ANAマイルの利用方法として、特典航空券としてフライトに利用する方法とスカイコインに交換して有償チケットを購入する方法、さらにPeachポイントに交換してPeachフライトを利用する方法のどれが最も得なのか頭の体操をしてみました。
ANAマイルからPeachポイントへの交換スタート
10月28日より、ANAマイルからPeachポイントへの交換をスタートしています。期間は2020年10月28日(水)から2021年3月31日(水)と一応期間限定ですが、継続する可能性もあります。
実際はANAマイルからPeachのクーポン(eギフトカード)への交換であり、クーポンからピーチポイントにさらに交換して利用できるようになります。
今回の締め切りは2021年3月31日(水)であり、交換したクーポン(eギフトカード)の有効期限もあります。その日時は2021年4月30日23:59までとなっています。これまでにピーチポイントに交換しないと無効となってしまいます。
ちなみにピーチポイントの有効期間は発行から180日間となっています。
現時点ではANA→Peachの一方通行であり、交換後はANAマイルに戻すことはできません。
名義関係でも少し注意点があり、Peachアカウントの登録者の名義のピーチポイントとなり、そのピーチポイントを利用して航空券支払いに使用する場合は、搭乗者に名義人が含まれていないと利用できないと言うルールもあります。
交換単位は500、1000、5,000、10,000マイルとなっており、交換レートは0.9倍(10,000マイルの場合→9,000ピーチポイント)となります。
10月28日(水)から11月10日(火)までの期間はキャンペーンとして通常1マイル=0.9ピーチポイントを1マイル=1ピーチポイントの交換が可能となっています。
交換してから反映されるのは申し込みから7日後行こうと、即時に反映するスカイコインとは違い時間がかかります。
ピーチポイントとは
ピーチのフライトの運賃や料金、付随する税金や手数料の全額または一部の支払い利用できるポイントです。1ポイント1円相当となります。
面白い点としては非常口座席や最前列席の購入にもポイントが使えるため、ANAフライトの場合、上級会員でないと利用できない場所をマイルから交換したポイントを活用することもできます。
ANAフライトの場合、上級会員がここぞとばかりに指定しているため、出発直前でもなければなかなか指定はできませんが、ピーチの場合は最安値で乗ることが目的であり、余計なものは付けない傾向にあり、意外と空いていたりします。
足下の狭いANAと足元の広いピーチどちらを選択するかと言うのは結構悩ましいところかもしれません。
今回のANAマイルから交換以外にポイントを貰えるのは下記のとおりです。
航空券(バリューピーチ・プライムピーチ)の取消、払戻の際のリファンドとして
ピーチホームページでシステム提供しているピーチ・ポイントギフトとして
各種キャンペーンで当選した際の賞品として
Peach CARDの利用で貯まったクレジットカードの交換先商品として
ちなみにピーチに搭乗した際やピーチ航空券購入金額に応じた貯めることはできません。
特徴的な点としては、発行ごとにピーチポイント番号とセキュリティコードが付与され、ピーチポイント番号ごと単位で管理されることとなります。
支払いの際は最大5つのピーチポイントの利用が可能となっています。
ポイントは通常一つの口座で管理され、そこに随時、合算されますが、ピーチの場合はピーチポイント番号ごとにポイントの塊が口座の中に増えていくような仕組みのようです。
不利な点は少ないようですが、往復など複数フライトを一気に抑える場合、ANAマイルからの交換は5,000マイルまたは10,000マイル単位で交換した方が良さそうです。
PeachポイントとANA特典航空券との比較
ANA特典航空券(国内線)では下記のとおり、距離(マイル換算)とシーズンによって下記のようなマトリクスのとおりにマイル数がかかります。
距離数 | ロー | レギュラー | ハイ |
---|---|---|---|
(マイル) | |||
~300 | 5,000 | 6,000 | 7,500 |
301~800 | 6,000 | 7,500 | 9,000 |
801~1,000 | 7,000 | 9,000 | 10,500 |
1,000~ | 8,500 | 10,000 | 11,500 |
5,000マイルから11,500マイルが必要となります。キャンペーン期間中のピーチポイントの交換レート1:1で考えると同じ距離で5,000円~11,500円相当以下であれば、ピーチの方がお得とも言えます。
12月の週末に月曜日を休みとして2泊3日の往復で考えてみました。
ピーチの場合
ピーチの場合、成田発着となり、成田発は午後便、沖縄発も午後便と時間に制約がありますが、運賃は往復で12,520円となります。手荷物が多かったり、足元の広い席がいい、保険を付けるなどすると15,000円は超えてしまいそうです。
また、成田までの往復を東京駅からのバスとしても往復で2,000円はかかります。
ANA特典航空券の場合
同日で往復を考えてみました。行きは午前便、帰りは夕方便となります。満席であれば選択肢は限られますが、スケジュールに幅ができそうです。
マイル数は時期的にローシーズンと言うこともあり、14,000マイルとなります。また、羽田空港発着のため、モノレール往復は1,000円弱とあまり変わりません。
沖縄那覇で比較するとANAマイルの方が良さそうです。ただし、これを同じスケジュールで石垣にするとピーチは往復16,000円程度、ANAは満席と石垣に行きたい場合にピーチポイントに交換して、抑えても安上がりで済むと言うメリットはありそうです。
トクたびマイルとの比較では
ANAマイレージプログラムの国内線特典において、売れ残りの多い路線を直前に通常5千から1万1,500マイルかかるフライトを3,000~7,000マイルで提供するトクたびマイルと比較すると、路線は限られるものの対象路線では圧倒的にトクたびマイルの方が有利となります。
必要マイル数が路線によってお得と言うところもありますが、ピーチは搭乗率が高いのか直前では結構高い運賃となるケースが多く、トクたびマイルを利用した方が良さそうです。
PeachポイントとANAスカイコインとの比較
ANAスカイコインはANA WEBサイトで購入できる航空チケットや旅行商品のみに限定して利用できるお金のようなものであり、ANAマイルや一部の他社のポイントから交換が可能です。
交換レートはANAマイルからの場合、会員種別によって異なり、一番エントリーであるANAマイレージクラブ平会員の場合は下記のとおりです。
交換マイル数 | 交換後コイン数 |
---|---|
1~9,999マイル | 1~9,999(1倍) |
10,000マイル | 12,000(1.2倍) |
20,000マイル | 26,000(1.3倍) |
30,000マイル | 42,000(1.4倍) |
以下省略 |
1万マイル以上交換でプレミアムが付く仕組みとなっています。
ANAスカイコインの場合
前段と同じスケジュールにて羽田⇔沖縄往復の費用を出してみました。
運賃はスーパーバリュー19,020円であり、スカイコインを余りなく適用すると10,000マイル交換で12,000スカイコイン、残り7,020マイルで7,020スカイコインと合計17,020スカイコインとなります。
今回のスケジュールの運賃ではANAとピーチの値差が1.52倍あるため、上級会員でないとピーチとの差分解消は厳しいようです。
前段のピーチの運賃は12,520円であり、端数20円はカード払いにするとして12,500マイルで済むため、ピーチの方がお得です。スーパーバリューの場合、人気フライト時間は満席が多く、運賃優先とすると意外と縛られてしまいます。
マイル数の差とスケジュール感が変わらない点では羽田と成田のアクセスコストの差を鑑みてもピーチの方が良さそうです。
2021年度限定「ダイヤモンド会員」+More特典では逆転
同特典は対象者限定のオファーであり、2020年に12万プレミアムポイントを積算し、ANAカードで400万円以上の利用があり、キャンペーン登録した場合に翌年の2021年度にダイヤモンド会員以上の特典が受けられる施策です。
目玉としてはスカイコインの交換率がマイル数の交換数に限らず、交換率が2倍となるものです。実際は後で通常のダイヤモンド会員レートとの差分をバックすると言う仕組みですが、細かなマイル数でも2倍と言うのは大きいところです。
先ほどの羽田=沖縄往復のフライトに適用してみると実質9,510マイルの引き出しで済むこととなり、ピーチポイント交換するよりもメリットが発生します。
家族会員にダイヤモンド資格を提供する一方でおひとり様にも優しい施策のようです。
Peachオンリー路線は絶対的に有利
海外発券のアクセスフライトとして
今は難しいですが、平時あれば羽田=仁川線は深夜のフライトとなるため、午前中に出発し、夕方に到着する仁川発着の欧州便の接続も良いと言えます。
これまでは有償で利用するか、なかなか空いていない大韓航空便をスカイマイルで交換ということでしたが、そこにANAマイルからピーチポイントに交換して、ピーチフライトを抑えると言うことが出来そうです。もっとも、ピーチ便は直前では高くなるため、早々に安い時期に抑えておくと言うのは必要です。
奄美大島
また、JALにあって、ANAにはない奄美路線がピーチにはあり、ANAマイルで奄美に行けるのは大きいでしょう。奄美路線はもともとバニラエアが運航していた路線であり、以前、沖止めで問題にもなった場所でもあります。
往復で1.2万円ほどなので1.2万マイルで行けるとなるとお得かもしれません。
最後に
そもそもフルサービスキャリアのANAとLCCのピーチを比較するのはどうかと言う点はありますが、日本国内での比較を中心にしてみました。
時期や路線、キャンペーンによって一時的に多く差が開くことはあっても、それほど差はないようです。今後、ANA運航が運休となり、代替としてピーチ便にANAコードシェア便名がつくとANA特典でも利用できそうですし、良くわからなくなってしまうケースもあります。
結果的には選択肢が増えたと言うことが言えるかもしれません。一方で、Peachにあり、ANAにないような路線ではそのメリットもありそうです。