イタリア路線のコードシェアから、2020年に開始予定であった華やかなANA新規就航路線を考えてみました。
ITAエアウェイズとコードシェア
昨日、プレスリリースで以下の内容が出ていました。
概要としてはANAとイタリア国営(国営がいいところなのかは不明)であるITAエアウェイズがコードシェア提携を契約したとのことです。既視感が強いのですが、以下のリリースがありました。
ITAエアウェイズの前身と言うと聞こえが良いですが、同国フラッグシップキャリアであったアリアタリア航空の経営破綻により、救済的な位置付けとして国営となっているようです。ただ、スターアライアンスのユーラシア大陸では名手のルフトハンザが出資を受け入れることとなつており、スターアライアンスを離れるスカンジナビア航空に代わるスターアライアンスのオペレーターとして期待がされます。
北欧より南欧の方が人口が多く、客単価は不明ですが、スターアライアンスネットワークに取り込むとすれば大きな一歩かもしれません。
そうした提携ですが、今回のルートを見てみます。
ITA運航ルートのANAとのコードシェア便
ITAが運航するルートでのコードシェア便は下記の通りです。
羽田↔︎ローマ
ローマ↔︎ボローニャ、ベニス、トリノ、フィレンツェ、ナポリ
となっています。いずれもローマ(FCO)が対象となっています。
ANA運航ルートのITAとのコードシェア便
一方でANA運航でITAコードシェア便は以下の通りであります。
羽田↔︎新千歳、広島、福岡、沖縄那覇、伊丹、関西
となっています。
先述の通り、2018年のリリースではAZ便の国際線区間(日伊)はミラノが含まれていましたが、それがありません。破綻した旧アリタリア側の意向かもしれませんが、ちょっと不思議であります。
ANA自体はミラノ就航に向けて取り組んできたところに今回の発表ではローマのみとなっています。逆に言うとミラノ線で新たな動きがあるかもしれないと言うところであります。
ミラノ線が早々に就航となるのか
ANAにとっては長年、同社にはなかったイタリア路線が開設となるとかなり大きな変化がありそうです。東京とミラノ経済的なつながりというとロンドンやフランクフルトと比較すると大きくはないようにも感じます。同社の開設路線を見るとビジネス需要がないところは観光等の新たな需要喚起に期待は対象外として、確実に経営に寄与する路線のみとしているようです。ホノルル路線だけは高額な買い物の返済のためか観光需要を喚起(実際はJALの需要のリプレイス)していますが、その他路線は硬いようであります。
かつてはミュンヘン路線にB777-300ERを投入する計画もありましたが、実際は週3便でボーイング787-9型機となっており、現実的には需要のシュリンクが進んでいるところかもしれません。
まあ、難しいですね。ビジネス需要以外で観光(ツアー)で稼ごうとしても包括的な旅行よりも自由に行動したい人が多くなっており、特定の土産物屋からバックを受けてマネタイズするビジネスも危うくなってきています。
かと言って、SNSも移ろいが早く、当てにならないGAFAみたいなところが末端の利用者の有用性を無視して色々な更新をするので、厳しい世界かもしれません。
そんな意味ではミラノ線の解説は厳しいかもしれません。ITA側は日伊の政府間で何かしらのメリットがあるので運航しているかもしれませんが、それ以外はどうでしょうという感じです。
まあ、CAさんたちは現地でブランド品を買い付けて、並行輸入を副業とすればマネタイズすることは可能かもしれませんが、昔ほどブランド志向は日本では顕著に減少しているので、一部の効率性を無視した富裕層向けに受け入れらられればチャンスかもしれませんが。
最後に
日本発の直行便で新規就航というのはかなり厳しくなっています。バブル以前のような経済力があれば、行け行けドンドンでドンドン開設できたかもわかりません。実際、その当時はノンストップでないにしても海外の就航地の地名を多く聞いたと感じています。
しかし、いまは世界の大都市以外は就航はほとんどなく、淋しい状況が続いている感じてもあります。この状況は年金世代が裕福になってから胡座を描いていたのか、自身の子供の教育を税金に任せていたのか、そもそも地政学的に弱い国なのか不明ですが、なんかワクワクすることが少ない時代であります。
そんな意味では鎖国時代みたいにして、人口減少で一番の最大幸福を求める方が最適解とも見えてしまいます。本当にワクワクすることがない時代であります。これから成人する人には夢も希望も少ない時代であります。しこちゃんみたく、「つまんねぇーなあー」であります。