大分の温泉地である別府から佐賀県の県都である佐賀市までの移動ルートについて最速とコスパを考えて、試してみましたのでお伝えします。
どんなルートがあるのか
今回は別府から佐賀空港に移動する必要があり、且つ、空港には18時までに到着したいところでした。大分と佐賀は近いのですが、公共交通機関では新幹線もなく、空路もなく、心理的に遠く感じます。
そのため色々とルート検索してみました。すると以下のルートが候補となりました。
鉄道
別府⇒博多⇒佐賀
別府⇒大分⇒鳥栖⇒佐賀
鉄道については脚の早い、ソニックで博多まで行き、リレーかもめまたはみどりまたはかさざきで佐賀に行くか、鉄路としては最短距離の久大本線を横断して鳥栖で佐賀に向かうパターンがあります。
前者は便数が多く、接続の組み合わせも期待できますが、走行距離は長く、距離に応じて課金されるJR運賃では最高となります。
続いて、九州を横断する久大本線は距離は短いですが、山間を貫くため、スピードが遅く、本数が少ないため、組み合わせに難があります。
博多経由では別府発14:11のソニックに乗り、博多で6分の乗り換えでかささぎ号に乗り換え、佐賀には17:16に到着します。所要は3時間5分と早いです。
一方で、久大本線横断のルートでは別府発13:13の特急ゆふ号に乗り、鳥栖16:06に到着し、鳥栖発16:16発のリレーかもめで佐賀着16:33が最速となりそうです。所要は3時間20分となります。
バス
別府(北浜)⇒高速基山⇒佐賀バスセンター
1.別府⇒基山
この区間運行されているバスはとよのくに号であり、停車は下記のとおりです。
博多バスターミナル
西鉄天神高速バスターミナル
福岡空港国際線
高速基山 ※大分行きは乗車のみ、福岡行きは降車のみ
高速別府APU前
別府自衛隊前
鉄輪口
横断道路観光港入口
別府(北浜)
福岡方面は福岡空港(FUK)にも停車します。基山停車後は別府エリアまでノンストップとなっています。別府側の高速インターは東九州自動車道(E10)の別府インターであり、高速別府APU前を過ぎると九州横断自動車道(E34/大分自動車道)を横断し、鳥栖ジャンクションで九州自動車道(E3)移り、福岡方に向かいます。鳥栖JCTからすぐのところにあるSAが高速基山となります。
ちなみにAPUは飛行機の後ろについている補助動力装置ではなく、立命館アジア太平洋大学の略称であります。
運行会社は西日本鉄道、大分交通、大分バス、亀の井バスと結構、共同運行であります。運賃は別府から高速基山まで3,250円となります。JRに一丸となって対抗しているようにも見えます。
2.基山⇒佐賀バスセンター
この区間運行されているバスはわかくす号であり、停車は下記のとおりです。
西鉄天神高速バスターミナル
高速基山
高速鳥栖神辺
高速中原
高速神埼
高速金立
高志館高校前
アルタ高木瀬店前
高木瀬公民館前
館橋
SAGAサンライズパーク北
SAGAサンライズパーク(市文化会館)
商業校門前
佐賀駅バスセンター
佐賀第二合同庁舎
と各駅停車タイプは停車駅が佐賀県内では多く、運行は西鉄バスとなっています。運賃は高速基山から佐賀バスセンターまでは1,100円であり、別府からのトータルでは4,350円となります。
時刻については別府(北浜)バス停を14:00に出発し、高速基山に15:55到着、同バス停で佐賀行きのわかくす号に22分後の16:17に乗り継げば佐賀バスセンターには17:02に到着し、空港への接続バスに間に合います。
所要時間は3時間5分であり、ソニック+かささぎに並びますが、コストを考えると前述のとおり、圧倒的にバスであります。
という事で、今回は高速バス乗継の旅としてみました。時間は一応余裕をとって、ひとつ前の別府(北浜)12:30発に乗り、高速基山で14:47発の佐賀行きに乗れば15:32にしてみました。こちらも所要は3時間2分であります。
高速バス乗車記
高速バスの乗り場がわからない
別府のホテルを正午にチェックアウトしてバス停に向かいます。バス停は徒歩10分程であり、迷うことはないと思いました。デパートのところまで行けば辿り着くと思い、行くとバス事務所的な建物があり、全の旅では大分空港から同バス停に着いたのでここかと思うと時刻表がなく不安になりました。辺りを見渡すとデパートの前に高速バス乗り場がありました。
同バス停にはそこそこ待っている人がいました。バスが予定通りに来ると、事前予約必須の同バスであり、モバイル画面を見せて乗車します。座席は自由席であり、後ろの方に着席してみます。
バスは一般的な2-2配列であります。乗車率は3割と言った感じであり、後ろ程空いています。バスの後列席は酔いやすい説が生きているのかもしれません。
USBポートがあり、充電が可能であります。時間やコストだけでなく、サービス面でもJR特急よりもメリットがありそうであります。
バスが発車と同時に車内からはプシューと言う音が聞こえます。休日も有ってかアルコールを飲んでいる人が多く、後席ほど多い気がしました。バスに酔われる前に酒に酔うと言うことかもしれません。もちろん、私もコンビニでチューハイを調達していました。
飲み過ぎて、トイレが近くなってもトイレが最後部にあり、安心であります。
別府市内は湯煙だらけ
先述のとおり、別府市内では4か所停車して行きますが、その停留場付近は湯煙が経っている場所が多く、温泉地をあることを感じることができます。
地獄だらけの別府であります。ここでも湯煙を見ることができました。
別府市内のバス停を停車しながら、かなりの勾配を登り、いつの間にか市内を見渡せる景色となっていました。鉄道では味わえない景色であります。
順調な高速道路移動
九州横断自動車道に入るとかなりの高地を走る高速道路であり、景色はかなり良いところであります。久大本線が川沿いを走るのとは対照的に高地の架橋やトンネルが多いのが特徴であります。
久大本線とは違い、平成に開通した道であり、耐災害性や走りやすさは改善しており、日本は道路が強い国かもしれません。
日田を過ぎると夜明付近となります。列車が走っていない日田彦山線が右に、左には後継のBRTが走る予定のR211号が見えます。
バス車内では高速基山停止のアナウンスがあり、バスらしくピンポンを押します。子供の頃のように躊躇なく一番で押します。
高速基山は歩きが多い
このまま、まっすぐ長崎道を進めば、早いと思いつつも、博多行きのバスは鳥栖JCTにて、左側に車線変更し、ジャンクションから北上します。
と言っても、数分で目的地の高速基山に到着します。
写真は高速基山の福岡方面のバス停であります。
バスは荷物を下ろすとすぐに出発していきました。高速バスのサービスエリアにあるあるのバス停でした。
高速基山バス停で反対方面に移動する場合は結構、時間がかかります。高速バスは基本的に博多がハブとなっているので、博多以外からの出発地から高速基山で乗り換えとなると、基本的には上りと下りの入れ替えとなり、高速の上下線移動となります。
まずは下道まで降りる斜路を通り、降りたところに案内があるので間違いがないか確認します。
そして、一般道とともに高速を下から跨ぎ、九州自動車道の熊本方の車線にあるサービスエリアに向かいます。
反対側(今回は下り側)のバス停までは5分くらいで行けるので、それを前提した乗継を組み合わせれば、事後渋滞でもない限り乗り継げそうです。
下り側のサービスエリアまではバス停から2分くらいで行けます。セブンイレブンやドトールがあります。
佐賀駅は近い
20分程の乗継待ちでほぼ定刻通りに、佐賀行きの高速バスが来ます。同バスはノーアポであり、Suicaでも乗車できます。西鉄運行であります。
車内は2-2配列であり、普通であります。乗車率は5割であり、前後左右は隣席はいないものの、窓側には誰かいたと言う感覚であります。
各駅タイプなので、各バス停に寄りますが、ほとんど乗降はなく、都市間バスと言ったところであります。ノンストップとあまり変わらないかもしれません。
稲刈りも終わった景色であります。この辺りは吉野ケ里遺跡も近いので、弥生時代の人たちもこんな時期にこうした景色を見ていたと思うと感慨深くなります。
バスは佐賀大和ICで高速を降りて佐賀駅に向かいます。途中にはイオン佐賀大和があります。別府から佐賀までの間に高速からイオンがところどころに見え、やはり車とイオンの時代は続いていると感じてしまいました。個人的にはカルビ肉祭りが気になってしまいましたが。
時刻表を見てから時から気になっていたアルタ高木瀬店前バス停に停車であります。「明日来てくれるかな?」「いいとも!!」♪チャーンランチャッチャ・・・・を思い出し見ました。何で佐賀にアルタなのでしょう。
そんなこんなで予定通りに佐賀バスターミナル(佐賀駅直結)に到着となりました。トータルでの乗車率は4割で子連れがいなく、静かな空間でした。
おまけ、佐賀空港まで空港バス以外でアクセスしてみた
先述のとおり、高速バスは予定通り到着し、佐賀空港までダイレクトアクセスするバスは17:30までなく、2時間近くあります。市内で時間を潰すのも良いですが、空港に行けば新しくなった佐賀空港を堪能できます。
一方で、佐賀駅から佐賀空港までは結構遠く、14km近くあり、タクシー代は5,000円は超えるくらいとなりそうです。
という事で、太川陽介風に路線バスで近くまで行き、そこからタクシーで行くと言う目論見を立ててみます。空港まであと4kmのところまでは路線バスでアクセスができるようで、それにトライしてみました。高速バス到着から15分程で乗り継ぎとなりました。
結構、バス車内は混雑していましたが、郊外になると立っている人はいなくなりました。意外と乗車時間は長く、30分くらいでした。
30分程で空港に最も近い、咾分(おとなぶん)と言うバス停にて下車します。乗車した日はなんと、佐賀市営バスが無料の日であり、バス代約400円が浮きました。
バスがどれくらいで咾分に到着するかわからないため、タクシーの配車を迷っていましたが、同バス停まで5停車前の位のところで配車してみました。
バスを下車して4分ぐらいで配車したタクシーは到着し、空港に向かいます。空港までは5分足らずで到着しました。タクシー代は1,700円くらいであり、路線バスの効果があったと言えます。空港アクセスバスよりも90分程早く到着となりました。
最後に
別府から佐賀・長崎まで利用するとなると、鉄道の場合は新しくできた西九州新幹線で新大村まで行った方が航空便の選択肢が多く、コスト的にはあまり差がないと言えます。
佐賀空港利用必須の場合は、鉄道よりもバスの方がコスト的にも時間的にも優位であり、なんとも不思議でした。久大本線の景色も良いですが、大分自動車道の景色もなかなかであり、高速道路に鉄道が侵食されている日本の縮図が見えてしまいました。
自動車製造大国でもあり、国内でもそれを支えるために国策的に高規格道路がどんどん増えてるいることは否定できません。
後は世界トップの自動車会社が同県内のトップの鉄道会社に出資したりすると、軽自動車やバイクやピアノで有名な会社等の有る県に何かの作用があり、不思議なマリアージュがが起きるかもしれません。