ANAと提携したオーストラリアの航空会社である「ヴァージン・オーストラリア」について何者か、そして、マイル修行にはどのように役立つかまとめてみました。
- LCCとしてスタートし、フルサービスキャリアとしてオーストラリア第2の航空会社
- ヴァージン・オーストラリアの就航路線
- 羽田のタイムスケジュール
- 国際線長距離ビジネスクラスのシートはヘリンボーン
- ヴァージン・オーストラリアのマイル積算を整理
- 最後に
LCCとしてスタートし、フルサービスキャリアとしてオーストラリア第2の航空会社
LCCとして発足
ヴァージン・オーストラリアはもともとヴァージンブルーという名称でオーストラリア国内を飛ぶLCCとして発足しました。名前のとおり、冒険家でナイトであるリチャード・ブランソン氏のヴァージングループの傘下でした。
しかし、新規参入は厳しいのか不振が続き、2005年に地元オーストラリアの企業であるパトリック敵対的買収により、メジャーを獲得しました。そうした中でもヴァージン・グループは1/4の株式を保有していました。
オーストラリアの航空事情の激変により台頭
ヴァージンブルーが資本の異動をして間もない頃にオーストラリアの航空事情は激変を向かいます。
ナショナルフラッグキャリアのカンタス航空はワンワールド、同国内で二番目の地位を占めていたのはアンセット航空(AN)でした。歴史は深く、1930年代から飛行機を飛ばし、ミレニアム直前の1999年にはスターアライアンスにも加盟しています。
しかし、その後、ヴァージン・オーストラリアなどの低価格競争に飲み込まれ、破綻し、2002年3月にすべてのフライトを停止し、消滅しています。
これにより、ヴァージン・オーストラリアは受け皿となり、オーストラリア第二の翼として台頭していきます。
ちなみに、ANAとアンセットはスターアライアンスと言うこともあり、コードシェアもしたこともあります。そのせいか、現在でもANAが就航していない地域でラウンジアクセスしようとすると2レターコードをANと勘違いされ、受付でまごつくことがあります。NHのコードは難しいのかもしれません。
その後、資本の異動が続き、スターアライアンス系のニュージーランド航空やシンガポール航空が同社株式を保有しているほか、中東系のエディハド航空も同社株式を保有しています。しかし、こうした航空会社の株式の保有しているのは中国資本が多く、発足当初とはかなり変化しています。
ヴァージン・オーストラリアの就航路線
ヴァージン・オーストラリアは当初、オーストラリア国内線として発足しましたが、現在は国際線も就航しています。
オセアニアでは、国内線のオーストラリアの他、ニュージーランド、トンガ、サモア、フィジー等に就航しています。
アジアは意外と少なく、バリ、香港、そして、羽田の就航となっています。
遠距離の路線としてはUAEのアブダビとアメリカのロサンゼルスとなっています。
ヴァージンの名前ではありますが、ロンドンへの就航は自社運航便ではありません。国際線は意外と慎重であり、羽田路線の新規就航も同社にとっては勇気ある決断だったのかもしれません。
羽田のタイムスケジュール
ヴァージン・オーストラリアの羽田線の就航スケジュールは下記のとおりです。
VA77 ブリスベン 11:40→羽田 20:00
VA76 羽田 21:45→ブリスベン07:45+1
1日1往復ですが、羽田発は深夜便であり、毎日A330-200で運航となります。
国際線長距離ビジネスクラスのシートはヘリンボーン
同社の長距離区間はボーイング777-300ERとエアバスA330-200がメインとなっています。前者は北米(ロサンゼルス)路線、後者はアジア路線となっています。羽田便はA330で運航される見通しです。
しかし、同社のビジネスクラスのシートはどちらでもヘリンボーンタイプの1-2-1配列であり、ビジネスクラスシートとしては良いシートと言えます。
ちなみにボーイング777-300ERではプレミアムエコノミーの設定もあり、シートピッチは41インチであり業界水準を超えています。
また。同社では足元の広いエコノミークラスをエコノミーXと言う名称もあり、シートピッチは38インチあり、結構満足度が高いかもしれません。ただし、シートピッチの広いエコノミーXのシートは77Wだけであり、その他機材ではバルクヘッド等に限られます。
ヴァージン・オーストラリアのマイル積算を整理
今回、ANAと包括提携を行い、両社間でのコードシェアやマイレージプログラムにおいて提携していますが、その内容を整理してみました。
ANAとの提携はあくまで提携航空会社
今回、ANAと提携していますが、その内容は非スターアライアンス加盟の航空会社の提携と同じく限定的な提携となっています。
コードシェアする路線やマイルが積算する路線は限定されます。例えば、パース=シドニー間や同社の最長距離路線のブリスベン=ロサンゼルス間はANAマイル積算対象外となっています。
また、上級会員になるためのプレミアムポイントも対象外であり、ANAマイル修行としては、メリットがありません。
強いて言うと、ANA特典としてブリスベンまでのルートが確保できるため、ANAオーストラリア発券への選択肢が増えたと言えます。
特典のキャパがどれくらいあるかに依存しますが、現状のANA豪州路線の特典状況に風穴を開ける存在となると価値はあります。
デルタ・スカイマイル修行では有益
ヴァージン・オーストラリアはデルタ・スカイマイルと提携しており、同社のステータスポイントであるMQMの積算も可能です。しかも、ビジネスは200~150%積算、エコノミーは最低100%であり、魅力的であります。
アジア路線は少ないですが、香港やバリ乗り継ぎでオーストラリアアクセスなど色々とマイル修行のルートが膨らみます。
最後に
ヴァージン・オーストラリアとANAが提携したことにより、特典でオーストラリアまで行き、シドニー発券からスタートするという選択肢が拡大としたと言えます。
また、デルタと提携しており、ANAマイル修行とデルタ・エリート修行の兼用もできそうです。
スターアライアンス加盟のエアラインと違い、提携航空会社はマイル加算では難がありますが、特典利用や他社のステータスポイント加算と考えると同社の利用の価値はあるかもしれません。