広大なJR西日本を北陸の盲腸線から乗車してみましたので、お伝えします。
前日に高岡入り
今回は北陸の盲腸路線という事で、金曜の夜に高岡に入ります。富山空港の飛行機は新幹線に圧されて危ういというものの、今回は満席であり、富山駅までのリムジンバスが遅れて出発し、高岡までのあいの風とやま鉄道に本来であれば接続できたのですが、一本遅くなってしまいました。
盲腸路線は同じ線路を往復するパターンが多いので、二倍時間かかることを想定し、朝7時台からスタートです。
今回はJR西日本が発売している北陸おでかけパスを利用してみました。JR西日本の北陸管内と鉄印が貰える第三セクター4社の路線でかなり自由に動けます。
と言っても対象の会社はすべて乗り放題ではなく、この切符のきわの駅は北から直江津、中土、猪谷、和倉温泉、長浜、近江塩津、青郷であります。
新潟の直江津から舞鶴手前の青郷まで行けて一日のみ有効でありますが、2,580円はかなり安いと言えます。
青春18きっぷを金券ショップで一枚買った方が安そうですが、この切符は新幹線は乗れませんが、在来線特急は別途特急料金を支払うと乗れるので、いざという時のワープ作戦に活用できそうです。
氷見線
氷見線は高岡から氷見まで短い路線でありますが、富山湾沿いに走るのでその景色を求めてくる人も多いようです。また、氷見から能登方面にも頻繁ではありませんが、路線バスもあり、富山⇔能登⇔金沢と言った巡り方をする人も多いようです。
能登にはANAが就航している能登空港もあり、少ないマイルで能登空港に行けるとなるとルート模索に出で来る路線でもあります。
雨晴駅であります。雨と晴という名の駅名でありますが、あまはらしと言う名前なので、晴れにするという前向きな由来があるのでしょう。
天気予報的には雨のち晴れと呼んでしまいそうです。
あっという間に氷見駅に到着です。盲腸路線が生き残る理由はその距離の短さかもしれません。頻繁に往復できるため、便数が多いと使い勝手いい、結果的にマイカー不要とかそういう思考になりそうです。
現存する盲腸路線で2-3時間とか乗るのは枕崎に行くか、阿佐海岸方面であり、なかなか少ないものであります。
折り返しで再び高岡駅を目指します。盲腸路線は例外もありますが、すぐに折り返すため、完乗と言う目的が第一優先であれば、結構スムーズでもあります。
これが変に別な路線とつながると長い乗り継ぎ時間とか発生するのですが、そうした複雑さはなく、便利であります。
当然ですが、帰りも海が見えます。この後は工場の間を抜けたりとちょっと富山らしい景色でもありました。
城端線
氷見線と相対する盲腸路線である城端線は同じくタラコ色のキハ47であります。一体運用しても良さそうですが、そこまでシティネットワークというわけではなさそうです。
やはり、マイカーが強いところなのかもしれません。
城端線は途中駅に砺波市があり、北陸道ともクロスし、終点の城端駅からは白川郷に接続するバスもあり、観光目的風な乗客が氷見線と比較すると多いのも印象的でした。
日本の尾根方面に向かって走るのですが、結構のどかな景色が続きます。遠くに山が最後まで見えて終点と言う感じであります。
城端線の線路先に住宅があります。盲腸路線はその先に夢の計画があったりして意外と先まで空き地だったりするのですが、ここは例外のようです。
駅舎は古いですが、立派であり、バス停がきれいに整備されています。
復路は能登半島方面に山が見えます。でも手前はフラットな水田が広がり、時速25kmとかで慎重に峠を走るローカル線とは違い、タタン、タタンとリズミカルに快走するので、小気味よいです。
新幹線で一気に移動
今回はフリー切符ですが、早速ルール違反と言うわけではないですが、別途料金を払ってワープ作戦をします。
高岡まで戻り、あいの風で金沢に行き、そこから福井しらさぎ号で行き、次なる盲腸路線の九頭竜湖駅行きの列車にはつながりますが、昼時間に向かっての土曜日の金沢行きの普通列車は若手を中心に混雑し、さらに金沢駅での乗り継ぎ時間がとても短く、その後も短時間の乗り継ぎが続くので飲まず食わずとなります。
そうしたことから1,000円ほど高くなりますが、新高岡から自由席の新幹線で金沢に行き、半額効果の出る在来線特急しらさぎは敢えて指定席にして静かに福井まで行くという事にしてみました。
自動券売機で乗車券は新高岡=金沢、特急券は新高岡=福井と購入は手間でしたが、時間には余裕があり、撮れ高も上々です。
金沢駅では改札外に出て、駅弁専門店でお昼を買い込み、しらさぎに乗車です。久々に見た非貫通タイプのしらさぎです。
最早、アフターコロナなのか、昔のように増結しています。
お昼は越前甘えび×かに合戦と言う弁当にしてみます。越前という事で、今回の旅のメインでもある福井に因んでいます。全体として色が赤いので、栄えますが、野菜がちっょと足りなくなってしまいます。旅先くらいはそんなこと忘れていいのですが、毎週が旅先となるとそうとも言えず、気になってしまいます。
北陸線に乗ると気になってしまうのが北陸新幹線の工事状況です。ようやく架線用の柱が設置されていますが、架線はまだ張られていません。もうちょっと時間がかかりそうです。
しらさぎ速しであり、福井市内があっという間に近づきます。遠くには雪が積もった山並みも見えます。
気比の松原には立ち寄ったことがありますが、福井の中心地である福井駅には初めての途中下車であります。
西口は恐竜だらけであり、恐竜口にした方がいいくらいであります。新幹線が来る前から新幹線駅のような駅舎であったので、新幹線が開通しても西口は違和感がないかもしれません。
それでもヒルトンとか開業すると今の長崎のようにグレードアップしそうです。
越美北線
駅前を撮影してそそくさとホームに戻ります。今回の旅行で核となる越美北線、個人的には九頭竜線の方がしっくりきますがに乗ります。盲腸路線だけにホームも仲間外れ的なロケーションです。
車両は西日本の過疎路線で大活躍のキハ120です。出入り口を通過するたびにピヨピヨと鳴くのが最初は気になりましたが、最近は気にならなくなりました。
越美北線は名前のとおり、越前と美濃を結ぶために作られた路線であり、もともとの計画通りに進めば、現在の長良川鉄道と一本の路線となっていたわけですが、大昔でさえ、その計画が頓挫したので、今はそもそも生き残っている線路の存続も厳しくなってきているのかもしれません。
長良川鉄道の終着から接続する路線バスと徒歩と九頭竜線と接続する路線バスを使って、越美線のロマンに浸る記事は読み入ってしまいますが、徒歩区間は孤独感とどこしれない自然への脅威が募ってきそうですね。
同線途中では最大の越前大野駅に停車です。結構下車する人が多く、ここまで福井からの本数が多いのも頷けます。良くメディアに露出するえちぜん鉄道の勝山駅と交錯してしまいすが、両地は遠くないところにあります。
越前大野を過ぎると山岳地帯が近くなり、走り方も変化してきます。大糸線のようなアルプスを目指す感じになってきます。
紅葉と冠雪であり、九頭竜線に来てよかったと感じる瞬間でもあります。
更に絶景は続き、渓谷沿いを線路を傷めないためか、低速でゆるりと通過していきます。サービスランなのかは不明ですが、JR西日本のキハ120が走る路線では景勝地はなぜか低速です。
終点の九頭竜湖駅が近づくとトンネルが多くなります。トンネルに寄りますが、直線で気合を入れなおして加速して走ることもあれば、そのままゆっくり走ることもあり、違いは何かと考えてしまいます。
そして、九頭竜湖駅に到着です。この後、三段スイッチバックとかありそうな雰囲気ですが、これで終わりです。道の駅があり、結構人が多い場所でもあります。
ログハウス風の駅舎でありますが、隣にはファミリーマートがあったりと便利であります。
盲腸路線なので来た列車で再び戻ります。朝早くから来ていた人たちの戻りとも重なってか福井行きは結構乗客がします。
と言っても、インバウンド全盛期のような終点まで立つようなこともなく、間隔をあけて座れるくらいであります。今のうちにJRを廻っておくのが正解という事かもしれません。
しかし、海外から来る観光客で混雑していることに開き直ったかのように列車内でも地べたに座る人(大体荷物が多い)はどういう感覚なのか確認したいところです。
そして、福井駅に到着です。今度は新しく造っている東口であります。最近、その姿が見られるようになりましたが、東西できれいな玄関を持つのは、長い間新幹線を待たされた慰謝料という事なのでしょうか。
更に西に進む
フリー切符は京都府手前の青郷駅までであり、さらに西に進みます。北陸新幹線延伸が着々と進んでいるのが随所に見られます。
福井駅から今度はサンダーバードに乗車し、敦賀駅を目指します。今庄駅を通過すると北陸トンネルに入り、敦賀駅が間もなくとなります。
敦賀駅に到着となります。ここからは盲腸路線ではありませんが、小浜線で西に向かいます。近代化された車両にちょっと驚きです。人口規模では大きい岡山や京都と比較するとずいぶん新しい車両であります。
電車に必要な電気をたくさん生産している地域だからなのでしょうか。
敦賀駅の新幹線ホームはこれからと言う感じですが、全国の新幹線駅と比較してもかなりの規模であります。気比の松原を一番良く見られるのは実は新幹線ホームになったりするかもしれません。
敦賀駅を出発すると日が暮れてしまい、真っ暗な中を小浜まで進みました。時間的にはフリー切符で行ける青郷の先の東舞鶴まで行けますが、折角の景色の小浜線でもあるので、今日は小浜駅で打ち止めです。
駅前と行っても照明が少なく、暗く感じる小浜駅前であります。パトロールする先も少なさそうなので、また明日と言ったところです。
最後に
今回は北陸でまだ行ったことのなかった盲腸路線の氷見線、城端線、越美北線に行き、さらには小浜線にも足を踏み入れました。
やっぱり、北陸良いなと思いつつも、コスト的に高くつくかなと思っていましたが、エリア内フリー切符が威力を発揮して、お金をかけずに自己満足の世界に浸ることができました。
富山までの空路もトクたびマイルだったので、本当にキャッシュアウトが少ない旅でした。
今回新たに乗車した路線
氷見線 高岡=氷見 16.5km(完乗)
城端線 高岡=城端 29.9km(完乗)
越美北線 越前花堂=九頭竜湖 52.5km(完乗)
小浜線 敦賀=小浜 49.5km
と150kmぐらいの完乗ですが、北陸線を富山から敦賀までも移動しているため結構な移動でもありました。
これでJR西日本は完乗率は7割越えとなりました。でも、まだまだ、行くところがありますね。