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【JR東海・完乗の旅】名松線 歴史と街道を実感

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JR東海の乗りつぶしの旅、今回は関西本線、紀勢本線、そして、名松線の乗り潰しをしてみましたので、お伝えします。

名松線とは

 今回の旅でメインとも言える路線は名松線であります。名松線は松阪と伊勢奥津間に15駅があり、総延長は43.5kmのJR東海のローカル線であります。単線で電化もされていなく、ディーゼルエンジンのキハ11形で運行されています。

名張と松坂を結ぶ路線であった

名松線は松阪と奈良県の桜井を結ぶ桜松線として計画された路線がそもそもであります。以後、名張と伊賀上野間の民鉄の建設との接続の動きもあり、計画を名張と松坂に変更し、二都市間から名前をとった名松線として建設がスタートしています。1929年から松阪側から順次開業しています。

しかし、現近畿鉄道(参宮急行電鉄)が奈良・桜井と名張、そして、伊勢市方面に接続する伊勢中川駅まで現近鉄大阪線を1930年に全通し、現近鉄山田線と接続して伊勢方面への大阪からルートを先行して切り拓いてしまいました。国鉄にとっては新たに名張=松阪間に新たな路線の必要性がなくなってしまい、現在の終点伊勢奥津までとなっています。

伊勢方面で近鉄が強い理由がここにもありそうです。

台風の被災で廃線の危機に度々遭遇

1935年には現在の終点の伊勢奥津駅まで開業しています。開業後は台風により、何度か被災し、不通となっています。

1959年 伊勢湾台風 不通(伊勢竹原駅 - 伊勢奥津駅間)復旧2か月後

1982年 台風10号  不通(全線)  復旧1年後

2004年 台風21号  不通(全線)  復旧10日後

2009年 台風18号  不通(家城駅 - 伊勢奥津駅間) 復旧6年半後※

※松阪=家城間は7日後に復旧

特に被害が甚大であった1982年には当時の国鉄から廃線、2009年にはJR東海から部分廃線のバス転換を持ちかけられていますが、自治体や住民の動きもあり、いずれも免れて復旧に至っています。

もっとも最近の2009年の被害では復旧まで6年半を要しており、ローカル線の持続の難しさを認識します。

今後、気候変動が悪い方に激しさを増すと、自治体が取り組んでいる治水対策を超える災害も想定され、また、廃線要請が出てくるかもしれません。

完乗しながら松阪に

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名勝線だけであれば伊勢鉄道経由の快速か特急、または近鉄線を利用した方が時間的には早いのですが、今回のお題は関西本線と紀勢本線の乗車していない区間の達成もあるため、普通列車で伊勢奥津を目指します。

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快速でまずは亀山を目指します。快速なので名古屋出発後はかなり通過していきます。

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家で作るカレーの肉が豚肉と牛肉でわかれる境界らしい長島駅を通過します。このあと桑名駅に到着し、その後、四日市駅に到着し、そこからは終点の亀山まで各駅停車となります。

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そして、伊勢鉄道との分岐駅の河原田駅に停車します。ここから関西本線のJR東海区間の初の乗車となります。

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河原田駅から亀山駅まで20分足らずで到着します。これで関西本線の河原田=亀山間の15.8kmが完乗となりました。ここから4分の乗り継ぎで津に向かいます。紀勢本線のJR東海路線で未乗区間となります。

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関西本線を進む加茂行きのワンマンのキハ120形がいます。本線とは言いつつも、かなりローカル線です。

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一方で、津、松坂、鳥羽方面は気動車ですが、電車と変わらない感じのキハ25形となります。今回は紀勢本線・亀山=津間の15.5kmが完乗となりました。

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亀山からの普通列車は鳥羽まで直通するのでそのまま乗車しても良かったのですが、松阪の滞在時間を長くするため、津駅で先発する快速みえに乗り換えます。松阪まではノンストップの15分で到着します。

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松阪駅の近鉄側の駅で途中下車してみます。ステーキ店やうなぎ屋など結構あるもので、さすがと言ったところでもあります。今回は食べているほどの時間はないため、散策するのみでした。

名勝線

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1日8往復しかない列車の昼の時間帯の列車です。旅行者はボックスシート、あまりいませんでしたが、地元の利用の方はロングシートに着席と言った感じでした。

お昼を跨ぐ列車のため、牛の顔のかたちの駅弁を持っている乗客が多かったのも特徴的です。後述しますが、この後、お腹を壊せないため、駅弁は我慢しました。

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松坂を出発してしばらくは遠くに山が見え、田園風景が続く、日本の田舎によくある景色が続きます。そこから徐々に河川が多くなり、山が近づいてきます。

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家城駅で上り列車との入れ違いのため、13分間停車となります。上り列車は既に到着しており、そんなに停車しなくてもいいのではないかと思うくらいでした。

これだけ停車するので旅行者はイキイキ家城とばかりに駅舎から上り列車から何やら撮影していました。

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停車時間中には運転手兼車掌がひとりひとりに名勝線の絵葉書を配布していました。存続のためにも広く知って欲しいというところが感じられます。

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家城駅を出発すると両側に山々が近づいてきます。同時に雲出川も急流となります。

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水流は豊富であり、列車は自転車と同じくらいゆっくり川沿いを進みます。

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川と急斜面に挟まれた線路をゆっくりと進み、カーブがくるとまたゆっくり進んでいきます。たひたび、被災する理由がわかります。

終点の伊勢奥津手前となるとようやく開けた場所を通過し、大きくカーブして駅にアプローチします。

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松坂駅を出発してから約90分で終点伊勢奥津駅に到着です。

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車止が見えます、本来であれば名張まで続いていたのかもしれませんが、さらに難所を走ることとなっていたかもしれません。

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駅自体は無人駅ですが、併設されている観光案内所がある他、休みの日はテントを設けて地場産品を販売していたりします。

伊勢奥津から名張まで直接行ってみた

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先述のとおり、名張と松坂を結ぶはずだった名松線なので、折角であれば松坂へ引き返すことなく、名張まで行ってみたくなり、直接行ってみました。

以前は伊勢奥津駅と名張駅までバスがあったのですが、最近途中の敷津(奈良県御杖村)と名張駅間となってしまい、平日や春の観光時期にのみ運行されるコミュニティバスがないと伊勢奥津から敷津までは徒歩となります。

距離は約6kmであり、高低差は約200mとなります。列車が伊勢奥津に到着したのは13時前、敷津バス停からバスが出発するのは14時10分と70分あり、普段1km10分歩く自分にとっては何とかなるかなと思い、歩きだしてみました。

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グーグルマップは時折、国道422号をルートとするものの、基本は旧道の伊勢本街道を案内してきます。駅の撮影やトイレを済ませて伊勢奥津駅を出発したのは13時ちょうどでした。

ペース配分としては前半になるべく距離を稼ぎ、後半にペースが落ちてもカバーできる様にと最初は小走りを混ぜ込むなどハイピッチでした。指示通り、街道に入るのんびりしており、それほど傾斜もなく順調です。

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昔の道標もあり、ウォーキング気分であります。そして中間地点の3kmは25分で通過であり、一応余裕はあります。既にこの時点でTシャツは乾いている部分がないくらい汗だくでした。

ここからペット水を投入します。飲むとまた汗が噴き出しますが、体調急変の回避のためにも飲みます。

歩いていると次第に、グーグルマップ推しの旧道の方が明らかに距離があり、さらに国道から旧道を見ていても国道より高い位置にもある場所も多く、高低差があることに気づきます。

おそらく、歩道のない国道区間を旧道を経由させる安全第一の指示ですが、高低差はきつく、距離も伸びるため、残りはバス停までの最短の国道一本に絞ります。

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途中まで道幅が狭いところがある国道ですが、基本的には2車線で歩道もあります。ただ、問題なのは広い分、日影がほとんどなく、人が歩いて昇ることを前提としていないためか、勾配が延々と続きます。

また、除草されていない歩道も多く、それを回避して歩く必要もあったりします。

何とかゴールまで2km弱で奈良県に入ります。県境は新勢和橋であり、名前のとおり伊勢と大和の境にある橋です。

この辺りでは6%程の勾配と炎天下もあり、ただただ前に進むことしかできなくなり、一度休むと動けなくなるのではと思うくらいでした。また、ペット水を頭からかけても3分ぐらいで蒸発してしまうくらいであり、蛭子さんが歩きの際に頭に水をかけていたのが良く理解できます。

県境を目途に下りに転じるのではないかと期待している終始上り坂と言う最後の最後まで止むことなく歩くしかない道のりでした。

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ようやく敷津バス停に到着したのは伊勢奥津駅を出発してから63分後でした。荷物と炎天下と終始上り坂が効いたのか着いた瞬間に座り込んでしまいました。

ちなみに写真のバス停は名張駅から来た終点のバス停であり、名張駅前方面にはバス停はなく、ないところで待つ必要があります。

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バスはバス停から50mぐらいの車庫の中で待機しており、定時に来ます。バスは三重交通の運行であり、Suica等のICも乗車できます。名張駅までは56分程の道中であり、無数とも言えるくらいバス停があります。

バス内はエアコンがキンキンに効いており、これまでの体力を回復するにはちょうどいい時間でもあります。

基本的には422号線沿いを進みますが、集落などでは旧道に入ったりします。名張川沿いを走って徐々に下っていきます。

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途中には比奈知ダムがあり、名張川がひなち湖となります。とにかく川沿いでは釣りをしている人が多く、暑そうですが、楽しそうでもあります。

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比奈知ダムの真下を通過していきます。この辺りまで既に30分以上乗車していますが、誰も乗車はありません。

だんだん住宅が多くなり、この後、乗車してくる人がいるかと思っていると終点の名張駅前に到着してしまいます。始発から終点までノンストップの貸し切りのバス旅と言うのはある意味贅沢でもありました。バスに乗るまでは過酷でしたが。

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近鉄の駅である名張駅であります。10数分で特急への乗り継ぎも可能でありますが、ズボンまで汗だくであり、このまま乗車はちょっといただけないと思い、駅から900m程離れたところにある日帰り温泉に行きます。

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癒しの里名張の湯で小一時間程過ごすこととします。泉質が含硫黄ナトリウム・カルシウム塩化物温泉である露天風呂もあります。いつもであればサウナに行くのですが、今日は十分に汗をかいているので、翌日以降に筋肉痛を持ち込まないため、露天の天然温泉と水風呂のみしました。

着替えてすっきりとして再び名張駅に向かいます。

名古屋まではアーバンライナー

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難波に向かうか名古屋に向かうか考えましたが、今回は名古屋に戻ります。列車は近鉄特急アーバンライナーplusであります。

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紀勢本線の南紀と比較すると標準軌もあるのか安定した走りを続けていきます。先頭車両映像が見られるのも近鉄らしいです。

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四日市あたりまで来ると日が高いですが、既に17時代であります。途中のお酒のプラントを見るとお酒が欲しくなる時間帯であります。

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セントラルタワーが見えるともうすぐ名古屋駅であり、この後地下に進入します。

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地下駅の近鉄駅から新幹線のホームを目指します。新宿や梅田と違い意外とスムースに新幹線ホームまで進めます。

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今回はこだま744号で帰京です。ボーイング747-400みたいです。チケットはぷらっとこだまであり、時間はかかりのぞみ+1時間であります。大阪から4時間とかはちょっときついですが、2.5時間だと動く作業部屋とすれば意外とあっという間に過ぎます。

ホームでドリンク引換券を500mlのハイボールに交換します。

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ブログ作成の下準備の単純作業をしていると時間は早く過ぎ、熱海出発後まもなく徐行となり、数分遅れで到着しました。

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ぷらっとこだまの切符はJR東海改札のみで出場できるので八重洲口に出てしまいました。この日は炎天下の徒歩が効いたのか帰宅後すぐに寝入ってしまいました。

最後に

今回は関西本線と紀勢本線、そして、名松線をクリアすることができました。名松線の名前の由来となるルートを歩いたり、バスでの移動もしてみると全国のローカル線は過酷な環境のなか、継続され毎日休むことなく運行されているというのも感じました。

また、実際乗ってみると知る歴史や感覚もあり、それも醍醐味であると感じます。

JR東海の未乗区間は大垣と関ヶ原の間の東海道の支線ほかと武豊線のみとなりました。

今回のスケジュール

名古屋  9:06      亀山        10:06 ※快速

亀山    10:10      津            10:27

津  10:30      松阪         10:45  ※快速みえ

松阪    11:33     伊勢奥津  12:57

伊勢奥津13:00  敷津       14:03 ※徒歩

敷津 14:10      名張駅前  15:04 ※路線バス

名張 16:24      近鉄名古屋17:52  ※近鉄特急アーバンライナー

名古屋  18:08    東京         20:48 ※こだま744

進捗

営業キロ 乗車キロ 未乗キロ 乗車率
1970.8 1932.7 38.1 98.07%

 

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