較してみました。人気の観光地を巡るルートとして、バンコク、パリ、ハワイを行く旅程として検索してみました。ルートは下記の通りです。
旅程
新年度の始まりの4月1日に出発し、エアチャイナにて北京経由でバンコクに行きます。
バンコクで3泊して、4月4日にパリに向けて出発します。航空会社はエアインディアを利用し、デリーでの乗り継ぎが1時間とエアインディアとしては少々不安ですが、二回とも最新鋭のボーイング787型機利用でパリには同日夕方6時に到着します。
折角のヨーロッパのため、大西洋を渡るまで1週間滞在します。パリからの出発ではなく、オランダ・アムステルダムからの方が地上移動(タリス)費用を考えても安いため、アムステルダムから出発します。
1週間の間に、フランス、ベルギー、オランダ、ルクセンブルグの各国の名所を放浪しながらアムステルダムに行くのも良いと思います。
アムステルダムからはTAPポルトガル航空でカナダ・トロントに向かいます。アムステルダムを昼下がりに出発し、トロントには同日の夜9時に到着します。
トロントでは、3泊して、市内やナイアガラの滝、時間があれば、高速バスで近隣の名所を楽しみます。
そして、次はハワイに向かいます。ハワイへはユナイテッド航空のアメリカ国内線を利用し、向かいます。
トロントを早朝出発し、シカゴとロサンゼルスを経由し、同日夜にホノルルに到着します。シカゴの乗り継ぎ時間は1時間ほど、ロサンゼルスは4時間弱で、機材は小型機が続き、少々狭いですが、ファースト、ビジネスクラスを堪能できます。
ハワイでは、2泊して、現地4月16日に日本に戻ります。利用する航空会社は日本を出発する時に利用したエアチャイナを利用し、ソウル・仁川空港を目指します。
いずれの機材もエアバスA330-300であり、ゆったりと機内で過ごせます。ソウル・仁川には、4月18日昼に到着し、金浦空港に移動し、ANA便の最終便で羽田に22時過ぎに到着し、世界一周が完了します。
運賃・マイル・プレミアムポイント
運賃と獲得マイルとプレミアムポイントは下記の通りです。
運賃
運賃は総額、日本円換算で556,034円とスターアライアンス世界一周運賃よりも安くなります。同じ旅程を辿った場合、スターアライアンス世界一周運賃では、税金やサーチャージが加算され、80万円超となるため、海外発券を組み合わせた方が25万円以上安く計算となります。
積算マイル
積算マイルは28,796マイルであり、ANAマイレージ一般会員として算出したため、ANAとユナイテッド航空区間は通常の加算マイルとし計算していますが、ANAのプレミアムメンバーであれば、もう少し加算されます。マイルはmilecalc.comにて算出したため、若干異なる場合があります。
プレミアムポイント
プレミアムポイントについては、ユナイテッド航空区間は予約クラスがPのため、70%加算となりますが、その他区間は125%加算とフライト毎に搭乗ポイント400ポイントが加算され、トータルで32,870PP加算されます。PP単価は16.92円と良くないですが、オール片道ビジネスクラスの連結としては安いと言えます。
最後に
今回はスターアライアンス世界一周運賃の比較として、世界一周のルートとして片道の運賃で組み合わせてみました。
日本から東南アジアに行き、大西洋を横断して、再び大西洋を戻るルートではもう少し安くできたりします。
また、割高な区間を片道で特典航空券を利用できるマイレージプログラムを利用して、コスト削減することも可能です。スターアライアンス世界一周運賃は一連で発券できるため、何かトラブルが発生しても、そのあとの対応がフレキシブルです。
片道航空券の組み合わせは、トラブルの対処を自己管理する必要があるのが大変ですが、片道航空券はフレキシブルなものが多いので、事前に下調べのうえ、組み合わせるのが良いと思います。
スターアライアンスホームページより