大韓航空のボーイング747-8iのビジネスクラス「プレステージスイート」にソウル仁川からローマ・フィウミチーノまで搭乗しましたので、お伝えします。
ボーイング747-8とは
ボーイングホームページより
ボーイング747-8とは最新型のジャンボ機であります。旅客機タイプは747-8IC、貨物機タイプは747-8Fと呼ばれています。
ICはインターコンチネンタル略であり、大陸間を飛ぶ長距離便に利用されることを想定してつけられたのでしょうか。
先代のボーイング747-400との違いは胴体が長くなり、主翼は新開発、エンジンはGE製のみでボーイング787にも搭載されているGEnxシリーズであります。
旅客機タイプの747-8ICを導入している航空会社はルフトハンザドイツ航空と中国国際航空(エアチャイナ)、そして、大韓航空です。
大型機としてはエアバスA380-800の方が、知名度も導入している航空会社も多いものの、ディスコンが決定しており、ボーイング747-8も同じ運命をたどるのかもしれません。
ただし、同機は次期アメリカ大統領専用機に選定されており、計画通り導入されれば、しばらくは世界中で目にすることができそうです。
プレステージスイートは大韓航空最高峰のビジネスクラスシート
大韓航空のワイドボディ機に設置されている3種類あります。
プレステージプラスはライフラットタイプ、プレステージスリーパーはフルフラットタイプであります。
しかし、いずれも2-2-2配列または2-3-2配列であり、窓側の利用者は通路側の利用者を跨ぐ必要があります。
しかし、プレステージスイートは座席が互い違いに配置されているため、窓側でも通路側の人を気にすることなく、通路にアクセスできます。
同社において、プレステージスイートは最高峰のビジネスクラスと言えます。
ソウル=ローマ搭乗記
搭乗
KE931便は3クラス制であり、ファースト、プレステージ、エコノミー3クラスです。す。ファーストクラスは1階最前方、プレステージは1階前方と2階すべてです。
プレミアムチェックインカウンターを利用し、その後、マイラークラブ・ラウンジ利用後に搭乗となりました。
スイートシート
今回はシートグルがおすすめの18J席を選択しました。
1階のプレステージ席をとおり、階段を上ります。
2階席2-2配列で独特な空間であります。
18Jの前は非常口のため、広々としており、他の座席よりもアクセスが快適であります。
シートは20.1インチとビジネスとしては標準的ですが、ジャンボ機の2階席は窓側が広くなっているため、想像以上に広さを感じます。
窓の下は荷物入れとなっており、利用しない時の枕やブランケット等を収納できるため、広さの相乗効果を出してくれます。
トータル4つの窓を占有とファーストクラス並みであります。
通路側の隣席を見ると視線が合わないようになっています。ちなみに、隣席の通路側は空席であったため、撮影してみると窓側の座席の方が圧倒的にスペースは広いです。
前にシートのないこともあり、オットマンが大きいです。
大きくて良いのですが、脚が届かないくらいです。
電源は左側側面についており、ユニバーサルタイプです。USBポートも左側についており、肘掛下についています。
シートコントローラーは高級感のあるボタンであり、すべて電動となっています。
隣席とのパーティションも電動で上げ下げできます。動作は下記のような感じです。
シートモニター
シートモニターは17インチですが、シートから距離があるため、小さく見えます。タッチパネルではありますが、シートコントローラーが役に立ちます。
機外カメラが設置されており、シートモニターで前方と下方を見ることができます。
アメニティ
ブランケット、枕、ノイズキャンセリングヘッドフォン、スリッパとビジネスクラスとしては標準的であります。
アメニティキットは長距離便のみ提供されるようです。
機内誌はシートモニター上にあり、中には絵葉書も添えられています。
トイレ
ジャンボ機の最新型のトイレについては、ボーイング787型機と同じような感じです。アメニティにはマウスウォッシュやシェーバーもあります。
離陸
ウェルカムドリンクにシャンパンをいただき、離陸となります。
滑走路に進入し、エンジンが唸りだします。これまでのジャンボ機とは違い、ボーイング787型機のような音であります。
しかし、地上を離れるとジャンボ機らしく悠々と上昇してきます。
離陸の模様を動画にしてみましたので、ご覧ください。時間は100秒程度です。
2階席については離陸の時はエンジンから遠いため、エンジンの音が小さく快適かなと感じましたが、安定飛行に入ると座席から天井まで近いこともあり、ノイズはかなり大きいです。
ノイズキャンセリングヘッドフォンを最適化してようやく静かとなります。それでもボーイング787の方が圧倒的な静かです。
1回目の機内食
ベルトサインが消え、しばらくすると機内食が始まります。機内食メニューはサイドポケットに最初から入っていました。
シャンパンはPerrier Jouetでした。おつまみはロースト・トマトです。
前菜はモッツアレラチーズとイタリアントマトです。イタリア線だからでしょうか。でも、海苔もあります。
メインコースとなります。ソウル発と言うこともあり、プルコギにしてみました。
ボリュームがあり、食べ応えがあります。スープは見た目では海鞘でも入っているかと思いましたが、魚の出汁が効いたスープでした。
メインの後はここでも葡萄にして、ケーキをいただき、終了です。
広いシートは寝るのも快適
パーティションを上げて、睡眠です。広いシートは快適そのもので、個室感も高く満足であります。ただし、ジャンボ機はボーイング787のような湿度ではないため、結構乾燥します。
夜明けモードになり、飛行機はモスクワ付近まで到達しています。フライトマップの飛行機もきちんと747-8仕様となっています。
2回目の機内食
2回目の機内食の時間であります。夕食と言うこともあり、前菜、メインディッシュと続きます。
サラダは野菜感たっぷりであります。見た目に反して、シャキシャキしています。
メインコースは牛テンダーロインであります。2回目の食事も結構ボリュームがあり、この日は機内食で十分でした。
最後はスイカと緑茶をいただき、フィニッシュです。
着陸
ポーランド上空で蛇行を繰り返す河川を見つつ、アドリア海を横切り着陸となります。
フィウミチーノ空港への着陸は海岸と並行に降下し、住宅街を通過して、着陸となりました。風のない、静かな夕焼けの着陸となりました。
こちらも動画にまとめてみました。時間はトータル3分程度です。
最後に
長時間の快適なフライトを終え、降機すると、フィウミチーノ空港に到着したジャンボ機は悠然としておりました。久しぶりのジャンボ機は搭乗は懐かしさと言うよりも、新世代化された快適性の方が印象は強く、これまでとは違うジャンボ機と体験となりました。
機会があるならば、再び搭乗してみたいと思う機材でありました。