通常、往復よりも割高である片道において、PP単価10円の東京行きの片道ビジネスクラスの航空会社がありましたので、お伝えします。
片道は往復で購入するよりなぜ割高か?
色々な理由がありますが、ひとつとしては、日によってインバウンドとアウトバンドの需要が異なり、往復の需要を確保したいところであります。往路で搭乗した乗客を復路でも囲い込むため、片道×2の運賃にならず、出発した国に戻る場合は、往復で購入した場合に安くすることが言えます。最近はLCCが普及しており、片道の運賃でも安くなっていますが、往復を搭乗すると特典を付与するなどのキャンペーンを実施するLCCもあり、顧客の囲い込みが大きな理由と言えます。
片道航空券購入のリスク
片道航空券を購入するということは、目的地でビザや永久居住権を求められ、それを所有していないと強制送還されるリスクもあります。このリスクを回避するには、ビザ免除期間内に日本に戻るチケットか第三国に向けて出発するチケットを提示すれば、問題なく、入国できます。たまに、なぜこうした変な購入をしたか問われた場合は、片道はマイルを利用し、復路は安くするためなど素直に回答した方が良いと思います。ちなみに海外発日本行きの片道航空券は何も言われることはありません。
ビジネスクラス片道でも安い航空会社はシンガポール航空
全路線ではありませんが、東京行きのビジネスクラスで安い航空会社は意外にもシンガポール航空です。シンガポール航空というとスカイトラックス社のレーティングで5スターです。豪華で新しい機材とシンガポールガール(たまには男性もいますが)による行き届いたサービスであり、お高いイメージもありますが、路線によっては安い路線もあり、以下、2つの路線の割安さをまとめてみました。
イスタンブール発成田行き
ルート
イスタンブールを午後1時半に出発し、5千マイル超のフライトの後、翌朝5時に到着し、4時間ほどの乗り継ぎで、SQ12便で成田に向かい、夕方に到着します。
運賃・予約クラス
運賃は日本円で約121,685円であり、予約クラスDクラスです。ANAマイレージクラブでは125%加算で搭乗ポイント400ポイントも加算されます。
積算マイル・PP単価
ルート | クラス | 区間マイル | 積算マイル | PP |
---|---|---|---|---|
IST-SIN | D | 5,387 | 6,734 | 7,134 |
SIN-NRT | D | 3,324 | 4,155 | 4,555 |
合計 | 10,889 | 11,689 |
積算マイルは10,889マイル、プレミアムポイントは11,689PPとなります。PP単価は10.41円と四捨五入すると10円になります。シンガポールから成田まではボーイング777-300ERです。イスタンブールはスターアライアンスの大きなハブでもあるため、片道特典航空券で発券可能なマイレージを利用して、ヨーロッパで目的の場所でストップオーバーし、イスタンブールを最終目的地として発券することで、復路は快適なビジネスクラスで帰国且つ、プレミアムポイントも効率よく加算できます。
また、ANAのスターアライアンス世界一周特典航空券と組み合わせるパーツとして利用し、マイル消費を抑制しつつ、プレミアムポイントを貯める世界一周も実現できます。
ムンバイ発羽田行き
ルート
ムンバイを夜11時前に出発し、翌朝7時前に到着し、7時間乗り継ぎ時間で羽田空港に向けて出発し、夜10時前に到着します。
運賃・予約クラス
運賃は日本円で約89,364円であり、予約クラスDクラスです。ANAマイレージクラブでは125%加算で搭乗ポイント400ポイントも加算されます。
積算マイル・PP単価
ルート | クラス | 区間マイル | 積算マイル | PP |
---|---|---|---|---|
BOM-SIN | D | 2,436 | 3,045 | 3,445 |
SIN-HND | D | 3,324 | 4,155 | 4,555 |
合計 | 7,200 | 8,000 |
積算マイルは7,200マイル、プレミアムポイントは8,000PPとなります。PP単価は11.17円となります。イスタンブールと比較する単価は良くないですが、シンガポールから羽田まではボーイング777-300ERの豪華なビジネスクラスが利用できます。
また、ANAの特典航空券のエリア制度を利用し、往路はムンバイ・ビジネス、復路は全く別日でソウルからエコノミーで発券するとマイル数を抑制してムンバイまで行けます。これにより、1泊2日(機内泊)、5スターANA&シンガポール航空で行く、土日完結、弾丸シンガポールもできてしまいます。さらに、ANA特典利用のため、ライフタイムも積算できます。
特典の別日のソウルは別の海外発券とミックスし、日本への最終旅程として活用するほか、日本からLCCで往路を購入し、純粋にソウルを楽しむ等が用途として考えられます。
最後に
片道というとフルサービスキャリアでは高いと思いがちでありますが、意外な航空会社がビジネスクラスで安い場合もあります。また、PP単価が良く片道ということはキャッシュアウトが半額近くで済み、往路をマイルで利用することなどにより、出費もマイル消費も抑制可能で、且つ、予定が立てやすいというメリットもあります。ただし、あまり、こうした運賃はあまり遭遇しないので、探すには苦労したりします。
シンガポール航空ホームページより