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函館駅直通の新幹線はどんなものになるのか

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函館駅

先日、行われた地方都市の市長選が話題を浴び、その公約について調べてみましたので、お伝えします。

注目を浴びてしまった函館市長選

2022年の秋ぐらいから市長選に出馬することがニュースになっていました。同市役所に勤務していた部長クラスの職員が立候補という事で、通常の地方首長選ではニュースにならないのですが、新市長の実弟が俳優の大泉洋氏であることから、話題となりました。個人的には第一印象は似てるの一言でした。

そして、実際の選挙では現職の市長に大差をつけて当選してしまったこともさらにニュースが大きくなり、いみじくも注目を浴びる選挙となってしまいました。

偶然なのかわかりませんが、弟の大泉洋氏と福山雅治氏のダブル主演のドラマが選挙日の投票が閉まった後の夜9時から第一話がスタートしたのは面白いところであります。

新市長の公約

そうした多くの市民が投票した新市長でありますが、選挙にあたり、いくつかの公約を掲げています。下記がその一部であります。

  • 第2子以降の保育料無償化
  • 新小学1年への10万円支給
  • 公立はこだて未来大学の授業料無償化対象拡大
  • 移住者への支援金引き上げ
  • 高齢者交通助成の上限引き上げ
  • スクールカウンセラー制度
  • 観光客一人当たりの消費額倍増
  • 富裕層向けの観光施策推進
  • 市の事業の地元企業への発注拡大

保健福祉部長であったことも有り、人口減少対策や地元にお金が落ちる公約を多く掲げています。富裕層を取り込む施策も推進するとしており、マリオット系やヒルトン系とかさらに誘致があるかもしれません。

そうした中でインパクトが大きいのが北海道新幹線の函館駅乗り入れに向けた調査であります。北海道新幹線は新函館北斗まで乗り入れていますが、観光名所の多い函館中心部から約20キロ離れており、実際利用してみるとその移動時間が退屈になってしまったりします。マイルが貯まり、湯の川温泉が近い、函館空港の利用の方が良いと思って今います。

当選後の報道ではこの件が一番大きくニュースとされており、そのインパクトの大きさがわかります。

新函館北斗駅はなぜ遠い

新函館北斗駅

新函館北斗駅は函館という字面は有るものの、その通り北斗市にある駅であります。住所は北海道北斗市市渡1丁目1番1号と1丁目1番地であります。愛知県豊田市トヨタ町1番地のような住所でありますが、実際に新函館北斗駅を訪れたことがある人だと周囲の環境はよくわかると思います。同駅が最大の建物で見通しの良い場所であります。

新函館北斗駅は函館駅からは約18km離れており、横浜と新横浜が7km(地下鉄ブルーライン)、新高岡と高岡が1.8km、新青森と青森駅が3.9km、新神戸と三ノ宮が1.3kmと随分離れています。

新横浜や新神戸は言うまでもなく、新幹線が出来てから大きく変化していますが、新高岡駅は駅前にイオンがあり、新青森駅は近くに国道7号線があることも有ってか、沿線にはロードサイド店舗があったり、スーパー銭湯があったりと市街地から遠いものの、それなりの利用価値があるのですが、新函館北斗だけは陸の孤島のようになっています。

なぜ、新函館北斗駅が函館駅から18kmも離れた場所に立地されたかと言うと以下がもっとも近い答えと言えます。

整備新幹線計画が立ち上がった時に東京(起点の新青森?)から札幌まで最速で結ぶために1961年から建設が開始された青函トンネルを活用するとなると、函館中心部に向かうためには現北斗市中心部辺りから南下して大きくカーブして函館を目指し、函館からさらに急カーブで北上となる点や中心街の土地買収や時短効果を鑑みて現在の地になったようです。

時代がもっと後であれば、最新のトンネル掘削工法で函館湾トンネルとかを掘って、函館駅に乗り入れていればハッピーだったかもしれません。工費(公費)は別ではありますが。札幌までの総延長はいずれにしても伸びそうですが、現在の技術で車両側でカバーすると大幅な所要時間増とはならなくも見えます。

でも、現実は新函館北斗であり、函館駅からははこだてライナーと言う、通勤列車のようなロングシートに乗る必要があります。現在は特急・北斗が1時間に1本ぐらい札幌と往復しているので函館と新函館北斗間は余分に費用は発生するものの、着席して移動できますが、このまま北海道新幹線が札幌まで延伸すると特急北斗は廃止され、普通列車のはこだてライナーのみとなります。

そうするとインバウンド需要再起動で、北海道需要が爆発すると巨大スーツケースを持った外人と道内ビジネス需要の人がはこだてライナーでの中でシェアすることとなります。せまい、つらい、面倒くさいとなりそうであります。

こうしたことが起点となって、新市長は函館駅まで新幹線を引くという事を言っているようでも有ります。こうした意見は選挙戦から始まったわけではなく、ちょっと前から提唱する人も有り、個人的にも合点はしていたところでもあります。

フル規格は無理だが、ミニ新幹線だとかなり良い条件

ミニ新幹線

ミニ新幹線の光と影がわかった20世紀

新函館北斗と函館間は約18kmであり、既に函館本線があります。この線路の上にフル規格の新幹線を建設すれば用地買収の費用は掛かりませんが、コンクリート構造物を大量に建設する必要があり、その割に速度が出せないため、効果が薄くなってしまいます。また、高架橋により、テレビの映りが悪くなるような電波障害対策などのコストも出てくると言えます。YouTubeを見れれば良いと言う意見もありますが、テレビは絶対という主張も有り、コストのムラが出来てしまいます。

頑強なコンクリートの高架橋で実現しても時短効果は少ないので、逆に130km/h運転まで対応していた在来線を活用するミニ新幹線を考えてみます。

ミニ新幹線は1990年代から山形新幹線と秋田新幹線で実現された方式であります。特徴としては線路を新幹線の幅に対応したものに敷設し直す必要はあるものの、フル規格の新幹線を敷設するよりも用地買収や構造物建設のコストが少なく、短期間で東京まで乗り換えなく直通できることがメリットと言えます。

東京行き

一方で、基本的には在来線のインフラを走るため、高速化はあまり期待できないほか、100年近く前に建設された設計であり、山間部では渓谷沿いに走るなど、その当時では予期不能であった地球の気候変動の影響を受けると言うデメリットがあり、長期間の運休などのリスクを持っています。

山形新幹線は1992年7月、秋田新幹線は1997年3月とフル規格の東北新幹線が盛岡まで開業した1982年6月から10~15年で開業しています。

一方で青森県だけは当時知事(北村氏)の意向も有ってか、フル規格に拘っていたため、21世紀になるまで青森県への新幹線の到達はありませんでした。八戸が2002年12月、東北新幹線全線開通の新青森開通が東京まで1990年代に直通した山形と秋田とでは2010年12月と隔世の感があります。

ただ、その後、技術革新と経営力強化も有り、フル規格区間の高速化を図られることとなり、実際の距離では秋田や新庄よりも物理的に遠い新青森の方が東京から早く到着することとなります。

さらに、北海道までも航空機と対抗できる道筋をつけたのもの、フル規格であるからこそ実現可能であり、当時の同県知知事は歴史的な判断だったのかもしれません。まあ、開通までには時間はかかっており、その期間の経済ロスをどう考えるかはありますが。

18kmはミニ新幹線が最適

函館本線

新函館北斗と函館間の在来線は函館本線であり、函館から七飯までは複線となっています。七飯から先の新函館北斗までは仁山周りと新函館北斗を通らない藤代線の単線が二本あります。

さらに、同新幹線開業に合わせて新函館北斗から函館まではアクセス鉄道として、2016年3月に電化されています。

新函館北斗と七飯間の単線区間は4.1kmであります。そのあとの約13kmは複線化されています。前述のとおり、新函館北斗を通る単線と七飯から函館までの複線の一方を標準軌道にするか、青函トンネル内のように片方を三線軌条にするとコストは少なくて済みそうです。

また、函館本線は新函館北斗駅近くにある新幹線の車両基地に隣接しており、地上で平面交差ができるという側面も有ります。

また、同区間において、山岳地帯はなく、比較的平坦であり、大規模災害で被災を受けるリスクも低いと言えます。

先日、発表されたJR東日本の羽田空港アクセス線は田町駅付近から東海道線と東海道新幹線を潜るためにシールドトンネル工法など高額なコストをかけて建設したりします。

しかし、新函館北斗駅で在来線と合流する地点ではそうしたことはなく、分岐設備設置コストや冬季時にその分岐設備が正常に稼働する対策などに限られるでしょう。

奥津軽いまべつ駅付近や知内信号所のようなドーム施設ができるかもしれませんが、コンクリート構造物を18kmも建設するよりは安いと言えます。

そして、在来線区間を標準軌幅に広げるのはコストはかかりますが、山形・秋田新幹線と比較すると圧倒的に距離が短く、北海道新幹線が開業するまでに早期に工事を開始すれば選択肢が多くなるとも言えます。

まず、早期に工事を進めると、そもそもの工事費がインフレ影響を受けずに安く進められると言うメリットがあります。さらに、盛岡ぐらいまで先行して運行させたりすることで、想定されるシミュレーションを繰り返し、実際の運用ではかなり最適な運行ができると言えます。

現在の特急「北斗」の標準軌版

スーパー北斗

同市長が考えているのは東京駅から函館駅まで直通させて、羽田⇔函館間の航空機からシェアを奪おうと言うことも有るかもしれませんが、札幌⇔函館間利便性向上がメインのように見えます。それが一番現実的かもしれません。

札幌と新函館北斗間は320km/h運転で新函館北斗駅で乗り継ぎ待ち時間なく、発車して、新函館北斗からは函館に電車という事も有り、在来線区間は往年の130km/h運転(キハ285系が成仏できるように140km/h運転)とかで攻めれば、道内ローカルで停車駅が多くても、85分くらいで到達できるので現在の気動車の北斗からするとタイムマシーンとなりそうです。

行きたいけど札幌から遠くて乗り継ぎが面倒な函館というイメージが解消されれば、道南に観光地は偏りますが、北海道内を周遊してチャリンチャリンと沿線でお金を落としてくれる可能性も有り、鉄道に厳しい現道知事も追い風となるのかもしれません。

現行の気動車特急よりも需要が増し、利用者が増えることがキーとなりますが、日本の人口減と観光需要増の天秤となりそうでも有ります。

観光で外貨獲得は産業のない国と思っていましたが、もはや、日本は観光で外貨獲得がメインのようにも見えます。しかし、観光で一流となれば、利益最大化できるので突き進むしかないかもしれません。

先述のとおり、ミニ新幹線を実現するにあたっては、新函館北斗駅付近での在来線と接合の難易度が低い点や在来線電化されている点、単線区間が短い点、バッテリー走行など選択肢が増えてきている点、北海道新幹線・本線の札幌開通まで比較的時間がある点など考えると経費最小、効果最大もあり得そうであります。

高規格道路がバンバン造成されている中で、鉄道は首都圏で数km建設するのも難儀でありますが、条件が重なっているので進む意味はありそうです。

日本海じゃないけど日本海の復活

北海道新幹線が札幌まで延伸するとJR東日本式の新幹線が札幌から敦賀まで1本でつながることとなります。約1,552kmの線路の沿線には、札幌、小樽、ニセコ、函館、青森、十和田、盛岡、一ノ関、仙台、福島、郡山、那須、日光、東京、川越、富岡、軽井沢、長野、富山、金沢、加賀、芦原、福井、敦賀と付近に日本の3割ぐらいの観光地をカバーすることとなります。まあ、都内に行きたい人は大宮がゲートウェイとなりそうですが。

富裕層向け観光列車として四季島の新幹線バージョンや国内需要やインバウンド需要でも手が届くような観光新幹線とかを昼と夜に走らせると結構面白いかも知れません。

昼と夜で毎日1本往復ずつ走らせると10日ぐらいかけてこの列車で移動し、時には宿泊し、次の日の観光新幹線に乗り移動しながら、東日本から北陸まで観光地を巡ることができそうです。

しかも、新幹線は脚が速いので地点間の移動にストレスが少ないのも良いかも知れません。

加えて、米原ルートが実現すると彦根も目的地となり、新千歳で入国して、関空で出国とかもストレスフリーでできるとともに羽田空港ひっ迫の解消にもなるかもしれません。ルートは異なれども夜行でこうしたルートができると往年の寝台特急の日本海のようでも有ります。

函館駅乗り入れとは関係ないかも知れませんが、函館市中心部までアクセスでき、函館駅でテクニカルストップで東京=札幌最速達のE/H10系の足手まといにならなくなるかもしれません。

最後に

E6系

この件に関して、公費の無駄遣いや効果がないと言うネガティブなものよりは、札幌と函館を結ぶ高速交通としては悪天候に強く、時間は圧倒的に早いという事でポジティブな意見が多いのは意外でした。

わずか18kmの区間で、もともとある線路に改良という、比較的難易度が低い工事にも見えますが、着工までに時間がかかると材料費、人件費が高騰してしまい、建設費の元がとれなくなってしまう可能性も有り、早期に調査着手を行い、実現に向けて動いてほしいところであります。

E6系のお古を苗穂工場で魔改造した新幹線に同区間で乗車する未来が来るかもしれません。

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