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ANA 2021年度の機材計画から見る日本の空

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ANAホールディングスの2021年3月期の決算が公表され、決算短信に記載のあった機材計画から2021年度の運用機材を考えてみました。

2021年度の機材計画

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2021年度(2021/4/1~2022/3/31)についての機材計画は決算短信では下記のとおり発表されています。

導入予定機材

機種 機数
A380 1
B787-10 1
B787-9 8
A321neoLR 1
AA321neo 5
A320neo 4
合計 20

 エアバスA380が1機となっていますが、すでに引き渡しのされたホヌ3号機(オレンジ色、JA383A)のようです。A380はエミレーツの注文で事実上、ディスコンとなっており、まさかの4号機があるとサプライズではありますが、それはないでしょう。

そして、ボーイング787の台頭がコロナ禍でも順調と言えるかもしれません。世界初の導入から10年目であり、国際線、国内線ともにいつの間にか主力機種となっており、誰も文句を言わない存在でもある同機材の増備はある意味いいことかもしれません。

一方で、ナローボディ部門ではエアバスの台頭が顕著であり、ピーチ(もしくは新たなLCCブランド)向けのA321neoLRをはじめとして、A321neoとA320neoの発注が計10機もあるのは特徴的です。

後述しますが、A320-300の退役が10機あるので、新陳代謝とも言えますが、ボーイングのナローボディ機の導入はないため、MAX問題もあり、ジョイスティックのエアバス躍進とも言えます。

そして、国際線としては華々しいボーイング777-9の今年度の導入はなく、しばらくは耐え忍ぶ環境であることがうかがえます。

退役予定機材

一方で、退役機材は下記のとおりです。

機種 機数
B777-300 10
B777-200 4
B767-300 3
B737-700 5
A320-300 10
合計 32

 目を疑ったのですが、ダッシュ200よりもダッシュ300の方が退役数では多いボーイング777であります。ダッシュ300は国際線用のER(Enhanced Range)も含まれると想定されますが、ミレニアム世代の国内線専門の5機が含まれるのは必至であり、日本国内からB777-300が姿を消すのは間違いないと言えます。

加えて、ボーイング777-200型機も4機が退役予定となり、すでに国際線では活躍の場がない同系統は日本国内でも場がなくなるでしょう。

四半世紀にわたって、国内で安全と快適さを提供してきたトリプルセブンもそろそろ引退というところが見えてきます。

一方で、台頭しているのがエアバス機材であります。エアバス機の退役は10機(モンスター機材のA380除く)、導入は10機であり,新陳代謝に思えますが、ボーイング機材の退役を鑑みると実は躍進と言えます。

これまで、日本の空では主要都市(札幌、東京、名古屋、大阪、福岡、沖縄)のルートは通路を2つ以上確保していた機材が多くを占めていましたが、いよいよ、ヨーロッパのように通路が1席のナローボディの機材と直面する時代が到来しつつあると言えます。

新機材ではシートモニターやWi-Fi機能の充実を含めて、その差分解消を努めており、利用者視点からはがっかり感はないと言えますが、世界2位と言われた大国の貫禄はなく、欧州と同じような小型機での移動が国内では主となりそうです。

最後に

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今回のANAホールディングスでの導入と退役の機材をみると、需要が定かではない、国際線では、最低リスクを鑑みたスリム化が想定され、国内線では需要回復後を想定した日本の在り方に合わせた編成が想定される機材計画と言えます。

国内線でジャンボ機に搭乗できた日本は何であったのかと思わせるぐらい、勢いがどうなったかのか思う昨今ではありますが、歴史をみれば、ピタッとフリートと言え、日本人以外の需要の取り込みをして、グローバルで外貨獲得しかないのかなと感じてしまいます。 

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