羽田空港のANA SUITE LOUNGEの現在はどのような状況か、2019年4月以降に確認してみました。
羽田空港ANA SUITE LOUNGEが混雑の件
多くの航空会社において、ファーストクラスラウンジと言えば、静寂とスペシャリティがキーであり、それを感じさえすれば、かなりのポジティブな印象となります。
しかし、ANAの羽田空港ラウンジにおいては、ダイヤモンド会員の特典として選択できたANAラウンジ利用券により、限られた人しかアクセスできないラウンジが劇混み状態が続いていました。
混雑のカラクリ
ANA最上級会員、一部のミリオンマイラー、ファーストクラス搭乗者(1便あたり8席)が利用できるANA SUITE LOUNGEは2019年3月まではかなり混雑していましたが、4月以降はかなり空いています。この空いている状態は羽田空港国際線ターミナルが供用開始され、同ラウンジの提供が開始された時期の水準に近いと言えます。
これまでなぜ混雑していたかと言うと、ANAダイヤモンド会員特典としてスイートラウンジ利用券をもらえる特典が要因と言えます。
無記名式のため転売が容易であり、他の選択できる特典よりも、最も価値があるとみた会員が多いのが最大の要因と言えます。そして、売れば買う人もおり、どこの馬の骨ともわからない利用者がスイートラウンジのメリットを最大に享受するため、滞在時間が長くなり、混雑状態が続いたと言えます。
個人的には、SUITE LOUNGEと言いつつも、数千円を費やしてまで滞在する程、満足かどうかわかりません。オークションサイトにて数千円で購入し、朝からたらふく飲食を繰り返し、深夜便で搭乗するとなれば数千円の価値では済まないと言えますが、そんなに面白いか不明であります。
2019年4月以降のSUITE LOUNGE
ANA ダイヤモンド会員向けの特典が2019年に大きく変化しました。それは、複数ある選択式特典の中、これまでのSUITE LOUNGE利用券の選択方法が大きく変わった点であります。
これまでは選択式特典に加えて、国内線・国際線共通機内販売用クーポンまたはSUITE LOUNGE利用券から選択でした。この場合、確率的にはダイヤモンド会員の半分に配布されていました。実際は転売価値を求めて、半数以上いたと推定されます。
しかし、2019年からは選択式特典のひとつとなり、確率的には8分の1となりました。
また、記名式となったため、転売すると身バレしてしまうことも牽制となっているようです。
その効果が大きく、4月以降はガラガラであります。以前のようなプレミアムな空間に戻っています。
例えば、スタッフの方の対応が変わりました。これまではラウンジに入り、着座すると挨拶とドリンクを手配してくれていましたが、最初だけでした。
しかし、4月以降は、空いていることにより、目が行き届くのか二杯目以降もグラスが空いていると言わずとも来てくれて、次のドリンクを伺ってくれます。また、何も言わずともスナックも持ってきてくれます。
ダイヤモンド会員が減少しているのか
マイレージ会員は基本的に経年とともにストックされていくため、会員は年々増えていき、会員が増えるとアクティブに利用する上級会員も増えていきます。
しかし、スイートラウンジの最近利用状況やアップグレード適用状況をみるとダイヤモンド会員は増えているのか疑問も残ります。
原因としては上級会員になるために必要なプレミアムポイントを獲得する条件が厳しくなったことが考えられます。
たとえば、これまでどんな運賃でも100%加算であったプレミアムエコノミーが割引運賃に限り70%加算なったことや国際線接続の国内線のマイル積算率が基本的に国際線積算率に合わせるなどがあります。
また、特典として、エコノミークラスのどんなクラス、特典でもプレミアムエコノミーへの変更が可能であったのがなくなりつつあるなど、修行をしてまでダイヤモンド会員になることをやめているのではないかと思います。
以前はプレミアムエコノミー運賃からでもアップグレードは当日、チェックインカウンターに行ってアップグレードされたり、最悪アップグレードもなしと言うことがありました。
しかし、最近はエコノミーMクラスでは、数日前にアップグレードが落ちてきたりするのが多くなっています。
こうしたことから、アップグレードで競合する会員が減っている可能性も考えられます。これまで無条件にアップグレードでは優位に立っていたプレミアムエコノミー運賃の序列が変化した効果が大きいかもしれませんが、ずいぶん変化を感じます。
最後に
文字通り、全日空いているスイートラウンジはダイヤモンド会員にとっては良い改変と言え、以前のように静かなラウンジで過ごすことができます。
また、プレミアムエコノミー70%積算も改悪と言えば改悪ですが、別な視点から見るとアップグレードできるエコノミー運賃からUGされやすくなったなどダイヤモンド会員への実質的にサービスが厚くなったとも言えます。
改悪と言われるものも全体的にはサービスアップとも言えるかもしれません。