機材は古いが国内線ではフレッシュなANAの国際線機材767-300ER(76E)の7月の3連休の運用状況をまとめてみました。
76Eのおさらい
飛行機に良く乗る人や飛行機好きの人は76Eと聞いただけでANAの国際線機材が日本国内で定期便または臨時便に運用されているとわかりますが、知らない人もいると思うため、まとめてみました。
76Eは国内線を予約する際の機材名の略称であり、ANAでは以下のような略称が存在します。
コード | 機材名 |
---|---|
773 | B777-300,B777-300ER |
772 | B777-200ER |
722 | B777-200ER |
78P | B787-8 |
78M | B787-8(国際線機材) |
789 | B787-9 |
78G | B787-9(新仕様) |
76P | B767-300ER |
76E | B767-300ER(国際線機材) |
738 | B737-8 |
321 | A321 |
32P | A320(国際線機材) |
Q84 | DHC8-Q400 |
国際線機材は現在4種類投入されていますが、常時運用されているのは黄色塗りしている3種類であります。
この中で32Pは小型機であり、国内線のA321とほぼ同じ仕様のため、あまり際はありません。
そのほかの機材であるB787-8とB767-300ERは同じ記載でありながら、国内線仕様と国際線仕様ではかなり違い、装備が豪華な国際線機材が国内線で運用されるのは乗り得と言えます。
ここにはない裏メニューとしてB787の長距離国際線仕様機が国内線で全席普通席として運用されることがレアにあり、78Rとして表現されるケースも有れますが、年に一二回であり、スルーしてもいいケースと言えます。
これまでは2020年後半からB787-8の国際線機材が国内線で運用され、国際線の2クラス(エコノミーとビジネスクラス)と同様な2クラス(普通席、プレミアムクラス)で運用されるのみでしたが、これが2022年6月から新たなにB767-300ERも国内線で2クラス(普通席、プレミアムクラス)で運用され、座席とサービスが一体化して誕生しています。
簡単に言うとプレミアムクラスのシートが国内線のシートよりも格段に良いことと言えます。また、普通席も国内線のべったりではなく、厚みがあるので落ち着いた感じがあります。
3連休の76E運用
7月3連休(16,17,18日)にボーイング767が運用されている空港でB767-300ERの国際線機材が運用されている路線を調べてみました。
羽田⇔札幌新千歳
羽田⇔札幌新千歳路線は7/17の一往復にとどまっています。世界的に需要の高い路線であり、もっと活用されるかと思いましたが、もっと大型の機材での需要が必要であり、連休中日の一往復に限定されています。
7/17 ANA055便 HND-CTS 9:00-10:35
7/17 ANA058便 CTS-HND 11:30-13:05
羽田⇔大阪伊丹
7/16 ANA013便 HND-ITM 7:00-8:05
7/16 ANA021便 HND-ITM 11:00-12:05
7/16 ANA018便 ITM-HND 9:30-10:10
7/16 ANA026便 ITM-HND 13:00-14:15
7/17 ANA027便 HND-ITM 14:00-15:05
7/17 ANA032便 ITM-HND 16:00-17:15
大動脈だけあり、連休前半に投入されています。普通席需要もありますが、プレミアムクラスを使う人が多い路線の特徴かもしれません。
羽田⇔大阪神戸
7/16 ANA415便 HND-UKB 20:20-21:35
7/17 ANA412便 UKB-HND 7:05-8:15
7/18 ANA415便 HND-UKB 20:20-21:35
7/19 ANA412便 UKB-HND 7:05-8:15
神戸線はマイナーではありますが、利用者が多いのか羽田発最終と神戸発始発に76Eが運用されています。神戸にお泊りしてと言う運用であるのも特徴的です。
羽田⇔広島
7/18 ANA671便 HND-HIJ 7:00-8:20
7/18 ANA674便 HIJ-HND 9:00-10:25
最近は羽田発最終が78Mで、広島にお泊りして翌日始発で頻繁に運用されていますが、76Eは朝練と言わんばかりで連休最終日に投入されています。
羽田⇔福岡
7/16 ANA1441便 HND-FUK 8:15-10:00
7/16 ANA259便 HND-FUK 15:00-16:45
7/16 ANA1444便 FUK-HND 10:40-12:25
7/16 ANA264便 FUK-HND 17:45-19:35
7/18 ANA259便 HND-FUK 15:00-16:45
7/18 ANA264便 FUK-HND 17:45-19:35
以前からB767-300ERの国際線機材が導入されていた福岡線は連休初めと終わりで導入されています。ここはJALとの競合も激しいのでプレミア需要は取れるだけ取りたいという気持ちも感じます。
羽田⇔長崎
7/18 ANA663便 HND-NGS 10:55-12:45
7/18 ANA667便 HND-NGS 16:25-18:15
7/18 ANA666便 NGS-HND 13:30-15:15
7/18 ANA670便 NGS-HND 19:05-20:55
長崎路線は昔からジャンボ機で運航されたり、トリプルセブンで運用されていたりするため、繁忙期はそれなりの需要がある場所でありますが、最終日にはかなり集中投入されている感じがします。
ハウステンボスは連休期間中は激混みしそうなことが感じられます。
羽田⇔鹿児島
7/17 ANA629便 HND-KOJ 18:55-20:35
7/18 ANA620便 KOJ-HND 7:55-9:40
鹿児島の昔は中型機や大型機が飛んでいており、繁忙期は767クラスは妥当とも言えます。今回の時期での旅程は連休中日の最終と最終の始発と使いにくい面はありますが、アップグレードなどは容易かもしれません。
羽田⇔沖縄那覇
7/16 ANA1425便 HND-OKA 10:05-12:45
7/16 ANA1428便 OKA-HND 13:55-16:25
7/17 ANA993便 HND-OKA 6:35-9:10
7/17 ANA994便 OKA-HND 9:55-12:25
7/18 ANA1423便 HND-OKA 9:10-11:50
7/18 ANA1425便 HND-OKA 10:05-12:45
7/18 ANA1426便 OKA-HND 12:30-15:00
7/18 ANA1428便 OKA-HND 13:55-16:25
ANAにとって最重要路線でもある沖縄線は3連休中は全日投入となっています。他の路線ではプレミアムクラスに空きがありましたが、こちらは空席待ちが目立つのも高需要と言えます。
同路線は国内最大の機材の777シリーズが多く投入されており、国内線需要がピークとも言えます。
西高東低なプレミアム需要
以上のように76Eの3連休の状況を見ると羽田発着のみであり、路線は札幌、大阪、広島、福岡、長崎、鹿児島、沖縄と西日本主要都市に集中しています。
国際線機材を利用するメリットとしてはプレミアムクラスの座席が多いため、その需要をカバーすることと言え、マイル修行を除けば、そうしたクラスに移動のためにコストを費やせる余裕がある人たちが多いという裏返しかもしれません。
札幌は別としてもほとんどが西日本に集中しているのはレガシーを相続してきた人が多いということかもしれません。そうしたところからキャッシュを吸い取る戦略にも見えます。しかしながら、ほとんどは都内在住の富裕層の行動が左右しているということかもしれませんが。
最後に
東海道新幹線の最新車両のN700Sは1編成16両であり、定員は1,320名前後であり、うちグリーン車定員は200名であり、比率にすると15%となります。
一方でANAのボーイング767-300ER国際線機材(76E)は定員が202席であり、うちプレミアムクラスは35席であり、比率にすると17%と東名阪の需要よりも高いプレミアム需要をカバーできる設定であります。
そうした中で、大阪伊丹だけでなく、西日本の各都市に設定されているというのはプレミアムクラスの座席を利用する人が多く、稼げる時には稼ぐという気概さえ感じます。
3連休に出かける人は変更が可能であれば、76Eをお試してみるのも旅の楽しさに繋がるかもしれません。