JALの生涯特典とも言えるJALグローバルクラブのハードルが2024年1月1日よりスタートし、大きく変わるので速報ベースが、どれぐらいのコストがかかるかまとめてみました。
- JAL Life Status プログラム概要
- カウントタイミングは不明
- 各実績のポイント還元率
- JAL Mall
- 1年以内にこのシステムでJGCになるには
- JALにとっては適正化といえます。JGC SFC 体制は崩壊
- ANAはミリオンマイラープログラムを改造するか、全く新しいプログラムか
- 亀タグは継続か
- 最後に
JAL Life Status プログラム概要
新しいプログラムの概要は下記のとおりです。
開始時期 | 2024年1月1日〜 |
---|---|
カウント基準 | Life Status ポイント |
ポイント付与対象 | JALグループフライト実績 |
JALカード利用 | |
JAL Pay利用 | |
JALモール利用 | |
Life Status 階層 | 6段階(JMB eilte 〜 JGC Six Star) |
各ステータス獲得するためのポイント数 | 250〜12,000ポイント |
既存JGC会員対応 | 無印JGC→Three Star または Four Star※ |
5☆JGC→Five Star またはSix Star※ | |
過去フライト実績の遡及カウント | あり |
特典 | ラウンジ利用や優先搭乗などの航空関連 |
ホテルの優待 | |
モバイル通信データの無料提供 | |
提携プログラムの上級会員付与 | |
マイル有効期限無制限 |
※2024年春頃までのポイント獲得状況による
プログラムの目的は一義的にはJALグローバルクラブへの新たな入会基準でありますが、長く利用するとメリットがあることを明確に打ち出しています。既存JGC会員は3星か5星からのスタートとなります。1-3月までにものすごいフライトをしたり、JALカートで数千万円単位での決済をしない限りは3か5からスタートとなりそうです。
エントリーとも言えJるMB elite、JMB elite plusはハードルは低いと言えますが、そのリターンとなる特典はラウンジの無制限利用ではなく、クーポンを2,6回配布するものとなっています。この辺りはきっちり、JALにお金を落としてくくれれば、それに報います的なメッセージを感じます。
また、基本の基とも言えるフライト実績はJALグループ便のみとなっており、ワンワールド運航便は対象となっていません。
そして、特典で面白いのが、提携サービスがJALグループのみならず、通信やタクシー、ホテル、Uberに及んでいることです。リリースの資料には通信ではpovo(by KDDI)、GO(Taxi)、Uber、マリオット・ヴォンボイ、コカコーラなどがて敬していることです。
データ通信については星毎に無料で利用できるデータ量が違うのかもしれませんが、これはかなり大きいかもしれません。稲森さん繋がりで、KDDIからうまく提携できたのかもしれません。
個人的に美味しそうなのがGOタクシーが割引になるところかもしれません。意外とフライトの際にタクシーを都内では使うことが多いので、地味にメリットになりそうです。
マリオット・ヴォンボイは星の数によってはゴールドぐらいは付与されそうですが、ゴールドからの宿泊実績積み上げで、プラチナ・チタンになるとすればマイル修行も役立つのでメリットはありそうですが、詳細は観てみないとわかりません。
コカコーラは不明ですが、毎日または週1で1本自販機無料とかと言う想定ができます。
カウントタイミングは不明
今回の発表ではポイント獲得タイミングが不明であります。これまでのしきたりで言うとフライトはフライト毎に、クレジットカードやPay決済は月次と言うところが想定であります。
今回は2024年1月スタートで4月から星基準を実績に応じてと記載されているため、月次で回していくのかなと思います。と言うことで、次年度を待たずとも、一つ上の星階級にステータスアップはできそうです。
各実績のポイント還元率
気になるポイントを獲得するための還元率を整理してみました。
フライト実績
国内線 5ポイント/フライト
国際線 1ポイント/1,000区間マイル
国内線は回数、国際線は区間マイル数で1,000マイル未満の端数は切り捨てのようです。なお、特典航空券については言及されていませんが、ANAライフタイムマイルと同様に特典でもポイントは付与されそうです。
JGC入口の1,500ポイントをフライトで貯めようとすると最長距離のJFK(6,739マイル)が想定されますが、100単位が切り捨てられるロスを考えるとそれが少ない、サンフランシスコ(5,130マイル)で考えると片道25ポイント、往復で50ポイントとなります。単純に1,500まで貯めるとなるとSFOを30往復となります。
国内線のみで達成しようとすると300回搭乗なので、こちらも遠い道のりといえます。
JALカード利用
JALカード利用におけるポイント付与は下記の通りです。
5ポイント/2,000マイル
おそらく、月次で付与されるマイル数にて付与されそうです。まず、月次利用が2,000マイル相当に達しないとポイントは付与されないと言うことになります。還元率が良いJALカードプラチナであれば、マイル数アップの加盟店をアクティブに利用しても100円で1.5マイル付与と考えると月額13.4万円ほどの利用が必要となります。5ポイントのために13,4万円かかるとなります。
JALカードのみでJGCの入り口である1,500ポイントを達成するとなると4,000万円近く利用となり、しかも、毎月13万円以上利用となるので、かなりハードルが高いかもしれません。こうしたところでも、JGCのハードルが高くなっています。
JAL Pay
1ポイント/500マイル
200円支払いで1マイル積算されるJAL Payであり、1万円利用すれば1ポイント積算となるので、門戸は広そうであります。また、マスターカードプラットフォームを利用しているので、海外での利用も可能であり、海外での利用の方がマイル積算率はショッピング+ATMコースを利用すると最1,000円=7マイルとなります。効率的ではありますが、クレジットカードからのチャージではなくJAL NEOBANKという、住信SBIネット銀行の口座コードシェアさながらな口座が必要だったりとちょっと面倒であります。
JAL Mall
1ポイント/100マイル
こちらは同モールを利用して決済して、商品を購入して商品が届くと100円で1マイルが積算されるので、単純に言うと1万円の商品で1ポイント獲得できます。JALカードとのマイル両獲りは可能と思われるので、欲しい商品が他のECサイトと同様にあれば、ベストバイと言えます。
ただ、ベゾフさまの熱帯雨林のECサイトプライムのように送料無料で在庫数があり、品揃えや利用頻度や商品検索に時間がかかることを考えると利用頻度は大きな買い物で、比較して割安な時には活用できそうです。
1年以内にこのシステムでJGCになるには
サンフランシスコを毎月往復して、フライトに付随してJALカード利用を毎月27万円利用の利用の場合はまず、フライトでは1往復50ポイント×12=600ptとなります。
JALカードでは単純に計算すると27万円であり、積算率の良い加盟店を積極的に活用して、100円1.5マイルを維持すると毎月、4,050マイル加算され、10ポイントは獲得できそうです。それを12ヶ月間継続すると120ポイントは年間で獲得できそうです。さらに、航空券購入ではマイルが嵩み、少なくとも累計では160ポイントは到達できそうです。
以上のように合計で760ptであり、2年はかかりそうです。
それなりにフライト回数はあっても、意外とたまらないプログラムであり、飛ばない、金のないJGCはお断りというのが感じられます。俗にいう、改悪というものであり、
JALにとっては適正化といえます。JGC SFC 体制は崩壊
JALが先手で永年上級会員とも言えるJGCに対して、先手を打って将棋倒しのように崩してきました。ANAにとっては、「我が、SFCは永久に不滅であります。」(やめるな、ANA とか相槌もありそうですが)とJALとポジションをとると一時的にはANA修行が増えそうでありますが、長期的には会員にとっての満足度や利用層が異なってくるかもしれません。
高齢層であまり飛行機に乗らない人がラウンジを占有し、加齢臭漂うANAラウンジと比較して、キャピキャピした若手が多いJALラウンジとなるかもしれません。収益性としては変わらないかもしれませんが、半世紀後にはじわりじわりと効いてきて意外と変化があるかもしれません。
以上のように、ANAも何からしら、対抗はしてきそうでありますが、ミリオンマイラープログラムと性質が違うため、どう調和させていくのかが注目点でもあります。
ANAはミリオンマイラープログラムを改造するか、全く新しいプログラムか
以上のようにJALはライフタイム政策とも言えJAL Life Statusを敢行したわけでありますが、このプログラムとしてはJALカード決済で天文学的決済をすれば一気に星6つになります。JALカードは一回の決済でどんなホルダーでも500万円以上の決済はダメですとか言いたいのかもしれませんが、そこは資本主義であり、手数料チャリンチャリンのカード会社は喜んでそうです。
そうした中で、ANAはどうするかと言うのが、一番気になります。おそらく追随するといえます。理由としては、個人的な体感として現在のミリオンマイラープログラムは達成すべきと思いますが、インセンティブがない、また、SFCプログラムはたった一ヶ月でクリアする会員と実フライトを十数年継続利用している会員の差がないと言うところであります。
ANA VISAプラチナSFCでも基本的にはSFC部分では差はなく、本来のステータスのダイヤモンドでカバーしているところが多く、フライト以外はメリットはありません。
今回のJALのリリースでは、モバイルデータ通信料無料やタクシー代割引など、新機軸なサービスが出ており、こうした点は踏襲して欲しいところであります。
まあ、ANA国際線における機内Wi-Fiとかはミリオンマイラーには無償にするとかして欲しいところであります。それ以前に、遅いパナソニックからスターリンクに変えてくれないかなと感じています。また、YouTubeとか普通に見れる楽しさ倍増です。
それから、JALが踏み込んだ地上交通の割引も提供して欲しいところであります。Massとかプレスリリースは出している割に顧客還元がないところでもあり、大票田の東京ほどそうした需要はあり、会社というか社会全体でメリットがありそうであります。
亀タグは継続か
今回のプログラムは未来に向かっての継続的な顧客とのロイヤリティプログラムの性質が強く、これまでの乗客にはメリットが少ないといえます。
これは人口減が進む中で、本拠地である日本において、半世紀後に稼ぎ頭となる世代をナーチャリングしていく意味があるといえます。
まあ、実際に航空会社ラウンジを利用すると白髪の人は多く、お腹の出っ張りも多い人が多く、今はせっせと現金を支払う人がいるのですが、あと10年後は古いかもしれません。ただ、10年前のプレミアムクラスの景色と今の景色の変化というとあまり変化がないかもしれません。それはANA固有で、路線が限定的かもしれませんが、世の中的にはそれが進行しそうであります。
維持ようのようなことから、亀タグを期待している層もいると思われ、それは JMB発祥時期からのカウントを重宝して続けると思われます。
新プログラムも5角形で描かれているので、ANAに亀は奪われたとは言え、5角形は維持しているようです。
最後に
JALがA350-1000に続いて、自由闊達であります。JGC、体制を先発して崩してきています。その内容がJALの庭に留まらず、提携パートナーのサービスにおいても、メリットが出ており、詳細は見てみないといけませんが、期待大であります。
ただ、ハードルはかなり上がったとも言えます。
これまでのライフタイム実績はあまり考慮されない実績でありますが、フローとして高頻度で利用する人にとってはこれからじんわりと効果はあるかもしれません。ただ、人間は突如として、ぽっくり逝くこともあり、その効果は不明ですが、未来につなぐことはポジティブであります。
あとは、対抗馬のANAがミリオンマイラープログラム改変でくるかのか、全く新しいプログラムで来るのかは不明ですが、毎年のプレミアムポイントとミリオンマイラープログラムで一杯一杯なので、これ以上の新プログラムは勘弁という所であります。