海外発券は発券地まで行かないといけませんが、その格安さと加算されるマイルおよびプレミアムポイントが魅力的であります。一方で、落とし穴もあります。そこで落とし穴ビジネスクラス航空券をチェックしてみました。
落とし穴ビジネスクラスとは
マイレージ加算および上級会員資格となるプレミアムポイントまたはFLY ON ポイントにおいて、ビジネスクラスでは、エコノミークラスに比べるとより多くマイルが加算されます。一般的には、ビジネスクラスは飛行マイルの125%加算に加えて(ANAの場合はスターアライアンス加盟の航空会社であれば、搭乗ポイントとして400ポイントが別途加算されます。)
一般の人が購入するエコノミークラスでは50%~70%加算が通常ですので、それと比較すると倍以上の加算が可能となります。また、海外発券において、ビジネスクラスは日本発券よりも割安な場合もあり、日本からエコノミーで発券地に向かい、そこから海外発券のビジネスクラスを利用してもメリットがある場合もあります。
しかし、近年においては、ビジネスクラスであっても、支払う金額に応じて、クラスが細分化されている航空会社があり、快適なビジネスクラスの旅は堪能できるものの、後日のマイル加算ではエコノミー割引運賃と変わらないビジネスクラスのマイレージ加算となっているものが多くなっています。つまり、エコノミークラス搭乗と変わらないケースが多くなっています。
例題
カイロ発券のスイスインターナショナルエアラインズの場合
カイロ発の東京行きのビジネスクラスを検索すると以下の通りです。
一見すると往復で18万円程で魅力的ですが、予約クラスはPとなっています。このPクラスは70%加算で、エコノミー並みです。折角高額なビジネスクラス搭乗にも関わらず70%です。
参考 エジプト航空直行便の場合
こちらはZクラス125%加算(搭乗ポイント400もあり)です。本編と関係ないですが、直行便での安い運賃が出てきました!
スターアライアンス・ビジネスクラスにおいて低加算クラスがある航空会社
以上のような落とし穴のある航空会社を下記の通りまとめてみました。
ANAマイレージクラブにおいて、ビジネスクラスでありながら、エコノミークラス並みの加算率が存在するスターアライアンス加盟航空会社は以下の通りです。100%未満のクラスとして多いのはPクラスです。一部ではファーストクラスに用いられるクラスでですが、下記航空会社ではビジネスクラスに用いられ、加算率の低いクラスに設定されています。シートマップでよく78Pと見ますが、70Pと覚えた方がいいかもしれません。
ANA
Pクラスが該当します。日本発券においては、宿泊と合わせてパックツアーの旅作において、実施される予約コードとして有名ですが、海外発券においては、プローモーション運賃や海外キャリアとの組み合わせで利用されることが多く、意外とPクラスも多く存在します。Pクラスは搭乗マイルに対して70%加算であり、搭乗ポイントある400ポイントも加算されません。
ユナイテッド航空
ANAとほぼ同じ体系で加算率が設定されています。
ルフトハンザグループ
(ルフトハンザ、スイスインターナショナルエアラインズ、オーストリア航空)
同グループ全体で期間限定運賃や一部の格安ビジネスでは100%未満の加算があります。
ブリュッセル航空
日本ではあまり縁がないですが、欧州からアフリカに行くルートではまれに存在するので予約クラスのチェックは必要です。
ターキッシュエアライン
100%の加算クラスが存在するため、予約時にチェックが必要です。
LOTポーランド航空
日本発着では、基本的にビジネスクラスは高額のため、あまり無縁ですが、大西洋線ではそうした事例があるため、注意が必要です。
最後に
ビジネスクラスでも加算率が低いというのは、マイレージプログラムが開始された時点では考えられませんでしたが、昨今の事情やマイレージプログラムに対する注目度が高まる中、支払う金額に対してのマイル数または上級会員資格へのポイントの割合が変化しています。今後のマイレージプログラムの改変を予想するのに大変参考になる事例と言えます。
とはいえ、125%加算される運賃よりも安いので、快適なクラスとしてマイレージ加算を捨てれば、それはそれでいいかもしれません。その分たくさん旅行に出かけてカバーすることもできるわけであり、それぞれの考え方に依るかと思います。
今後はPP単価に応じてマイル加算率が決定するプログラムに変化する時代が到来し、70%加算での修業が当たり前になるかもしれません。