羽田発フランクフルト行きの夜行便に搭乗し、貴重なルートを飛び、オーロラが見えましたのでお伝えします。
夜行便だがサービスはフル
ANA203便は定刻21:45発であり、フランクフルト空港には朝5:20に到着する夜行便であります。ANAでは夜行便が多く、シドニー、ロサンゼルス、サンフランシスコ、ホノルル、クアラルンプール、シンガポール、バンコクなど結構多くありますが、飛行時間ではおそらく一番長い夜行便であります。
以前はウィーン便も夜行便としてありましたが、現在運休中のため、フランクフルト線のNH203便が夜行便となります。一方で、折り返し204便はフランクフルトを昼に出て、東京には翌朝9時前に到着するので夜行便としては微妙であります。
スイートラウンジは新年を迎えていますが、平常モードでした。お屠蘇は元日だけのようです。リースリングは甘いと思っていましたが、加齢により、味覚が変わったのか合っていました。
ANAラウンジから一直線の109番搭乗口からの搭乗であります。本日の機材はB789なので、ファーストはないのでここに並んでいる人は基本的にダイヤモンドですが、数名(片手)しかいませんでした。
ビジネススタッガードも結構古く感じてきましたが、フルフラットで横になれるのは良いところであります。JALみたくガワだけ直して、リニューアルとかだとちょっとがっかれかもしれません。プレミアムクラスのコンプラ的トラウマがあるのであまりそうしたことはしないと思いますが。
本日は1Aであります。一番座っている席かも知れませんが、一番前はやはり良いところであります。
座面にはアメニティ一式が置かれています。グローブアンドトロッターはどこかで見た色であります。
とりあえず、ビニールを剥がし、回収してもらいます。グローブアンドトロッターは前回、JFKに行った際と同じ色でした。無難で良いのですが、同じものだが二つあると飽きてしまいます。
パジャマでおじゃまを頼み遅れてしまい、最後の1着となりました。ちなみにサイズはLLでした。しかし、ちょうど良い位でした。サイスが日本間隔と違うのかもしれません。そんなに体格は良くなっていないのですが。
ビジネスクラスは歯ブラシやマウスウォッシュがあるので、いちいちバッグから取り出さずにすみます。欧州基準では批判されそうですが。
ウェルカムはスパークリングワインであります。機内食タイムのシャンパン銘柄はかなり、炭酸がきつく、シュワシュワと言えば良いのですが、気圧でナチュラル発泡剤状態だとちょっときついのですが、こちらは緩い感じで良いかもしれません。地上という事もありますが。
離陸であります。フランクフルトの離発着枠の関係から30分遅れで出発でありますが、結局1時間近く遅れて離陸します。
iPhoneのカメラは変にHDRを効かせたりするのが、少しうざいところでもあります。加速度センサーとかで動いている最中でもHDR作動させたらどうなるかとかわからないみたいです。
敢えて、HDRをオフにすると今度はフラッシュを勝手に発光させたりします。AIはまだまだですね。東京タワーが見えますが、変な画像となってしまいました。
離陸すると北米に行くかと思うようなルートであります。本来は新潟方面に向かいますが、たまに札幌上空を通過することも有ったので、まだルートはわかりません。
機内食メニューが配られます。ウィーン路線では離陸後は寝てください的なメニューでしたが、NH203便は通常のフルな夕食でした。
まずはドリンクからであります。コルシカ島のロゼワインであります。コルシカ島と言うとナポレオンでありますが、どちらかと言うと幽閉されたセントヘレナ島の方が興味が沸いてしまいます。
ロゼには割とあるグルナッシュであります。個人的にはロゼは酒くさい感じがあり、最初からどっぷりアルコールワールドに浸かれるのがいいのか最近よく飲みます。
通常はパストラミターキーとチリポテトでありますが、おせちバージョンのアミューズでした。
内容としては黒豆とコボウ、カステラ風伊達巻、かまぼこ、数の子、そして、田作りであります。サザエやアワビ、イクラでないところは質実剛健と言ったところなのでしょうか。
続いては、アペタイザー(前菜)であります。
カニサラダ 黒胡椒風味のシューに詰めて
平目と紅芯大根のミルフィーユ
蒸し鶏と菜の花、干し柿、たくあんの白和え
イカ墨ピラフのイカ飯
まい泉のミニサンドかと思うのが左端にありましたが、蟹サラダが間に挟んでいました。隣はひらめと赤い大根であり、視覚効果狙いでしょうか。そして、右隣りは白和えであり、ここは安定の日本的な出汁が効いた落ち着きであります。
一番右端はイカ墨のピラフのイカ飯という事で、北海道・森でもなかなか出会えない味であります。
ブレッドは長距離国際線仕様であり、オリーブオイルに粗塩、ブラックペッパー、バターとどっぷりフルサービスであります。
メインディッシュであります。選択肢は下記の通り二つであります。
牛フィレ肉のソテー 赤ワインソース 百合根のピューレと野菜の出汁煮添え
真鯛の唐揚げ 野菜の裏ごしと海苔餡 かぶら餅添え
2023年初のフライトでもあり、新年は鯛という事も有り、唐揚げと言うのは飛行機は揚力が必要という事もあり、揚げはある意味縁起ものなのかもしれないので、鯛にしてみました。
ミニトマトとブロッコリは色的には良いのですが、和な素材で選択肢がなかったのかと思ってしまいました。山菜とかヒントはありそうですが。
デザートは甘いものは回避して、チーズにしました。赤が良いのでしょうが、酔ってこぼすとシートやシーツにご迷惑をかけるので選択しやすい白で我慢しました。冷たいから選択したわけでもありますが。
異次元の飛行ルート
チーズを食べ終えると飛行機は北方領土南側を飛んで行きます。ほぼ、北米行きのフライトであります。北米行きで789と言うのが新鮮であります。(YVR、SEA、SJC便もいまだ未経験であります)
このあと、寝落ちてしまい、一瞬、目が覚めるとバローと言う文字が見えました。アメリカ最北端のバローの近くを飛んで行きます。以前はここに行ってみようと画策して、アンカレッジやフェアバンクスなどの経由を色々調べたものであります。(いまだ行っていませんが)
さらにエクストリームなフライトは続き、北米寄りではありますが、北極海を渡ってグリーンランドを目指します。この辺りは北緯70度から80度であり、キワキワなルートであります。
そして、グリーンランドの上空であります。横長の世界地図(メルカトル図法)では大きいグリーンランドも意外と早く流れていきます。
ここに上陸するために色々と計画を過去から今まで計画を立てていますが、レイキャビックかコペンハーゲンのどちらかであり、いずれも飛行機代が高く躊躇してしまいますが、実際に上空を飛べるのは感慨であります。
オーロラが
日本時間で言うと朝8時くらいに自然と目が覚めてしまいました。日本時間で深夜1時くらいに寝ても7時くらいにはいつも起きるので当たり前と言えば当たり前ですが。
ほぼ、グリンランドを抜けるような頃でありました。おそらく、この辺りは北緯80度ぐらいで北極からかなり近い場所であるようであります。
するとCAさんから、「今、オーロラが見えています!」という案内を複数の方から受けて終始、真っ暗な窓を見てみます。
するとオーロラが見えます。ネットなどのタイムラプス映像とは違い、「今日運動会があります。」ことを伝える早朝の花火の後の煙のように漂っている姿でありました。
きらめき感はあまり感じられないものの、結構、見えている時間は5-10分くらいはありました。
折角なので、ミラーレス一眼で補足しようとするとA,Pモードでは無理であり、結構な仕込みが必要でありました。時間がないのでiPhoneで撮影すると焦点は緩いですが、シャッターを切る度にほぼ、撮影はできました。
オーロラはアラスカやグリーンランド、スウェーデン、ノルウェーの北部に行かないと見えないと思っていましたが、まさかの飛行機の上から初見とも思いませんでした。
感動の余韻でワインを飲み、そのまま、食事となります。フライトルートは薄々、予想していましたが、オーロラは予想外でした。
北極を中心とした地図でのフライトルートでもいつもの欧州線とは違います。実フライト的には7,880マイル超のフライトであり、B789は追い風とは言え、8,000マイル飛べる実力があるという事わ認識しました。
シンガポール航空のA350-900ULRのニューアークやJFK線もシンガポール発では北極に近いルートを飛びますが、それを東京発でそれに近いルートを味わえるのはとてもいい経験でした。
フランクフルト空港は早朝から混雑
アイスランド沖を超え、ある意味時間がかかって、欧州に入境であります。3時間前ぐらいから食事が開始であります。
今回は欧州滞在が長く、別に和食は食べようと思うと食べられるのですが、和食にしてみます。メニューは下記のとおりです。
小 鉢
白菜となめこのベーコン煮浸し
主 菜
鰤白味噌煮
俵御飯
[380 kcal]
味噌汁、香の物
濃厚なブリに包容力のある白味噌を当ててくるのはなかなかであります。ぶりを噛んだ時の味わいを白味噌がカバーに回ると言う脇役さが良さそうであります。
一方で、小鉢はなめこと言う自己主張自身みたいな素材にベーコンを当てるのは旨味×旨味で良さそうであります。シャモロックとかも良さそうであります。
正月スペシャルで味噌汁に日本一の山菜キノコとかの出汁を利かした味噌汁でも良かったかもしれません。
色々と申してしまいましたが、さすがプロであり、日々研鑽を感じられるところが毎回アップグレードされているのが楽しいのもビジネスクラスの旅であります。
ちなみに、1958年に東京=大阪直行がNH便では開始と絵的には表現されていますが、字幕は1959年であり、どちらなのでしょうか。
フランクフルト空港と言うと見慣れた景色であります。まだ、早朝6時ですが、結構人がいます。
このあと、ターミナル2に移動して、インターユーロ路線に乗継でしたが、迷子になり、手荷物検査を二回受けたり、入国しなくていいのにDマークのユーロスタンプをパスポート(入りと出で)に押してしまいました。
まあ、時間は5時間も有り、空港見聞録となった次第ではありますが。
最後に
今回国際情勢がゆえに、不思議なルートを飛び、グリーンランド上空を飛び、オーロラが見えると言う奇跡的なルートでした。パイロットの方々はいつも飛行ルード考えており、コストやお客さんの利便性を考えてフライトプランを立てており、敬意好きべき存在と認識してしまいました。旅はいつまでたっても一期一会であります。