近鉄名阪特急であるアーバンライナーの豪華シートであるデラックスシートに乗車しましたのでお伝えします。
アーバンライナーnext
アーバンライナーは1988年に登場した近鉄の特急列車であります。今は2020年3月に登場したひのとりの方が人気があり、主役の座を譲り、カバーするように運転されている特急列車でもあります。
大阪と名古屋間と言えば、新幹線のぞみで50分足らずで行け、時間を考えると新幹線絶対と言うところでもあります。
しかし、費用面でいうと新幹線は普通車自由席で5,940円であり、近鉄は時間は倍以上かかるものの、運賃は4,340円となっています。(いずれもフルフェア比較)
時間で割れば、新幹線の方が得にも見えますが、大阪での立地を考えると新幹線は新大阪、近鉄は難波、上本町、鶴橋であり、ビジネスと観光の中心部に近いのは近鉄となります。新幹線は新大阪駅からの乗り換えを考えると差は1時間以内と短縮されるため、大阪と名古屋間の移動では結構魅力的かもしれません。
アーバンライナーの車両は現在2種類あり、開業当初からある車両をリニューアルしたアーバンライナーplus(21000系)と21世紀生まれ(2002年12月)のアーバンライナーnext(21020系)となります。
両車の差分はサービス面では20世紀生まれのplusがリニューアルされたこともあり、差分はあまり感じませんが、nextの方がゆとり世代なのか前面フェイスは少し緩い感じがします。また、幼いわんこのように鼻あたりが黒いのが特徴です。
デラックスシートは1号車まるまる使用しており、シート配列は2-1配列となっています。ひのとりのようにハイデッカーやバックシェル構造ではありませんが、結構な余裕と天井の広さを感じます。
1人席のシートであります。シート形状は21世紀といった感じで立体感が漂います。窓周りは特殊であり、通常はペットボトルなどが置ける桟があるのですが、それがなく専用のホルダーのみがあります。鉄道としては珍しい構造であります。
リクライニングは電動式であり、ちょっと豪華な感じがします。シートピッチもかなりあるので、かなり深く倒れるのも特徴的であります。
1-2配列のシートでは2列席では隣席と一体と思っていましたが、デラックスシートでは分離されており、独立しています。隣席が空いている時に中間のひじ掛けを広く利用できないデメリットはありますが、それ以外はゆったりしているので不快感はありません。
隣席に他人がいるとメリットは4倍増しぐらいと感じるかもしれません。
レッグレストはありませんが、フットレストはあります。フットレストの横にはコンセントがあります。ほぼ床にあるので、スマホやPCを使用しながらチャージとなると長いケーブルが必要となります。
高速で走る新幹線には実現できない天井の高さを実現しています。130km/h運転ということで、在来線のメリットを最大限生かした空間でもあります。そして、近鉄特急名物(京成スカイライナーもありますが)の運転台映像をモニター越しに見られます。
アーバンライナーは最速達をひのとりに譲ってからは大阪上本町、鶴橋、大和八木、名張、伊賀神戸(朝晩のみ)、津、白子 、近鉄四日市 、桑名 と結構停車していきます。
そのため、最速達のひのとりと比較すると始発から終点までの所要は20分近く遅いですが、デラックスシートとなるとその時間の長さがメリットであり、途中で降りるとなるとアーバンライナーの方がよく感じるかもしれません。
近鉄独特なデルタを通過していきます。JRの特急列車では座席を進行方向に変えるところが結構ありますが、近鉄ではそうしたことはなく、デルタのおかげかもしれません。
近鉄中川を過ぎると峠越えとなります。そのためか先頭車両映像がモニターに映される時間も心なしか多くなります。
と言っても、線形が良い同線のためか高低差は感じるものの、大糸線のようなカーブ感はなく、安定の近鉄を感じてしまいます。
名張駅に停車します。名張駅は三重県名張市平尾にあり、東海三県内でありますが、その先はまもなく、関西であります。名古屋に近いのか、大阪に近いのか旅人には不思議な場所でもあります。
以前に名松線を完乗した後に名張駅方面まで歩いたり、バスに乗ったりしてたどり着きましたが、やはり東海なのか関西なのか不明なエリアでもありました。
春の芽吹き前の時期と瓦屋根が特徴的な日本の原風景を通過していきます。冬は冬で積雪もありそうですが、四季の中で色変化がとても多いところでしょう。
さらに、春が近い景色であります。若い時は車窓なんか退屈なものと思っていましたが、年々、その変化が楽しくなってきました。そして、この後は体のセンサーが劣化していき、それも感じなくなっていくと不安もありますが、それが生き物とということなのかもしれません。人生とはパラドックスなものであります。
そんな無常感を感じながら、関西の都会に滑り込んでいきます。大阪摩天楼の象徴のあべのハルカスが見えてくると鶴橋駅の停車が間もなくであります。
切符は上本町まで購入していましたが、まだ日も高いので鶴橋駅をパトロールしてみます。
鶴橋をパトロール
近鉄特急の大阪中心部での停車駅はターミナルの大阪難波、大阪上本町、鶴橋であり、独特な街である鶴橋駅で途中下車です。
JRと私鉄が交差し、私鉄特急が停車するとなると東京では西武線と山手線が交わる高田馬場駅にも近いですが、街としてはやはり新大久保と言えるでしょう。
新大久保はそこ自体も韓国的ではありますが、歌舞伎町まで歩いていく導線も比較的そうした雰囲気があり、広範なエリア感がありますが、鶴橋はギュッと濃縮されたコリアタウンという感じがします。
中東にあるような商店街というか迷路というような狭さと混雑とカラフルさがとても異国感を感じます。一方で、昭和な日本でもこうした商店街があったことを思います。
鶴橋は映えるところが多いですが、そんな中でも特徴的なのは地下鉄カフェで有名なデチョルはペゴパであります。人気で行列ができています。リアルの地下鉄でこんな行列だと交通システムとしては欠陥でありますが。
ソウルの地下鉄というとステンレスの椅子が印象的ですが、ここはそうではないようであります。地下鉄駅のデザインということですが、welciaのお店にも見えてしまいます。
続いて、鶴橋本通商店街の駅と反対側の入り口側から入ってみます。ここまでくると結構静かであります。
韓流ブームからの流れなのか、流行り物のお店が多い感じもします。日本でもなかなかレアと言えばレアですが、懐かしさと異国感を感じる不思議な景色でもあります。
ひととおり、色々な商店街をめぐり、最後はホテルの夜のおつまみとして変わり種のキムチをセレクトしてみます。白菜や大根やニラ、チャンジャぐらいまでは何となくどこでも見かけますが、山クラゲやホタルイカ、山芋などはなかなかレアであります。
その中で生牡蠣のキムチを1000円分購入してみました。お腹は大丈夫かなと思いましたが、何もなく、泡のお酒とマリアージュしてすべて胃袋の中に消えていきました。
まん防解除前でしたが、すごい人出であり、昭和な日本にはこうした商店街がたくさんあり、活況だったことを思い浮かべてみましたが、令和な現在も賑わいがあるということはニーズはありそうです。
世界中見渡すとこうしたマーケットは多いので、人間としては本質的に求める街の在り方なのかもしれません。
最後は地下鉄で鶴橋を離れるのですが、地下鉄駅もちょっと韓国風であります。水色とかで統一したら、尚更、ソウルにでもいる感じではありますが。
最後に
アーバンライナーは大昔に視た「きた!きた!とっきゅう」に登場していたことから印象にあった列車であります。
同曲の歌詞では、名古屋発着の私鉄特急である同特急と名鉄パノラマスーパーだけが形容されずというものでしたが、メロディの盛り上がり具合から印象に残っていたところであります。
今回、ほぼフルフルで乗車してみましたが、急がない時は大阪と東京の移動でも快適な移動で活用できると感じたところでもあります。