バンコク発券を少し覗いてみましたので、お伝えします。
バンコク発券とは
令和な今はネットで世界中のほぼどこの空港発の航空券が購入できます。決済はクレジットカードなどの現金以外の手段が必須でありますが、逆にポイントが加算されるため、積極的に活用できると言えます。
しかし、20世紀では海外発券と言うのはなかなか珍しい存在であり、海外にある旅行代理店では、主に海外に駐在している日本人の一時帰国向けに海外発券の日本往復を販売していましたが、それ以外に日本在住向けに門戸を広げていたところが扱う特殊な存在でした。
決済は海外送金やFAXでクレジットカード番号を送信するなど今ではなかなか、時間がかかり、セキュリティ上も問題になるようなことをしていたものであります。
また、コロナ禍前の令和時代ではクアラルンプール発券やインド発券など脳内発券とも言えるぐらい簡単に航空会社webサイトでできていましたが、その当時は現地の代理店頼みであり、日本人が多くいるバンコクなどは日本語対応していたほか、東洋の十字路でもあることから航空券の種類が豊富でした。
さらに、円の強さがあり、THB決済となるとそれが顕著でした。
あれから20年、日本は経済力ではまだ上ですが、円の価値はTHBに対してはかなり弱くなっており、今ではバンコク発券はあまり主流ではなくなっています。
シンガポール航空はすでにアフターコロナ狙いか
シンガポール航空はあまり飛行機に乗らない人でも、巷の情報からサービスが良さそうと言うイメージが認知されており、乗りたいと思う航空会社でもあります。
たしかに、エコノミー、プレミアムエコノミー、ビジネス、ファーストと各クラスで何一つ文句のないサービスであります。それであれば安くする必要はありませんが、同社のメリットでもデメリットであるのはシンガポールチャンギ空港がハブ空港であると言う点であります。
シンガポール航空では以遠権は保有しているものの、基本的にはハブ&スポークはチャンギ空港であります。
チャンギ空港はほぼ赤道であり、ヨーロッパからもアメリカからも遠い地点にあります。欧米からオセアニア向けには中間地点とも言えますが、そうした地域間でノンストップフライトが増えるとSQのメリットも薄れていきます。
さらに、金融では東京に匹敵するような拠点であるシンガポールではありますが、同国自体の人口は隣国のタイやインドネシア、マレーシアと比較すると少なく、ビジネスクラスの需要は有っても、安定的な頭数のある需要は取り込みたいと考えると安泰とは言えません。
そうしたことから、シンガポール航空はそのサービスの高さとは裏腹に戦略的に局所では安い運賃を設定するキャリアでもあり、その潮目がマイル修行ではねらい目でもあります。
バンコク発券シンガポール航空
かつてのバンコク発券を彷彿とさせるプレミアムエコノミー(泰新間はエコノミー)往復であります。
バンコクとシンガポール間は機材的にエコノミーであり、シンガポールからニューアーク空港(EWR)まではA350-900ULRのプレミアムエコノミーとなります。
なかなかの修行と言うか苦行のルートでありますが、国際線がご無沙汰だとたっぷり国際線を堪能できそうであり、意外と満足できるかもしれません。
乗り継ぎ時間は往路は100分、復路は14時間でありますが、チャンギ空港の制限区域の施設の充実さがそれを楽しくしてくれます。と言っても、現在の状況でどれぐらい耐えられるかというのも調べるのも旅の楽しさでもあります。
運賃はタイバーツで36,905THBであり、日本円にすると約137,471円となります。今回の旅程ではバンコク-シンガポール間はエコノミ-Q(ANAでは0%加算)、シンガポール-ニューアーク間ではR(ANAでは100%+400PP)となります。
結果的にプレミアムポイント合計は(9,535×2)+(400×2)=19,870PPとなります。気になるPP単価は6.91円/PPと原油高と円安の影響が何かと言うくらいの単価であります。
アジア内の積算がなくても超長距離のメリットがとても出ています。
片道では
18時間超のフライトは厳しくワンタイムで良いと言う人向けには片道の航空券も設定されています。片道のメリットと言うと予約クラスが積算率の高いものを想像しがちですが、SQではそうではなく、Q+Rクラスの組み合わせであります。
こちらの運賃は25,925THBであり、日本円では約96,570円となります。往復の方が明らかに単価的にメリットはありますが、ニューヨークから自由に移動したい人には良いかもしれません。
プレミアムポイントは9,935PPであり、9.72円/PPと片道でも10円を下回っています。
ビジネスクラスを利用したい場合はmySQアップグレード
バンコク-シンガポール間は3時間以内であり、エコノミーでも我慢できますが、シンガポールからニューアークは18時間超と広いプレミアムエコノミーと言えども厳しい場合にはビジネスクラスへのアップグレードができないかと考えてしまいます。
クリスフライヤー会員であれば、その道は容易いのですが、ANAダイヤモンドを目指すとなるとAMC内でアップグレードを考えますが、一番近道な同プログラムのスターアライアンスアップグレード特典では今回のRクラスは対象外となります。
アップグレードの道は断絶となってしまいますが、ビジネスクラスの座席を利用したい場合にもう一つ道はあります。
シンガポール航空ではmySQアップグレードというオークションアップグレード制度があり、入札金額を投入することで、空いているビジネスクラスの席を入札で競り勝つ可能性があります。
前提としてはビジネスクラス席に搭乗直前で空席があること、ビジネスクラス残席が残り一席の場合には、入札金額の高さが決定打になると言うところであります。
しかし、ビジネスクラスが大量に空いている日では、クリスフライヤー会員のマイルでのアップグレードは優先されるものの、オークションアップグレードは現金が入るため、結構強い立場と言え、最低金額で入札しても成功する確率は高いと言えます。
ただし、この制度でアップグレードが成功しても、予約クラスは元のRクラスでAMCには積算されるため、PP単価はオークションアップグレードに費やした分、悪くなります。まあ、同区間のビジネスクラスの運賃と比較すると効果ありそうです。
最後に
今回はバンコク発券であり、タイからアメリカに行く検疫の今を調べたり、チャンギ空港での乗り継ぎの過ごし方、USからの搭乗条件など整理する必要はありますが、そうしたチェックも、海外発券の醍醐味がダイレクトに味わえそうな路線であります。
何よりも世界最長フライトを堪能できるのは良いかも知れません。
そして、日系キャリアの国際線が高い今、スターアライアンス便でプレミアムポイントを確保すると言うのは今かもしれません。(ライフソリューションサービス狙いの人は要注意ですが。。)