航空会社のサービスを比較するイギリスの会社であるスカイトラックス社の5スターエアラインの最新版が確定し、キャリア別の特徴を比較してみました。
スカイトラックス2023 5スターエアライン
2023年の5スターエアラインは以下の通りですあります。
ANA
アシアナ航空
キャセイパシフィック航空
エバー航空
ガルーダ・インドネシア航空
海南航空
日本航空
大韓航空
カタール航空
シンガポール航空
と10社が認定されています。日本、香港、台湾、インドネシア、中国、韓国、シンガポール、カタールの航空会社が選ばれています。
カタールはアジアと言って良いのか微妙ですが、アジアの航空会社のみが認定されています。毎年同じ顔ぶれとも言えますが、ANAは11年連続、JALは7年連続の5スターとなっています。
この手の調査はJDパワーやモンデセレクションの類のものなのか不明ですが、詳細を見ていくと当たっているところもあり、安かろう悪かろうのキャリアが何かを掴ませて、5スターになっているようではないところであります。
こうした調査会社も民間の会社であり、利益を出さないと言えないと存続できないので、キャッシュインとキャッシュアウトがあり、評価を透明性にする前にそうしたところを透明にして欲しいところであります。
5スター評価軸
スカイトラックス社では航空会社を評価するにあたり、以下の評価基準を設けています。
ファーストクラス
ビジネスクラス
プレコアムエコノミークラス
エコノミークラス
上記のサービスを個別に評価しています。そして、単に機内サービスだけではなく、空港でのサービスから、航空会社ラウンジ、そして機内設備、客室乗務員のサービスなどに分けてそれぞれ評価しています。
そして、細分化した項目に5つ星評価をしており、その合計点で5スターエアラインに相当するかそうでないか認定しています。
各サービスごとに得点を比較
10社全て比較すると情報過多になってしまうため、スカイトラックス社が同じく調査しているWorld’s Top 10 Airlines of 2023においてトップ3と日本のキャリアで5スターである4社を比較してみました。
その順位は以下の通りです。
1位 シンガポール航空
2位 カタール航空
3位 ANA
5位 日本航空
5スターとランキングの違いは何かと考えてしまいますが、上位は同じ航空会社がひしめいているので、それなりの調査は行なっていると言えます。
下記の表にまとめてみました。AはANA、Sはシンガポール航空、Qはカタール航空、Jは日本航空であります。
カテゴリー | A | S | Q | J | |
---|---|---|---|---|---|
長距離 | ファースト | 5 | 4.5 | 5 | 5 |
ビジネス | 5 | 4.5 | 5 | 4.5 | |
プレエコ | 4.5 | 5 | - | 4 | |
エコノミー | 5 | 4.5 | 5 | 5 | |
短距離 | ビジネス | 4.5 | 4.5 | 4.5 | 5 |
プレエコ | 4.5 | - | - | 5 | |
エコノミー | 4.5 | 5 | 4.5 | 5 | |
加点合計 | 33 | 28 | 24 | 33.5 | |
対象外除く平均 | 4.71 | 4.67 | 4.80 | 4.79 |
プレミアムエコノミーの設定がないなどカテゴリーが各キャリアで別れる中、ある項目ごとで平均した値となります。
実際にはもっと細かい評価項目があり、クラスごとに空港サービス、機内サービス、客室乗務員サービス等に分かれ、さらにアライバルラウンジがあるところはそれも評価になっていたりします。最終的な平均点はどう判断しているか不明ですが、そうした項目は有利になると言えます。
各社それぞれ4.5以上到達しているので5スターエアラインと言えます。さらに細分化した項目ではQRは当てはまるものの、それ以外のキャリアは加点対象外などあり、その辺りの割り算をどうしているのか不明ではありますが。
ANAとJALの場合は清潔性が特筆している一方で、語学力とかがディスアドバンテージとなっています。シンガポールは公用語が英語であり、英語しかできないことを考えるとDeep Lなど翻訳ツールを自習すれば良いのではないかと思います。むしろ、英語以外の言語がネイティブであるとその言語のカルチャーがあるので、むしろ多様性的には高評価としても良いところでありますが。
スカイトラックスの限界も
以上のように得点は非常に近い値であり、実際利用したケースからすると個々のサービスでは、はてな?となるケースもありますが、総じては乗って良かったとなるケースが多く、スカイトラックスの評価ポイントは妥当的とも言えます。
ただ、住んでいる場所、出自、渡航目的で結構変わってくると言えます。そうした中で、いつも利用しているキャリアが合っているかと言う点検ポイントとも言えます。
そして、年代問わず、色々な価値観を持った人が利用するとなるとこうしたレーティングも限界になると言えます。
昔と同じやり方で評価していると時代遅れとなり、評価自体がダサくなっている事もあります。そうした点が改善されるのかサーベイでは不明ですが、色々なところでアップグレードは必要であります。
ただ、日系のキャリアは清潔度などで高い得点を得ており、それは基本の基であり、普遍的に評価が得られるところなので、アドバンテージかもしれません。
また、ランクインしている国の中でも経済力はまだ強いので、国策含めて強化していくのはあり得ると言えます。海南航空が世界トップに立つ時代が来ると世も何とかかもしれませんが。
個人的に思うスカイトラックス
個別の評価項目を見ると空港で困ったことや機内で待たされる事などペインポイントはありつつも、各々の評価項目を見ると若干古さも感じます。アッパークラスでの新聞雑誌は機内Wi-FIが強力であれば関係ないと言えますし、食事も断つ人も増えていたりします。
すこし古い感覚での評価であり、見直しが必要かと思いますが、人間の所作はそうそうからわない部分もあり、またアッパークラスでは結局、所得が高い人が利用するので結果的な経験値高めな中高年が多いので、そうした結果に収斂するところもありますが、思い切って基準を変えてみるのも有りかもしれません。
最後に
色々な評価はありますが、毎年、日系のキャリアが連続でトップ的な高評価をいただけるのは小気味良いところであります。その裏にどんなものがあるのは知りたくありませんが。
ただ、ビジネスクラスなどはA社もJ社も普及機ではかなり、古くなっているので、Japan Cool 3.0くらいでリニューアルして欲しいところであります。二次元の世界ではかなりとんがった雰囲気もありますので。