ビジネスクラスの座席指定の有料化について考えてみました。
スイスインターナショナル・エアラインズの割引ビジネスクラス
ノルウェー・オスロからタイ・バンコクまで往復です。日程はご覧のとおり、ゴールデンウィークの終わりにバンコクに向かい、7月末の東京オリンピック真最中にオスロに向かう旅程です。組み合わせでは旅行に活用できそうです。
機材はバンコクとの間はボーイング777-300ERと同社のフラッグシップです。予約クラスは70%加算のPクラスであり、プレミアムポイント合計は9,125PPですが、運賃は132,552円とスイスインターナショナル・エアラインズのビジネスとしては破格です。
ノルウェー・エアシャトルへの対抗と思いますが、シートが全然違うので魅力的です。
PP単価は14.52円と良くはありませんが、アジアでプレミアムポイントを稼いで、エコノミー並みの運賃でビジネスにて欧州に行くと言うのも有りかもしれません。
シートが有料
少し本題からずれましたが、この旅程で座席指定に進むとシートが色分けされています。2人席は白、1人席はブルーとなっています。
このブルーは有料であり、1席確保するのに日本円で約24,000円かかります。2,400円だったら購入しても良いですが、往復合計で5万円近くとなると普通は購入しないと言えます。
これは割引Pクラスからだと思いましたが、上位のクラスであるDクラスでも同様です。同社の上級会員のセネターであれば無料であるものの、この値付けだと恐らく、買わないため、締め切りまでに値下げをしていくと想定されます。
一旦2人席で確保して、チェックイン開始時間ピッタリにチェックして、即座に1人シートを確保する等の対策はできそうですが、ついにビジネスクラスにも座席の有料指定が来たと感じてしまいます。
1人席がすぐに埋まってしまうという上級会員からのクレームなのか、人気のシートでより利益を出そうとする企業側の努力なのかよくわかりません。
プライバシー席と言うことですが、2人席をやめて、ヘリンボーンタイプやスイートタイプにすればいいのかなとも感じてしまいます。大きな設備投資なので、計画段階では想定していなかったのかもしれません。
日本でのビジネスクラス座席指定有料の可能性は
ANAとJALのビジネスクラスのシートは現在、無料で指定が可能ですが、VIP扱いの人が搭乗する場合に備えて、最前方の入口に近い席(ANA場合、2~3クラス制の機材では1A)をチェックイン時間まで指定不可にしているケースがありますが、それ以外は基本的に選択できます。
ANAの例では窓側にシートが設置されているA席やK席が人気であり、大体埋まっています。
ANAもJALも長距離路線では、幸いシートは個室タイプで運用されており、1人席と2人席で大きな差が出ることはありません。
特にANAが最近導入した新ビジネスクラス「THE Room」では、窓の有無、進行方向に対して正逆の違いはありますが、基本的にはスペースや床面積は同等であり、有料化にするメリットはなさそうです。
ただし、ANAマイレージ会員ではプレミアメンバー(ダイヤモンド・プラチナ)向け以外はエコノミークラスの安い運賃では座席指定にしている実績もあり、もしかしたら、割引の運賃の場合(Pクラス)は窓側+1万円とかなるかもしれません。
また、この仕組みを取り入れるとエコノミーやプレミアムエコノミーからのアップグレードではチェックイン時間まで座席が指定できない、または有償で指定という事態になるかもしれません。特典ビジネスも然りかもしれません。
やはり上級会員ステータスがものを言う
スイスインターナショナル・エアラインズの場合でも、同社の上級会員が無料で指定できるシートがある点やANAではエコノミーでプレミアメンバー(ダイヤモンドとプラチナ)に無料で座席を指定できることから考えると、上級会員のステータスが力を発揮するかもしれません。
ダイヤモンド会員の場合はVIP対策用シート以外の解放されたシートは自由に選択でき、割引運賃でも利用のメリットがありそうです。
また、マイル修行する場合もステイタスポイント単価に加えて、サービスレベルまで把握するようになるかもしれませんが、上級会員となれば、サービスのチェックはフリーとなり、現状の良さが続きそうです。
最後に
ビジネスクラス座席有料指定は全体的には改悪と言えますが、収益力を上げて、事業を継続すると言う意味では航空会社が解散して、世界各地に行けなくなるのと比較すると致し方ないとも見れます。
そして、上級会員の差が際立ち、マイル修行のメリットが再び見直されるかもしれません。
将来はビジネスクラスに搭乗の際、ドリンクの注文時に「シャンパンお願いします」と言うと、「上級会員以外の方はスパークリングワインとなります、シャンパンは有料です」言われるかもしれません。現実には気分を害するので、属性ごとにメニューを分けるなどすると思いますが。
上級会員確保までのマイル修行ではアッパークラスのサービスレベルもチェックや比較する時代が訪れようとしているのかもしれません。