ステイタスポイントを積み上げるマイル修行ですが、運賃の安さなのか、積算率なのかフライト回数なのかフライト距離なのか、実際のビジネスクラスの運賃で比較検討してみました。
欧州から東京往復としては20万円と安いANAビジネスクラス
上記の運賃はノルウェーのオスロ発券のANAのビジネスクラスとなります。オスロにはANAは就航していないため、ドイツのフランクフルトで乗り継ぎとなります。
フランクフルトから羽田、そして羽田からフランクフルトは夜行便となり、最新型のビジネスクラスTHE Room仕様機となります。
運賃・予約クラス・プレミアムポイントは下記のとおりです。
運賃 217,820円
予約クラス Pクラス(NH便70%+400PP、LH便70%のみ)
プレミアムポイント 10,092PP
PP単価 21.58円/PP
この単価だと欧州発券(出発地は異なりますが)ファーストクラスの単価の方がよく、そちらの方が魅力的に感じてしまうくらいです。
国内線区間2区間を追加すると
往復20万円ですが、PP単価は20円台とあまりに高いので、プレミアムポイントを稼げる国内線を2区間つけてみます。羽田到着した日に日帰りで那覇往復です。
運賃は227,740円となり、プレミアムポイントは国内分3,936PPが追加となり、トータル14,028PPとなります。PP単価は16.23円/PPまで改善します。
さらにプレミアムクラスにアップグレードすると
プレミアムクラスに当日に空いている場合に往復ともにアップグレードすると国内区間の積算率が+50%となります。すなわち国内区間がプラス1,968PP積算され、トータルのPPは15,996PPとなります。
しかし、アップグレードにはお金がかかり、当日アップグレードは一区間15,000円かかるため、往復では30,000円となり、トータルコストは257,740円となります。
PP単価は16.11円/PPとわずかに良くなります。
プレミアムポイントは約2,000PP増えたものの、単価はほぼ変わらず、プレミアムクラスにアップグレードすることはただの贅沢のなってしまいそうです。
燃油サーチャージがなくなるとすると
ANAでは2020年6月から7月発券分については燃油サーチャージを徴収しないこととしており、仮に6月に発券した場合は燃油サーチャージ分の29,140 円がなくなることが考えられます。運賃の値上げがないとするとその分がコストダウンに働き、下記のとおりです。
257,740-29,140=228,330円
プレミアムポイント 15,996PP
PP単価 14.27円/PP
PP単価で有利な国内線をアドオンしても、燃油サーチャージがフリーとなる絶好の機会が来ても、結局は14円台と70%積算は単価が劇的に改善しないので、ビジネスクラスの快適性とプレミアムポイント大量積算という一挙両得とはならないようです。
航空会社を変えると大きく変化
上記は航空会社と日程をちょっと変えてみた場合です。シンガポール航空とスカンジナビア航空を利用し、オスロを出発し成田に向かい、羽田からオスロに戻るルートです。
オスロ、コペンハーゲン、シンガポールを経由して成田に到着するため、トータルの移動時間は半日近く余計にかかります。
復路については土曜日の未明か金曜日の夜遅いかの違いとなり、出発時間に大差はありませんが、シンガポール、ロンドン、オスロとなるため、こちらも半日近く時間は余計にかかってしまいます。
時間がかかる一方で、運賃は272,169円となります。予約クラスはSK便がZとDクラス、SQ便がDクラスとなり、いずれも125%積算の各フライトに搭乗ポイント400PPも付与されます。トータルのプレミアムポイントは28,159PP、PP単価は9.67円/PPとなります。
ANAの安いビジネスクラスに拘って、あれやこれや万策を尽くすよりもPP単価は3割以上良くなります。積算率と距離が一番大きな要因と言えます。
最後に
70%加算の安いビジネスクラスは最新型のビジネスシートを利用できますが、万策をしても単価はあまり改善しません。こうしたことに労力をかけるよりも、より積算率の高い航空会社や発券地を探す方が良いかもしれません。
マイル修行(とくに大量のステイタスポイントを獲得する必要があるダイヤモンド修行など)で旅程を決める場合には、コストが第一でありますが、そのコストがどれくらいのステイタスポイントをもたらしてくれるかが重要であります。
それは掛け算のクラス積算率とベースとなるフライト距離が重要とも言えます。
次いで、ANAのプレミアムポイントの場合、スターアライアンス各社運航便でも100%以上の積算率の場合はフライトごとに搭乗ポイントも付与されるため、回数が重要となってきます。
安さにこだわるだけでなく、時には効率を見てアクセルを大きく踏んで、手を打つのもマイル修行では必要かもしれません。