ANAマイレージクラブ会員規約改定が発表され、スーパーフライヤーズにどんな影響があるのか考察してみました。
ANAマイレージクラブ会員規約改定
ANAでは2022年1月11日にホームページにお知らせとしてリリースしています。規約改定の概要は下記のとおりです。
規約改定の概要
今回の改定では主に規約への追記が行われているほか、規約に関しての内容の明確化が行われています。
具体的な箇所は下記のとおりです。
第2条 定義
第4条 会員資格の発効
第10条 マイルの有効期限
第17条 ANAプライバシーポリシー
第26条 プログラムの変更
第2条の定義については後程詳細を記載します。他の箇所についてみてみると、第4条は会員番号およびパスワード等を第三者に利⽤させて、譲渡、売買、質入、貸借等を行うことはできないことを明記しています。また、、会員番号およびパスワード等の管理不⼗分等によって発生した損害に対する責任はないという事を追記しています。
第10条の有効期限については、最⼤ 36 カ月後の月末(日本時間 23:59)まで有効と青字部分を追記しています。
第17条では、スターアライアンスの各特典を提供するにあたり、スターアライアンス加盟各社に氏名、会員番号、会員ステイタス等の情報を提供するという内容を追加しています。なんとなく、セキュリティ事故から追記したことが想像されます。
第26条 ではプログラムの変更について追記されており、特典の内容、積算マイル数、マイルの積算条件、特典へ交換するために必要なマイル数等を任意に定め、予告なしに変更する権利を有するというのはこれまでと同じですが、「利⽤者等の⼀般の利益に適合する場合、または、変更に係る事情に照らして当該変更が合理的な範囲において」が追記されています。何かやり過ぎた事案を指摘されたのでしょうか。
改定日
改定日は下記の日程となっています。
2022年4月11日(月)
前回は2019年12月18日であり、2年4か月程度で新たに更新されることとなります。
AMCの各会員・メンバーの定義が追加
そして、一番気になったのが第2条において、ANAマイレージクラブのプレミアムメンバーやスーパーフライヤーズ会員、そして、スターアライアンス・シルバー、スターアライアンス・ゴールド会員について、新たに追記ではありますが、改めてと言った方が良いような追記がされてます。
新たに定義されたメンバーは下記のとおりです。スカイコインについての定義についても追記されていますが、今回は省略します。
プレミアムメンバー
「ダイヤモンドサービス」メンバー、「プラチナサービス」メンバー、「ブロンズサービス」メンバーの総称
スーパーフライヤーズ会員
本規約および ANA スーパーフライヤーズ会則に準じる会員。弊社が定める条件を達成し、所定の申込を⾏うことによりスーパーフライヤーズ会員となることができる 。
スター アライアンスゴールドメンバー
スター アライアンスに加盟する航空会社の運航便を⾼頻度にご利⽤いただいているお客
様で、所定の条件を満たした場合に付与されるステイタス。ANAマイレージクラブでは、「ダイヤモンドサービス」メンバー、「プラチナサービス」メンバー、「スーパーフライヤーズ会員」の条件を達成したお客様が該当する。
スター アライアンスシルバーメンバー
スター アライアンスに加盟する航空会社の運航便を⾼頻度にご利⽤いただいているお客
様で、所定の条件を満たした場合に付与されるステイタス。ANAマイレージクラブでは、「ブロンズサービス」メンバーの条件を達成したお客様が該当する。
メンバーと会員という二つの表現をしているのはちょっと不思議でありますが、そこに何か鍵があるのかもしれません。
改めてステイタス別メンバーを定義した理由
こうしたメンバーを定義した理由は開示されていないため、わからないというのが正解ではありますが、理由を考察してみました。
おそらく、コロナ禍で国際線の搭乗する機会がなくなり、元来のステイタス会員になるための達成基準では予定していたステイタス別のメンバー構成が瓦解してしまい、それを保護するために各種施策を実施したのですが、それが複雑化を招いてしまったことがあるとも見えます。
こうした複雑化は既存ステイタス会員でもそうでない会員にも特別対応で2倍のプレミアムポイントが付与されたり、飛行機利用に加えて、飛行機以外のサービス利用(ライフソリューションサービス利用)組み合わさったことが挙げられます。
また、特定の法人の社員向けにバラマキでステイタス会員を提供した結果、永久的にNH*GとなるSFCカードに申し込みしようとした際に、それが実現できず、不満に思う人が規約で明記されているのかとクレームを発したなとが想起されます。
加えて、スーパーフライヤーズ会員があたかも永久的にプレミアムメンバーサービスを受けられるプレミアムメンバーであるような印象に導いてきた潮流を新たな流れの前に整理したかったのかもしれません。
スーパーフライヤーズ会員に対するサービスへの影響は
規約の変更があるとすぐにサービス低下への布石と感じてしまいますが、スーパーフライヤーズ会員のビジネスモデルを考えると、クレジットカードの年会費が毎年ストックとして入ることを考えるとわざわざサービスを改悪して、会員を減少させるようなことはしないと思います。
SFC修行と言われるくらいで獲得したSFCカードは普通のANAカードよりも貴重な存在であり、解約率は低そうですし、修業でなく、偶然にも仕事が忙しく、そうした機会を得て、SFCカードを作った人も年会費を考えてもなかなか、捨てる人はいないと感じます。
一般カードほど無印と年会費に差があり、プレミアムに行くほど差がなくなるので、年会費ストックが大きいのかもしれません。
ただし、昨年からチャレンジとして始まり、2022年から正式なステイタス獲得条件に加わったライフソリューションサービス利用を積極的に活用する層がてでくると、一時的には今回新たに定義されたプレミアムメンバーが増えてくると予想されます。
そうすると、SFCカードのメリットを年会費以上に元を取るようなサービスの受け方をしてきた人には窮屈と感じ、改悪感は増すかもしれません。
それでも、ANAとしてはSFCカードの年会費を値下げしたりする事はないでしょう。むしろ、カードを使うとプラチナ会員などに近づくことを訴求し、誘引策を出すかもしれません。
最後に
これまではアジアの需要の取り込み、需要が増えれば増えるだけ、飛行機を大きくしてカバーして、サービスもラウンジなどを拡張して、「どんどんやりまっせ」と言うところでSFC会員を増やしてきたようにも見えます。
今後、こうしたニーズが20年連続で続くのであれば積極的に過去のようなやり方に再び舵を切りなおす可能性もあるでしょう。
しかし、コロナ禍に焦点を合わせていた間にそれ自体の影響は一番大きいのですが、SDGsで取り組まれていることが現実化し、「どんどんやりまっせ」時代はないと言えます。
そう考えると、「どんどんやりまっせ」時代にネットを活用して拡散したスーパーフライヤーズについては、そのサービスレベルは変わらずとも、相対的にそのサービスを年会費以上と実感するかどうかはわからなくなってくるかもしれません。
そうした未来も選択肢として、今回fはメンバーをあたらめて定義したのかもしれません。
そういえば、ミリオンマイラーは定義されていないのは疑問ではありますが。