飛行機旅行のステイタスのクラスと言えば、ファーストクラスですが、そのためにアップグレードして利用する価値があるか考えてみました。
- ファーストクラスの設定のある路線(ANA)
- ファーストクラスの設定のあるキャリア(スターアライアンス)
- ファーストクラスは何マイルで利用可能か
- ファーストクラスにアップグレードに要するマイルとポイント数
- ファーストクラスにアップグレードする価値は?
- 最後に
ファーストクラスの設定のある路線(ANA)
そもそもファーストクラスへアップグレードと言っても、座るファーストクラスのシートの設定がなければアップグレードはできません。そこで、ANA運航便でファーストクラスの設定のある路線を調べてみました。
2020年夏ダイヤ
2020年夏ダイヤ(3月29日)からの予定となります。まだ、スケジュールが確定していないフライトもありますが、下記のとおりです。
羽田発着
ロンドン、フランクフルト、ニューヨーク、ヒューストン、ワシントンD.C.、シカゴ、ロサンゼルス、サンフランシスコ
成田発着
ニューヨーク、シカゴ、ロサンゼルス、サンフランシスコ、ホノルル
以前はパリにもファーストクラスの設定がありましたが、欧州はフランクフルトとロンドンのみとなっています。
北米路線は安定の多路線設定であり、最近では2019年よりホノルル路線にも設定を追加しています。
さらに、近々にテストフライトをするボーイング777X型機(導入は777-9)でもファーストクラスは設定されると予想されます。
ファーストクラスの設定のあるキャリア(スターアライアンス)
ANAが加盟するスターアライアンスには26社の航空会社がありますが、そのうち、ファーストクラスのサービス(国際線)を提供しているキャリアをピックアップしてみました。下記のとおりです。
エアチャイナ
シンガポール航空
スイスインターナショナルエアラインズ
タイ国際航空
ルフトハンザドイツ航空
ANA以外の航空会社はいずれも複数の機材でファーストクラスが設定されています。以前はアシアナ航空やユナイテッド航空でもファーストクラスの設定がありましたが、アシアナ航空はディスコン、ユナイテッドはビジネスクラスを強化という形と各社でその変化の仕方も変わります。
ファーストクラスは何マイルで利用可能か
ANAのファーストクラスをマイルで利用する場合の必要マイル数は以下の通りです。
日本=欧州
ロー・レギュラー 165,000マイル
ハイ 180,000マイル
日本=北米
ロー・レギュラー 150,000マイル
ハイ 165,000マイル
日本=ハワイ
ロー・レギュラー 120,000マイル
ハイ 129,000マイル
このほか、アジアの設定もありますが、記載時点ではアジア路線にファーストクラスの運航がないため、割愛します。
基本的には路線別にマイル数が異なり、季節別ではハイシーズンとその他という分け方になります。
欧州のハイシーズンは一番マイルを必要とし、ビジネスとの差は倍近くなります。一方で、エコノミーとビジネスの差は1.6倍弱であり、敷居の高さがわかります。
シーズン日程
2020年のシーズナリティは下記のとおりです。すでに終わった日程はカットしています。
欧米
レギュラーシーズン 3/1~3/31、5/11~7/22、8/20~12/17
ハイシーズン 4/24~5/10、7/23~8/19、12/18~12/31
ハワイ
ローシーズン 1/6~2/29、4/1~4/23、5/11~5/31
レギュラーシーズン 3/1~3/31、6/1~7/22、8/20~12/17
ハイシーズン 4/24~5/10、7/23~8/19、12/18~12/31
ハワイは5月の連休明けから5月いっぱいがローシーズンとなっていますが、ローとレギュラーではマイル数に差がないため、あまり意味がないようです。
ファーストクラスにアップグレードに要するマイルとポイント数
有償購入したビジネスクラスチケットからファーストクラスにアップグレードする場合、方法は下記の通り、2つあります。
マイルでアップグレードする
アップグレードポイントでアップグレードする
前者はだれでも、後者はプレミアムメンバー(上級会員限定)となりますが、前年のANA便で積算したプレミアムポイントに応じてもらえます。
いずれの方法でもアップグレードできるクラスはJ,C,D,Z(日本発券、海外発券いずれも)であり、ツアーなどでよく利用されるPクラスは対象外です。
マイルでアップグレードする
マイルを利用してアップグレードする場合、1区間ごとにマイルが必要となります。さらに、その区間の距離数(マイル)により、必要なマイル数が異なります。
現時点で設定のある路線では、いずれもフライトマイル3,501マイル以上のフライトのため、マイル数は下記のとおりです。
35,000マイル
ホノルル
40,000マイル
サンフランシスコ、ロサンゼルス
45,000マイル
ロンドン、フランクフルト、ニューヨーク、ヒューストン、ワシントンD.C.、シカゴ
マイルで引き出すよりも、欧州路線はお得のようですが、ビジネスクラスの運賃は一部の海外発券を除くと割高のため、やはり夢のクラスのようです。
アップグレードポイントを利用する
アップグレードポイントとはプレミアムメンバー(マイレージ上級会員)向けに付与されるポイントであり、国内線のプレミアムクラスや国際線エコノミークラスからビジネスクラスへ、ビジネスクラスからファーストクラスにアップグレードできます。
付与される基準は、1月~12月のANAグループ運航便の利用で獲得したプレミアムポイント数に応じて、付与されます。さらに、スーパーフライヤーズ会員にはこれに加えて一律4ポイント付与されます。
ポイントによるアップグレードはマイルでアップグレードする場合と異なり、路線ごとにポイントが設定されています。現時点でファーストクラスが設定されているのは欧米路線のため、いずれも便を利用しても必要なポイント数は下記の通りです。
ビジネスクラスからファーストクラスのアップグレード
欧米路線 20ポイント
ハワイ路線 16ポイント
プラチナ会員の到達基準の5万ポイントをすべてANA便で積算したと仮定すると、翌年度付与されるプレミアムポイントは20ポイントです。ファーストクラスにアップグレードするとコツコツ搭乗して貯めたポイントが一発でなくなってしまいます。やはり敷居の高いクラスです。
ダイヤモンド会員には2倍のポイント利用でどの予約クラスも可能
ダイヤモンド会員に限り、通常アップグレードできないビジネスクラスPクラスでもアップグレードが可能となります。ただし、ポイントは2倍必要となり、1区間あたり40ポイント必要とします。また、ホームページから申請はできず、サービスデスクに電話する必要があります。
ダイヤモンド会員の無敵パスとも言えますが、年間10万プレミアムポイントでダイヤモンドを達成する人向けには貯めたアップグレードポイントを一回で消滅させるものであり、どちらかというと年間50万プレミアムポイントをANAで貯めるというような人向けかもしれません。
ただし、そうした人がアップグレード対象外運賃でプレミアムポイントを積算するか不明ですが、多くの会員がいるのでそうした人もいるかもしれません。
ファーストクラスにアップグレードする価値は?
以上のように、マイルでファーストクラスに搭乗しようとする場合、マイル数がかなりかさみます。ビジネスクラスの方がエコノミーと比較するとお得であり、ビジネスの方が割得と感じます。
海外発券を駆使して、安い路線をファーストクラスにアップグレードすることは有益ですが、同じく、エコノミーからビジネスにアップグレードした方が効率的なケースが多いようです。
強いて言うと、安い海外発券路線を活用して、マイルやアップグレードポイントを駆使し、ファーストに乗りたい、何かの記念にしたいといった強い願望のもとに利用する場合には価値があると言えます。
最後に
一部を除くとマイルやアップグレードポイントを活用したファーストクラスはそれなりに積算の時間がかかり、頑張って貯めたという点では希少価値はあると言えます。
一方で、それほどの大量のマイルを消費するよりも、ビジネスで複数回往復する方がメリットと感じる人もおり、価値というものは難しいところにあります。
一度、利用してみないとわからないクラスでもあり、損得勘定抜きに利用してみて、率直に感じた経験が一番価値があるかもしれません。