航空券における、エラー運賃に遭遇した場合にすることをまとめてみました。
エラー運賃とは
エラー運賃とは適切な運賃で販売される航空券が不適切な運賃で販売れさることであります。別名バグ運賃とも言われ、すべてシステム管理、ネット販売となった25年ぐらいから度々、発生しています。その範囲としてはエコノミークラスで78,000円のものが87,000円だったりとあまり違和感のないものからビジネスクラスで780,000円ものが78,000円で販売されていたりと色々です。
前者はお祭りになりませんが、後者はお祭りとなり、界隈では盛り上がったりしてしまいます。ただ、空騒ぎ、空回りとなるのが大概です。
こうした事象が発生する原因は、日本の航空会社で上場している企業は日本円(JPY)で決算しているところに起因しているのが多いようです。そうしたことから、海外発の利用者(海外発券)の運賃は現地通貨ベースで提供しているものの、日本円での採算も見ているためか、日本円に換算しているため、その変換値をシステムに入力する際に桁違いやレートをさかさまにしたり(現地通貨⇔日本円)が起こりがちと言えます。
それ以外にも、予約クラス(F,C,Mなど)と相対する運賃の設定間違いなどあり、ヒューマンエラーの最たるものであります。
かわい子ちゃんが、「間違っちゃった。テヘッ やり直して!ペロッ」とかだと許されるかもしれませんが、仕事で急用が発生して高い運賃でも支払いをしない人によってはキャンセルが勝手にされたり、チェックインできないなど怒りしかないとも言えます。
最近ではANAのインドネシア発券とベトナム発券でそうした事象が起きており、ベトナム発券ではチェックインができない事象も併発しており、オンライン販売、オンラインチェックインの課題とも言えます。
エラー運賃を見つけたら
そうだ京都に行こう
「そうだ京都に行こう」と言うのはJR東海のCMであり、思い立ったら京都に行ってみようと言う意匠のCMであります。まあ、JR東海がのぞみを高頻度運行している自信なのかもしれませんが、半世紀近くも続いているCMであり、同社の経営にとっては重要なサインなのかもしれません。
エラー運賃では航空会社がそれに気づいて、対応して自動的にキャンセルするまでには航空会社によりますが、一定の時間がかかります。原因の特定、システムを停止した場合の他の発券へのリスクの把握、正常稼働まで見通し等の対応を把握した上で、エラー運賃状態のシステムを止める対策を実行するまで時間は、日にち単位でかかったりします。
逆に言うとエラー運賃では事前購入期間制限の緩いアッパークラス等が対象となることが多く、エラー運賃を発見した当日や翌日出発でも発券可能であり、そうだ京都に行こうみたく、速攻で搭乗するまですると実現可能性は高くなると言えます。
休日を返上してではなく、仕事を返上してフライトするとエラー運賃にて搭乗することは可能となりそうです。
実際に、エラー運賃を直近で発生させた航空会社ではその震源地発の旅程で(国際線)〇〇発旅程のオンラインチェックインがご利用できない事象についてをお知らせとして水際で経営損失を防いでいるようであり、そのロックが作動する前では成功していたようです。CGKは組織的な動きが見えなかったのでしょうか、SGN,HANではそうした動きがあったのかもしれません。
欲張りは禁物
エラー運賃は航空券の予約・販売システムの更新で起こりがちであり、更新タイミングは利用者のアクセスが少ない時間になります。簡単に言うと人が寝ている時間となります。
従って、日本に住む人にとってはアジア地区では深夜から早朝にかけて、欧州地区発の航空券では朝7時前後からお昼前後、北・南米発券の航空券では午後2時から午後10時ぐらいまでが対象となります。(いずれも日本時間)
しかしながら、前述のとおり、100%に近い確率で自動的にキャンセル・払い戻しされる可能性が高いため、深夜やビジネスタイムに自分の空いている時間に旅程を確保する人もいると言えます。
しかし、結局は旅程が成立しないものに対して時間を割いて、寝不足になったりするのは無駄な行為であり、マイラーであったりする場合は効率を重視するのと反駁する感じでもあります。
従って、エラー運賃を発見した当日または翌日に搭乗できるぐらいの覚悟かないと見つけても、検索する意味はないかも知れません。
為替損益を承知の上
エラー運賃はほぼ100%の確率でその運賃でのフライトの成立は無理と言えます。航空会社の対応は違いますが、ほぼキャンセルさせられてしまいます。当然、運賃ルール条件はあれども、キャンセル手数料は無料で払い戻され、クレジットカード決済の場合は対象カードに対して決裁した金額で返金されます。
ただ、注意したいのは海外発券の場合、現地通貨決済の場合、発券した日と自動的にキャンセルされた日に間があると為替影響があります。
発券した日が1ドル100円で1,000ドル(100,000JPY)の航空券を決済したとして、自動キャンセルされた日の為替レートが1ドル98円(98,000JPY)となると、払い戻しでは2,000円ほど少なく返金されます。
海外発券ではこうした為替差損・差益は当たり前であり、前述のとおり、欲張るほどその分、損をすると言えます。エラー運賃はカード決済に耐えられる金額(カード上限額)の範囲内で実施する人が多いので300万円ぐらいの上限でも為替変動率が1-2%とすると3万円から6万円となります。
まあ、そこまで欲張らないとしても1万円以下の為替差損は有るかもしれません。以上は円高に触れた場合ですが、円安となると逆に得をすることもなります。航空券と言う玉を投資対象に出来るわけですが、為替変動の他に航空会社の以後の対応によるリスクがあるため、あまりすることは少ないと思います。
エラー運賃とは別ですが、航空会社の破綻リスクはありますが、最上級のFクラスを貯金代わりするという事もあり得そうです。
発券地までのコストを忘れずに
航空会社から仮にキャンセルの通知がなく、そのまま搭乗できるとしても、海外発券の場合、その発券地の空港まで行く必要があります。
フランス在住の人がルクセンブルグ発券でエラー運賃を見つけて発券したとしたら、TGVで3時間ほどでアクセスできますが、島国日本では海外に行く場合、ほぼほぼ飛行機での移動が強いられ、航空券コストがかかります。
マイルを利用した特典航空券ではコストがかからず利用できますが、予約・発券した時点から実際に搭乗できるまでリードタイムが数日程度かかったりするほか、数日内の搭乗の場合の運賃は高かったりするので、エラー運賃で得した金額と得られるマイルや上級会員ポイント、ビジネスクラスなどの体験価値と発券地までのコストを天秤にかけて、冷静に判断が必要です。
お祭りで盛り上がってしまいたい感情は噛み潰しての対応が必要です。
最後に
足元でエラー運賃が偶発しましたが、個人的にはその祭りに乗じることはしませんでした。SNSで流れている情報からすると、この規模だと全部キャンセルされるなと予感がし、夜中に検索しても無駄しかないと見えてしまいました。
暇な日常の清涼剤として楽しむことはできたかもしれませんが、その時間を別に(正規な海外発券探し)など費やした方がましかな感じます。
今回の件で、即搭乗したケースでは成功も有り、偶然にも遭遇したら、今日と明日の予定を返上してもマイル修行するぐらいの本気度が必要かもしれません。