世界一周好きでも、旅を効率的に動く人にも重宝されているスターアライアンス世界一周特典航空券の終了について考えてみました。
シンガポール航空のスターアライアンス世界一周特典航空券の終了
先日、見出しの内容が同社、スターアライアンス世界一周特典航空券のページに記載されていました。
そこには、
2024年5月1日よりシンガポール航空を通じて世界一周特典航空券を発券することはできません。2024年4月30日までに発券された世界一周特典航空券は引き続き有効です。
と記載されていました。4月いっぱいを以って、発券は終わると言う事であります。4月までに発券されたものは、5月以降搭乗でも有効であるとのことです。
SQのクリスフライヤーマイルで必要なマイル数は
エコノミークラス 200,000クリスフライヤーマイル
ビジネスクラス 280,000クリスフライヤーマイル
ファーストクラス 405,000クリスフライヤーマイル
でありました。結構マイル数が高いので日本人で日本在住の人はあまり、利用する機会がなかったかもしれません。
最も、シンガポール航空の場合、大西洋で以遠権を持っており、ニューヨークJFKとフランクフルト間やヒューストンとマンチェスター間の自社の直行便があり、北半球だけにはなりますが、世界一周は可能であります。多少の地上移動または別キャリアのフライトも入ることはありますが。
以前、自社完結の有償の世界一周運賃を販売していたこともありました。
フルサービスキャリアの世界一周特典航空券も終わりが近いのか
マイレージプログラムとしては日系のキャリアと全く違うクリスフライヤーであり、他人事のようにも感じてしまいます。
しかし、世界一周特典航空券は、今の時代でも電話でしか発券できなったり、利用する側も発券を受け付ける側もある程度知識と経験が必要であり、事業者側としてはスキルの高いスタッフの確保が必要な割には需要がほとんどないと言ったところかもしれません。
また、一度構築してしまえば、しばらくは良いのでしょうが、しかし、システム移行に伴い、世界一周特典用のメニューをディスコンさせることで移行コストを抑えられるという可能性は考えられます。
昔から世界一周をする人はバックパッカーみたいな人が多く、世捨て人のように暮らしながら巡っている人も多いかもしれません。配当収入や投資差益、広告収入で暮らしているとしてもいつどうなるのかわからないので日常的に費用は抑えたいところであります。
幸い、現代ではLCCが世界中かなりの割合で飛んでおり、片道のフライトで次の目的地まで行くことがとても貴重になっているかもしれません。
そうした意味では、フルサービスキャリアの世界一周特典航空券は役目を終えている可能性があります。
ANAスターアライアンス世界一周特典航空券の終了の可能性
ANAでもスターアライアンス世界一周特典航空券は存在しています。個人的には7-8回利用したことがあります。
特徴としては太平洋と大西洋をまたぐフライト(どちらが先でも良い)それぞれ1区間発券が必須で、旅程開始と旅程終了に11日間が必要、最大8区間までの途中降機で抑えること必要というのが最低条件であります。
ただ、これを逆手に取ると日本発の場合、東京からホノルル、ニューヨークJFKからレイキャビック、ソウル仁川から福岡まで3旅程だけを組み込めば最低マイルで発券もできるものであります。
ホノルルとニューヨークJFK、レイキャビックと欧州、欧州とソウル仁川間は海外発券で安いところを組み合わせても良いですし、有効期間は365日あるので、その間に日本に戻って再び、ホノルル、ニューヨーク、欧州に戻り、旅程再開という芸当もできます。
まあ、ニューヨークJFKとレイキャビック間は特典航空券ではなかなか空いていないですし、ビジネスクラスは皆無に等しいので、マイル数が増えてもアメリカ東海岸から欧州有名都市に設定するのがベストと言えますが。
そして、なによりもそうした発券の仕方をしないまでも、最近マイル数が増えた往復特典航空券と比較して、マイル数が少なくて済むという逆ネジレが発生しています。これはメリットでもありますが、いつかは潰されるかマイル数を上げることも想定されます。
さて、廃止の可能性ですが、ANAの場合、国際線のシステム自体は7年くらい前に現在にシステムに移行していたと思います。文字は大きく見やすくなったのですが、もっさりとした印象であります。現在でも予約済み画面の確認は結構時間がかかったりします。
そして、同社では2025年度より国内線旅客サービスシステムと国際線旅客サービスシステムを統合を発表しており、
1988年以降、「座席販売管理」、「航空券の予約/発券」、「空港での搭乗手続き」などを支える「国内線旅客サービスシステム」と「国際旅客サービスシステム」を別々で運用してまいりましたが、2025年度から2026年度にかけて1つのプラットフォームに統合いたします。国内線・国際線の旅客サービスシステム統合により、以下を実現してまいります。
と言う事であります。この辺りがANAのスターアライアンス世界一周特典航空券が閉じられる契機ではないかと思います。現状でとにかく、そのスキルを確保できる人材確保や電話応対時間が顕著に長い割に需要が少ないとなれば、システム以外のコスト対策として早期終了もあり得ます。
日本の会社なので、ドラスティックにオワコンさせるというよりは新システムまではと言うところが考えられそうですが、そうとも限らないことも多いところであります。何も出ていないですが、現実化すると淋しいところであります。
最後に
シンガポール航空はサービスは割と短期間で変えることはありますが、マイレージサービスの更改はあまり少ないようですが、マイナーな世界一周特典航空券を廃止に持ってきました。これはおそらく、ほかのキャリアでも大規模なシステム改修の中で需要が少ないメニューは廃止されていく流れとみることができます。
世界一周特典航空券が気になる人は早めに旅程を起こして、発券しておく必要が良いかもしれません。