2018年5月にオーストリア航空の成田線の運航が再開されたのに合わせて、ANAマイレージクラブでは2018年6月よりプレミアムエコノミー積算が開始。予約クラスから、ANAをはじめとしたプレミアムエコノミーの近い将来の積算率が見えてきましたので、お伝えします。
オーストリア航空の成田線の再開
オーストリア航空は長年、成田とのウィーン直行便を運航してきましたが、2019年6月に運航を休止。その後、2018年5月15日に再開となりました。週5便運航で、曜日によって出発、到着時間が異なり、機材は以前と同じく、ボーイング777-200ERです。オーストリア航空は以前搭乗したことがありますが、印象的なのは、コーヒーにウィンナーコーヒーがあり、リキュールを入れた「マリアテレジア」が魅力的でした。また、着陸時に「美しく青きドナウ」が流れていました。
ANAマイレージクラブでのプレミアムエコノミー積算開始
オーストリア航空の成田線の運航再開に伴い、ANAではプレミアムエコノミーの積算を2018年6月1日より開始。積算率は以下の通りです。
プレミアムエコノミー普通運賃(予約クラスG,E)は100%です。そして割引運賃(予約クラスN)は70%です。ついに、AMCにおいて初のプレミアムエコノミーで70%の積算率が登場しました。ちなみに同じグループのルフトハンザのプレミアムエコノミーのNクラスは現時点において、100%ですが、いずれは70%になる可能性があります。
近い将来には割引プレミアムエコノミーは70%
オーストリア航空やグループのルフトハンザ航空はANAとのコードシェアもしており、予約クラスは平仄を合わせる必要があり、いずれはANA運航便でも割引プレミアムエコノミーはNクラスとして70%加算になる可能性が高いと思います。そして、アジア・北米路線にもNクラスを利用したプレミアムエコノミーを提供すると思われます。安いわりにPPがたくさん加算されるクアラルンプール発券のプレミアムエコノミーなどでは、PP単価が高騰すると思われます。また、Nクラスはビジネスクラスへアップグレード不可(ただし、DIA会員は2倍ポイント利用すればOK)としてくる可能性もあります。
積算率が変化するとこれほど違う
積算率が変化するとPPの積算がどれだけ違うか、実際に計算してみました。今回は、トロント発券の成田着のプレミアムエコノミー往復です。スーパー修行ルートであります。
旅程
往路
復路
旅程は下記の通りです。ウィーンでの滞在時間が長く、夏休みなどを利用しないと使いにくいルートですが、最安値です。
運賃・予約クラス
運賃は日本円で約182,631円、予約クラスはNクラス(70%加算)
積算マイル・プレミアムポイント
積算マイルとプレミアムポイントは下記の通りです。
フライト | 区間マイル | 積算マイル | PP | ||
---|---|---|---|---|---|
6月7日 | YYZ | VIE | 4,330 | 3,031 | 3,031 |
6月8日 | VIE | NRT | 5,702 | 3,991 | 3,991 |
7月2日 | NRT | VIE | 5,702 | 3,991 | 3,991 |
7月3日 | VIE | YYZ | 4,330 | 3,031 | 3,031 |
合計 | 20,064 | 14,045 | 14,045 |
積算マイルは14,045マイル、プレミアムポイントは14,045PPです。PP単価は13円/PPと普通と言えば普通ですが、スーパー修行を行う動機にはなりません。強いて言えば、距離が長く、エコノミーよりは快適なため、ライフタイムマイル修行にはいいかもしれません。
ちなみに従来の100%加算の場合は下記の通りです。
フライト | 区間マイル | 積算マイル | PP | ||
---|---|---|---|---|---|
6月7日 | YYZ | VIE | 4,330 | 4,330 | 4,730 |
6月8日 | VIE | NRT | 5,702 | 5,702 | 6,102 |
7月2日 | NRT | VIE | 5,702 | 5,702 | 6,102 |
7月3日 | VIE | YYZ | 4,330 | 4,330 | 4,730 |
合計 | 20,064 | 20,064 | 21,664 |
積算マイルは20,064マイル、プレミアムポイントは21,664PPです。単価は8.43円/PPとダイヤモンド修行をするには大量に加算できるため、とてもよいルートですが、夢の世界です。
最後に
オーストリア航空がプレミアムエコノミーを発表し、成田線を再開するニュースが出たときは、またひとつプレミアムポイントを効率よくルートを発見できるかと思いましたが、ANAでの積算率はサプライズです。近い将来、70Pと呼ばれる割引ビジネスクラスと同様70Nと呼ばれる割引プレミアムエコノミーがスターアライアンス各社に浸透し、高いお金を支払う運賃でないと上級会員になりにくくなる可能性もあります。最終的には、米系やシンガポール航空のような支払金額に応じて上級会員になる仕組みに変わっていくかもしれません。