度重なる延期により、もはや忘れられた存在に近かったベルリンの大規模新空港のブランデンブルク国際空港がついに10月に開港となりますが、本当に開港するか調べてみました。
ブランデンブルク国際空港の経緯
東西に分断されていたベルリンには旧西と旧東の空港があり、統一後、欧州屈指の都市でありつつも、小規模な各空港を稼働させているものの、国際都市として世界各国のから離発着ができる空港の建設の気運が高まり、2006年に建設を開始しました。
内容としては全くの新地に建設ではなく、既存のシェーネフェルト空港の滑走路を3,000mから3,600mに延長し、さらに4,000mの滑走路を一本新設し、さらに新ターミナル(ターミナル1)を建設するというもので当初は2011年6月の予定でした。
いきなり滑走を延長し、さらに4,000mの滑走路を新設すると言うのは日本では想像できない感じであります。
日本では1987年に着工し、1994年に開港と海上空港としては早かったとも言える関西空港と比較すると開港断面では時間はかかっているものの、関空では4,000mの滑走路の供用開始までさらに13年かかっている点を見ると経済と公共工事との関係も大きいと見えます。
ちなみにドイツの空港ではフランクフルトは4,000m滑走路が3本、ミュンヘンは4,000m滑走路が2本と長ければよいと言うものではありませんが、ベルリンを含め6本も民間空港での4,000m滑走路があるのは豪華とも言えます。(日本は成田と関空各一本ずつ)
やっと開港に
その後、欠陥工事や杜撰な管理など2019年まで度々延期されており、いつ開港するのか疑義が生じていました。予定通り開港していれば、ベルリンは日本からも行きやすい空港となり、今年2020年にはベルリン直行便と言うこともあったかもしれません。そして、日本におけるドイツのイメージも大きく変わっていたかもしれません。
しかし、終わらない悪夢がないように遂に、2020年10月31日に開港することが2019年末に発表され、当局により2020年4月に承認されています。
新型感染症が拡大する最中でも承認を得ているので、多少のずれは頭の隅に入れつつも、以前のように、いつ開港するか読めないと言うことはなく、今度は開港間違いないと言えそうです。
ルフトハンザグループが先陣を切り新空港に移転
ルフトハンザグループ(ルフトハンザ、スイスインターナショナル・エアラインズ、オーストリア航空、ブリュセル航空、ユーロウィングス)がまず移転することとなり、開港まもなく11月頭から各社が就航する見込みとなっています。まずは国内線、インターユーロ線の移転となります。
実際のANAの予約画面からもブランデンブルグ発券が確認できます。画面はプレミアムエコノミーの運賃であり、Nクラスであり、運賃自体は他のドイツ都市と同水準となっています。
出発空港のところにBERと記載があり、ターミナル1となっています。紛れもなく、ブランデンブルグ新空港の新ターミナルであることがわかります。
このほかではアエロフロートについてもブランデンブルグ発券が確認できます。
まだ、ブランデンブルグ国際空港からダイレクトに大陸間を跨ぐフライトは出ていませんが、以前からのベルリン発券やベルリン着がビジネスクラスでは安いカタール航空はスタへアライアンスの新たな牙城に対抗して、移転をしても安そうな気配はあります。
当のスターアライアンスが同空港をハブ空港にするかは不明ですが、滑走路は大型機の長距離運航にも対応可能そうであり、ニューアークやサンフランシスコ、イスタンブール、シンガポール、そして東京からも乗り入れがありそうです。
最後に
着工されてから14年という歳月で開港というのは近年開港した北京大興国際空港と比較すると前近代的な進捗とも言えます。
しかし、久方ぶりに欧州の中央に新たな大空港ができることでもあり、今後の就航が気になるところです。
世界中、新型感染症であまり関心は持たれていませんが、粛々と開港して、いつでも日本と就航できるようにしていただきたいところです。